大田市さんべ縄文の森ミュージアム | 古墳んぽ~古墳と野の草を観察しながら散歩

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さんべ縄文の森ミュージアム

 

約4000年前の縄文時代の三瓶火山の噴火により埋もれた杉が、そのままの状態で発見され、保存展示されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

縄文の森発掘保存展示棟


直径30mの円形で、深さ13.5mの地下展示室で、三瓶小豆原埋没林を発掘状態で展示しています。

 

 

 

 

 

 

 

三瓶山は、島根県の中ほどに位置する標高1126mの山で、幾度も火山活動を行った火山である

 

埋没林の形成に関わったのは約4000年前の7回目の活動期の噴火

 

 

 

 

 

 

火山の北側斜面で、厚く堆積した火砕流として流れ下った火山灰や火山岩の礫などが崩れ、大規模な斜面崩壊が発生

 

崩壊で発生した土砂は、土石流になって流れ下り、小豆原の谷から尾根をひとつ隔てて南側を流れる伊佐利川の谷を埋め尽くした 

 

伊佐利川の谷が埋め尽くされたことで、小豆原川は合流部でせき止められ、土砂の一部は谷を逆流して埋没林の地点まで達した

 

土石流の勢いが衰え、埋没林の地点に生えていた木々は倒されずに埋もれた

 

立木の根元付近には土石流がなぎ倒した巨木がからみつく形で折り重なって、その上に火砕流が流れ込んだ

 

土砂ダムに水が溜まると同時に、その水が運んできた火山灰が厚く堆積し、木々はさらに深く埋もれた

 

 


 

 

 

上下で地層がわかれている

 

 

下の層は細かい粒でできており、縞模様がはっきりと見える

 

三瓶火山が約4000年前に噴出した火山灰が弱い水の流れで運ばれて堆積したもので、灰になった木片が含まれる

 

 

上の層はこぶし大の石を多く含む

 

上の層は下の層を削って重なっており、埋没林が埋もれた後、川が運んだ土砂が堆積したもの

 

 

 

この位置は地下3mです。

 

 

 

 

 

 

 

土石流の地層

 

約4000年前の噴火の時、三瓶や残の北側が崩れ、大規模場土石流が発生

 

その一部が小豆原の谷の下流をせき止め、さらに逆流する形で流れ込んだ

 

 

 

 

 

 

この位置は、地下8m。

 

 

 

 

 

 

そして、地下10mには土石流がなぎ倒してここに運んできた流木があります。

 

 

 

この場所では、立木に絡みつくように多数の流木が折り重なって出土

 

土石流の強烈な破壊力が想像される

 

 

 

 


 

三瓶小豆原埋没林で見つかった樹木はスギが半数以上で、大きなものはほとんどがスギ

 

縄文時代にこの地にあった森は、高さ40m以上にも達するスギがそびえ、その間に他の条目が混じっていたようである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

埋没林を埋めた地層は、下から順に土石流・火砕流・水に運ばれた火山灰

 

土石流によって谷がダム状態になり、そこに火砕流が流れ込んだ後、川の流れに運ばれた火山灰が木々を深く埋めていった

 

 

 

 

 

これらの地層の下には、埋没林の木々が生きていた時の森林の土「古土壌」がある

 

古土壌の表面には落ち葉が残り、地表に生えていたコケ、落ち葉の間に潜んでいた昆虫などが見つかっている

 

 

 

 

 

 

これは確か木の実?種?だったような・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

次は、根株展示棟へ。

 

 

 

 

高所恐怖症の私には、らせん階段は恐怖滝汗

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この根株には年輪の中心が3つあり、根元は二股になっている

 

倒木の上でこの木が芽生え、約400年かけて成長、その間に倒木は朽ち、倒木に張っていた根の一部は融合して幹のようになった

 

杉の天然林では倒木の上で若木が育つことがあり、これを”倒木更新”という

 

 

 

 

 

植物と古代史が好きな私は、とっても満足のいく見学でした。付き合ってくれた古代史仲間には感謝です。