話す時間さえあれば薬は必要無い? | 介護職員の本音 「認知症介護を楽しく乗り切ろう」

介護職員の本音 「認知症介護を楽しく乗り切ろう」

世間の介護事情や認知症介護についてあれこれ言いあう場。政府だけに頼らず手っ取り早く現場を変えられるのは介護職員です。

私の法人では精神科医の非常勤医師が勤務しています。
大きな大学病院の医師で著書を手がけるほどの研究家でもあります。


そんなことで認知症利用者には薬物療法が積極的に行われるようになりました。

今までは専門外の医師(施設長)が、あれやこれやと試行錯誤して処方しており、薬の副作用から利用者に悪い影響を及ばすことも多かったと感じます。
しかし数年前から精神科医が勤務するようになり、副作用もかなり少なくなったように感じます。まあ〜勿論副作用がゼロになった訳ではありませんが…………



私としては認知症介護の第一選択肢は非薬物療法を考えるか、また最低でも薬と併用しての介護が選択肢と思っています。
しかし実際は人材不足から1人の利用者と時間をかけて向き合うこともできず、どうしても薬だけに頼らなければならないことが増えたのです。

せめて私だけでもと思い行っていた、卓上療法や回想法までもが自然と行われなくなりました。私も1人の利用者に時間をかけて携わる、熱意と想いが失われてきたのかもしれません。




ただ比較的早い時間帯から出勤している私は、時々時間をかけて利用者とお話できる時もあります。
そんな時は卓上療法も回想法も無い、ごく一般的な世間話しかしません。
でもそんな世間話でもBPSDは緩和し、とても穏やかに私との時間を過ごしてくれます。
そんな時思うのは只々くだらない話をするだけで、こんなに穏やかでいられるのに、薬だけに頼らなければならない介護の疑問を感じてしまうのでした。




BPSDは職員を困らせる要因でもありますが、BPSDは人員不足が作り出しているとも言えるのでしょうね。
認知症介護に力を入れたいと始まった理事長の思いですが、人員補充しない理事長の考えに不信を抱きます。