今度の竜王戦の挑戦者が三浦くんだよ
帰りにネットニュースで見たよ、彼は九段になったんだね
中継があるなら見てみようかな、録画する?
竜王は取れると良いね、それでもう一度名人に挑戦できると良いね
行方先生も、もう一度名人戦で見たいね
2日制の対局は終盤が本当に熱いものがあるよね
などとネットニュースを見ながら夫と話したのは暑いの日だったように思います。
会話の内容でおわかりかと思いますが、うちの夫婦はわりと薄めの将棋が嫌いじゃない程度
将棋盤も駒も持っていない、TV観戦がメイン
夫婦で囲碁を打つので、囲碁将棋チャンネルには入っていて、時々、興味があればニコ動も見ます
棋士というのは美しく駒や石を操るので、当時、綺麗な手の男性に目のない私には、注目の職業でした。
羽生三冠が七冠を取った時、ミーハーファンだった私はこれで何年か羽生がタイトルを独占するわよっ!と勝手に意気込んでいました。
まず棋聖を他の人に持っていかれたと聞いて凄くがっかりしたものです。
ただのミーハーファンだったのに羽生先生が結婚すると聞いた時より、がっかりしたかもしれません。
当時七冠の羽生先生から棋聖を奪取したのは、三浦九段でした。
TVのニュースか何かで姿を見て、当時、高校生かと思うくらい、かわいらしい少年でした。
実際は22歳で「えっ、この子20歳超えてるの?!」というのが第一印象でした。
将棋の棋士は一人一人が非常に濃く、楽しいエピソードの宝庫で盤の前では迫力すら感じる人たちが、素になるととても楽しい人が多いのに気づいたのもこの頃かも知れません。
取り立てて、一番好きな棋士というわけではありませんでしたが、どこか尊敬してしまうというか、私にとって三浦くんは地味でとても不器用に、誰よりも将棋にまっすぐに挑んでいる人に見えて、そのまっすぐさに憧れるような気持ちがあります
三浦くん・行方先生と呼ぶのが我が家の呼称
なぜか夫は行方八段を昔から行方先生と呼び、とても贔屓にしている
三浦くんはもう、結婚して子供もいるそうなのでそろそろ三浦くんではなく三浦九段と呼ぶのが良いのかもしれない
彼らは独特の価値観を自分の中に持っていて、勝っても反省するような、いまどきで言えば決して己に満足しない羽生結弦選手のように、勝ち負けとは別に自分が納得するかどうかを基準にしているように見える
もちろん勝負事なので勝つのは大事なことなのだけれど、そういう己と戦う部分をとても強く感じる
そしていつも全力を感じる
盤の前で本当に苦しんで思考に埋没するように戦っている
三浦九段は今、大変な苦境に立っている
私は羽生七冠を切り崩した後、不調に陥り、あれはまぐれだったと語った彼を潔いと思ったし
あのとんでもない並列処理のGPS戦後、抜け殻のようになっていたのに、その後、それを詫び最初に開発者やエンジニアにお礼を言い、そしてGPSを指していてとても楽しい相手だったと語った彼を覚えている
再度、羽生名人に挑むために出来ることはなんでも、そんな風にぎりぎりまで準備して挑んた名人戦を絶対忘れない
盤を前にしてたった一人で身もだえるように苦しんだ姿を忘れない
私は彼がまた、和服で対局する姿を待っている