『エヴァンゲリオン』って? -6ページ目

碇ゲンドウ


『エヴァンゲリオン』って?-碇ゲンドウ

碇ゲンドウ

NERV総司令官。碇ユイの夫で、シンジの実父。旧姓は六分儀(ろくぶんぎ)。席に座る際、顔の前で手を組むのが特徴。また、非常に大柄な体格の持ち主である。

1999 年時は京都で生活。京都の大学で教授をしていた冬月とは、研究室の師弟関係であり以前から面識があったが、職業や生活面といった素性は不明。当時、傷害事件を起こし警察に留置された時は冬月が身元引受人となった。この頃赤木ナオコやユイと知り合うが、冬月曰く「嫌な男」であり、ユイ曰く「とても可愛い人」。

2000 年にユイと結婚し碇姓となる。シンジが生まれ、ゲンドウが命名した。シンジが乳児だった時、セカンドインパクト後に生きてゆくシンジの未来を案じていた。ゲンドウは、ユイの背後にあるゼーレに近づく手段としてユイに近づいたと噂されていたが、結婚生活を通じてユイを愛し、その後の行動が「死んだユイにもう一度逢う」を最終目標とすることとなった。セカンドインパクト発生直前まで葛城調査隊と共に南極にいた。2年後の国連調査団派遣の折にも、冬月と共に参加。ユイの死後、人類補完計画をゼーレに提案し推進者となる。

ユイ消失後は赤木ナオコ、彼女の死後はその娘リツコをそれぞれ愛人とし、共に自らの計画に協力させた。シンジを呼び寄せた後も同居はせず、ほとんど接触しようとしなかった。シンジが犠牲となる可能性が高い作戦についても承認している。また、第13使徒バルディエル(EVA3号機)戦でシンジが3号機への攻撃を拒否した際、「お前が死ぬぞ」と語った。アスカと画面上、直接の会話は無し(漫画版では一度会話シーンがある)。尚、彼女が危機に瀕した際、二度レイを救出に向かわせたが、「今、弐号機を失うのは得策ではない」と判断したため。一方で、レイには優しい表情を見せたり、彼女の起動実験失敗の際は、自身の負傷を省みず彼女を助けたこともある。

目的のためには手段を選ばない任務至上主義で冷酷非道な性格に見え、実際に陰謀や裏切りなど非情とも言える手段を厭わずに実行しているが、行動の根底には、失ったユイに拘る彼自身の弱さがあり、そしてシンジを疎んで遠ざけているような言動も不器用な愛情表現の裏返しであった。「そばにいるとシンジを傷つけるだけだ」とも語った。愛人として利用しただけのようにふるまったリツコやナオコに対しても、本心は別であったかのような描写もされている。

旧劇場版の描写によれば、右手には加持リョウジによって運ばれたアダムが移植(融合)されており、ゲンドウはそのアダムとリリスの魂を持つレイとの融合を経て地下のリリス(肉体)と融合。そうしてアダムとリリスの「禁じられた融合」を果たし、自らの目指す補完を成し遂げようとした。しかし直前にシンジの存在を感じ取ったレイが、右手のアダムだけを持ち去り、ゲンドウを置き去りにリリスに還る事を選択した為、補完計画の発動直前で、その行方はゲンドウの手中から離れる事となった。なお、主要登場人物の中で彼のみがEVA初号機に上半身を食いちぎられるというイメージで補完されており、その際、シンジが本当は親子の触れ合いを望んでいた事を認識して「すまなかったな、シンジ」と謝罪している。

漫画版ではシンジに対する冷徹さが強調され、「私を理解しようなどと思うな」と言い放ったり、親としての愛情を覚えた事は無く、むしろユイの愛情を奪った存在として憎悪の念すら抱いていたと吐露している。アダムについては、経口で摂取した結果、レイを助けた時の火傷の痕が残った「最も醜い場所」である左手に宿ったとしており、彼の意志でA.T.フィールドを発する場面もある。

新劇場版では、ダミーシステムの使用を巡って決裂しNERVを去るシンジを「人は自分の力で己の願望を叶えていくものだ、大人になれ」という趣旨の言葉で叱咤している。また、シンジとの和解を願って食事会を行おうとするレイの提案を一度は断ろうとするものの、ユイの面影を思い出して受け入れるなど、これまでの孤独なイメージとは別の反応を示す。食事会へ向かう途上で知った暴走事故に対しはっきり動揺している。また、シンジの使っていたS-DAT携帯型カセットテーププレイヤーはかつてゲンドウが使っていたもので、ユイの消失直後に別離したシンジに残していったものという描写が追加されている。アダムの代わりに加持が入手した『ネブカドネザルの鍵』を使い、ゲンドウがなにを為そうとしているか不明。

『碇シンジ育成計画』では、恐妻家でユイには頭が上がらず、家では常に新聞を読んでいて、原作とは全く違う教育熱心且つユニークな性格。冷徹な様子も無く、シンジの良き父となっている。 『新世紀エヴァンゲリオン2』の結末の一つに、シンジとの和解・親子関係の修復があり、休日に釣りに誘い、たどたどしいながらも親子らしい会話と今までの自分を改めて生きていく決意を抱き、物語の幕を下ろす。(唯一、ネルフ襲撃・サードインパクトが起きていない幕引きである)

旧姓は天体や物標の高度、水平方向の角度を測るための道具、六分儀から由来。また、名前はガイナックスで企画されながら実現しなかったアニメの登場人物から。モデルは『謎の円盤UFO』のストレイカー司令官。

赤木リツコ


『エヴァンゲリオン』って?-赤木リツコ

赤木リツコ
NERV技術開発部技術局第一課所属。E計画担当・エヴァンゲリオン開発責任者。スーパーコンピューターシステム「MAGI」の管理・運営担当者。加持・ミサトとは大学時代からの親友。TV版では加持のことを「加持君」、新劇場版においては「リョウちゃん」と呼んでいる。ヘビースモーカーで、デスク上の灰皿は常に吸殻でいっぱいである。趣味で猫の小物を集めており、猫を飼っていたこともあるがTV版においては祖母に預けており、祖母から猫が死んだ連絡を受けるシーンがある。

MAGI開発者・赤木ナオコの娘である。父親については不明。コンピューター技術者としては母譲りの優秀な技能を持ち、仕事に関しては時に冷徹とさえ思えるほどにこなすが、一方で碇ゲンドウと愛人関係にあったのも母同様であった。ゲンドウのためなら「どんな陵辱にも耐えられた」と発言するほど彼のことを愛しており、後にその感情に囚われるあまり悲劇を招く。自分を祖母に預けて研究に没頭していた母親のナオコには愛憎が交じり合う複雑な感情を抱えており、「科学者としての母は尊敬していたが、女としての母は憎んでさえいた」と語っている。母がゲンドウの愛人であることも知っていた。母の人格を移植したMAGIをどこかで母と同一視している部分があり、MAGIに「母さん」と声をかけるシーンもある。大学時代から髪を金色に染めている。左目の下に印象的な泣きぼくろがあり、劇中で加持から「涙の通り道にほくろのある人は一生泣き続ける運命にある」と評されたこともある。

ミサトを含む一般職員の知らないNERVの持つ数々の秘密を知る者の1人であり、冬月と共にゲンドウを支え彼の計画を推進することを己の役割としている。しかし、ゲンドウの真意をすべて知らされている訳ではなく、それが彼女の悲劇へと繋がっていく。第弐拾参話でゼーレに召喚され、全裸にされた上で尋問された際も、気丈に振舞っていたが、自分が綾波レイの代わりに差し出されたことを知り動揺。その後、ターミナルドグマの大量の綾波レイ(のイレモノ)を「破壊」し泣き崩れた。シンジに対してはほとんど関心を持たなかったが、レイのイレモノを破壊する時に彼だけを同行させようとしていた事から、含む所があった模様である。

漫画においては「女としての自分なんていらない」、「母さんのようには絶対ならない」と、女としての自分を捨てようとしていた反面、シンジと親密になったレイに対して「父親と息子を一度に手玉に取ろうとするなんて」と嫌味をいった挙句、反論したレイを感情的になって絞殺しかけてしまっていた。

劇場版では愛したゲンドウのために、MAGIに対するクラッキングを防御。その後ゲンドウをセントラルドグマで待ちうけ復讐と愛を貫こうとするも、逆に射殺された。その際、ゲンドウから何らかの言葉を掛けられるが、寂しげな笑みを浮かべて「嘘つき・・・」と答えている。

新劇場版「序」及び「破」ではゲンドウとの愛人関係を臭わす描写がない。NERVやゲンドウの秘密や計画に深く通じ、それを支えているような様子も、冬月に比べて薄くなっている。そのためか漫画版含め、旧作ではゲンドウをめぐって露骨に嫉妬を見せていたレイとの関係も悪くないようであり、指の傷の手当やアスカへの電話の取り次ぎなど色々と世話を焼いている。 PSP版新世紀エヴァンゲリオン2では、ゲンドウとの密会(と見られる)の後、シンジを初め全NERV関係者である男性を手玉に取っていく(会話内容から性的な手段と思われる。但し、直接的な表現ではなく匂わせる程度)。最終的にゲンドウに対して優位的立場を獲得するシナリオがある。

名前の由来は、大日本帝国海軍航空母艦「赤城(あかぎ)」と、庵野秀明の中学校時代の友人から。

葛城ミサト


『エヴァンゲリオン』って?

葛城ミサト

~人物~

本作品の主人公。ネルフ(NERV)戦術作戦部作戦局第一課所属で階級は一尉。第拾弐話で三佐に昇進[2]。役職は物語前半で「作戦部長」であったが、後半および新劇場版では「作戦課長」。碇シンジと惣流・アスカ・ラングレーの保護者・直接の上司に当たる人物で、エヴァンゲリオン(EVA)の戦闘指揮官。ペットは温泉ペンギンのペンペン。愛車はアルピーヌ・ルノーA310を右ハンドル・電動機駆動に改造したもの。第四話ではオリジナルのガソリンエンジン・左ハンドルのA310に乗っている。第七話ではフェラーリ・328でシンジの学校に乗り付けるシーンもある。

~経歴~

15年前、当時シンジ達と同じ14歳だったミサトは、父親が隊長を務める葛城調査隊と南極まで同行した際、セカンドインパクトに遭遇。南極に残っていた者の中でただ1人の生存者にして、セカンドインパクトを最も近くで目撃した人間である。その精神的外傷から一時心を閉ざし、長く失声症の時期があった(第弐拾壱話「ネルフ、誕生」でセカンドインパクトから2年後の失声症の当時16歳のミサトの描写がある)。また、その際に負った傷痕が彼女の胸部から腹部にかけ残っている。研究に没頭するあまり家族をないがしろにしがちであった父親が、セカンドインパクトの際に自分の命と引換えに彼女を救ったことから、使徒に対して強い憎悪・復讐心を抱いており、シンジ達EVAパイロットに苛酷な作戦を課すこともしばしばであった。NERV設立の真の理由を知らず、恋人の加持リョウジの示唆もあって、次第にNERV司令官の碇ゲンドウや同僚でもある親友の赤木リツコの行動に対し疑念を抱いていくことになる。

失声症から立ち直った後は第二東京大学に入学し、そこで赤木リツコや加持リョウジと知り合い、加持とは恋人関係になる。後に、ミサトは加持のことを死んだ父と重ね合わせていたことに気づき、ゲヒルンがネルフに移行する直前に一度別れる。5年後、加持の帰国と共にヨリを戻していったが、加持はセカンドインパクトの真実をミサトに託して殺害されてしまう。ミサトは加持の遺した最期の電話メッセージに号泣するが、後にシンジ同様立ち直り、セカンドインパクトや人類補完計画の“真実”を調べ始める。

階級は一尉だったが実績が認められ三佐に昇進した。
シンジとの関係

シンジと同居を始めたのは、孤独な彼に同情した全くの独断行為であった。公式の場では「シンジ君」と呼ぶが、プライベートでは「シンちゃん」となる。年齢的に姉と母の中間になるが、レイとの関係を冷やかしたり、年上の友達としてくだけた付き合い方もしている。アニメ第弐拾参話のアルミサエル戦で二人目のレイが自爆死した時は、傷心のシンジをセックスで慰めようとしたとも解し得るような身体的接触を試みるが、結局シンジに拒否された[3]。劇場版でも、ミサトは死の直前に恋人のような会話を交わす。このようにシンジとの関係は、親・姉・友・恋人と多面的な側面を持っている。しかも、ミサトの方はシンジに対して家族以上の感情があったと明言されている[4]。

~性格~


私生活においては、非常にがさつ且つずぼらで、だらしない面が多い。シンジ・アスカと同居するも、彼らの身の回りの世話は全くしておらず、むしろシンジに家事を任せきりにしていた。そのため、シンジに私生活のだらしなさを厳しく指摘されたことがある(アニメ第七話)。シンジが来る前は、家の中がゴミで埋まっていた。また、寝床も万年床となっていたり、机のまわりがゴミで埋もれていたり、ゴミ捨てをシンジに任せる、時計のアラームを足で止めたり、朝からビールを食卓に持ち出し一気飲みする、酒瓶を片手に大の字で大いびきをかきながら寝る(新劇場版より)など、自宅でのだらしない行動は枚挙に暇がない。

料理もからっきしであり、ミサトの手にかかるとレトルト製品すら食べられなくなるほど不味くなってしまう(第伍話「レイ、心のむこうに」ではレトルトを素材にカレーを作ったが、シンジ、リツコが悶絶し、ペンペンまで気絶する描写がある)。酒(特にビール)が大好きで、YEBISUを愛飲しており、冷蔵庫はほぼこれだけで満杯にされている。なお作中に描写されている日本酒の銘柄は山口県岩国市にある旭酒造の「獺祭」である。

このように私生活では非常にだらしなさが目立つものの、EVAの戦闘指揮官としては非常に優秀である。指揮官として一見無茶とも思える作戦も度々提唱するが、そのほとんどを結果的に成功に導く強運の持ち主である。彼女自身の戦闘力も高く、劇場版でH&K G11アサルトライフルを装備した戦略自衛隊員3人を、45口径弾×12発のH&K USP自動拳銃だけで怪我一つ負わずに射殺するなど、高い白兵戦能力を見せている。ドライビングテクニックもかなりのもので、シンジを乗せて走っている最中に上から巨大な落下物が降ってきても鮮やかに避けている。カンの鋭い面もあり、NERVやゼーレの裏の目的についても早くから疑念を抱いている。

「ちょっち(ね)」(「ちょっと」の意)が口癖。一人称は基本的に「あたし」を使用する割合が非常に多い。

他人のいる場所では常に明るく振る舞い、よく喋るが、その裏ではセカンドインパクトの体験が性格に深く影を落としている。