生命線です | 介護職員の本音 「認知症介護を楽しく乗り切ろう」

介護職員の本音 「認知症介護を楽しく乗り切ろう」

世間の介護事情や認知症介護についてあれこれ言いあう場。政府だけに頼らず手っ取り早く現場を変えられるのは介護職員です。

時々このブログでも紹介するのですが、認知症介護において重要なこと…………………


観察です。


多くの介護職員は排泄、食事、入浴介助と、とても忙しい日々をおくっています。
正直これだけの業務を行うだけでも精一杯でしょう。
そうでなくても人員が足りないというのに。



ただ認知症介護においてはクリアな利用者以上に、この観察力が要求されます。
認知症の人って自分の意思を正しく伝えられない人が多いので。




BPSDが起きる原因だって必ず理由があるものです。
大抵の人はBPSDが起き出して、さあ〜困った!と対応する事がほとんどでしょう。
でもBPSDが起きるきっかけが解れば、職員の負担も大幅に軽減するし、BPSDが起きる前にアプローチできれば、利用者だって負担は少なくて済むのですから。


そこでうちの認知症棟ではDCMを活用しています。
ケアマッピングといって、5分おきに利用者がその時何をしているのか。
誰と関わり、どこにいるのか。
精神的状態はいかがなものなのか。

そんなことを記号を使用して、評価する用紙に書き入れていくのです。


本当は専属のマッパーといわれる担当者が5分おきに評価し、6時間以上これを継続していくことが重要なんですが、人手が少ない我が認知症棟では、到底専属の職員なんて配置できるはずもありません。

なので当日出勤している職員に、通常業務を行いながら、15分おきに用紙に書き入れてもらうようにお願いをしています。


とは言ってもね〜
そんなに簡単なことではないんですよね……………

職員によって、観察に対する温度差が凄く大きいのです。
もっと厳密にいうと認知症介護においての温度差があるというのか…………
それとも忙しすぎて、それどころではないと思っている職員が多いのか……………
もっと厳しく言うと、プロとしての自覚が無いのか…………

きっと思っていることは人それぞれなんでしょうね。


一応認知症棟の職員には、これも業務の一環なので全員参加でお願いしています。
とくにこれを行うにあたって反対したり、文句を言う職員もいません。

でも協力してくれる職員は2〜3人というところですね。

2、3人となると、ほとんどDCMとしての評価は成立しません。
幸いなことに当日積極的に参加してくれる職員が出勤していたら、それなりのまとまりがあるDCMができるでしょうけど、積極的な職員が、その日に1人しか出勤していなければ、空白が多くて情報の収集どころではありませんから。
最悪な時は、丸々白紙な時もありますからね〜。
その度に私が職員に参加の呼びかけをするのですけど「あー忘れてた」と、はぐらかされるだけです。


今回も精神科受診がある利用者のDCMをして欲しいとケアマネからお願いされました。
でも私は一旦断りました…………
「専属でマッピングできる職員がいなければ、意味がないからやりたくない」
「って言うか、そもそも専属で観察するマッパーがいるからこそ意味があるものだから」


やっぱり無責任な職員がいれば、自分自身にもストレスを感じるし、はらわただって煮え繰り返りますから…………
また怒鳴り散らし、強制的にやらせても、逆に反感を買い、多少でも協力してくれた職員でさえも協力してくれなくなる可能性だってありますからね〜。
(前任の管理者がこれで失敗している)
なので何度も丁寧に必要性の説明をするだけです。
自分にストレスがかからない程度に。
後はお願いされた職員の課題ですから。


っと言うことで結局は受診があるから引き受けましたけどね……
なので私が出勤する当日に合わせて行うことにしました。
正直介護の現場ってこんなもんなんですかね〜。
無責任な奴らと諦めるか。それとも忙しすぎて人手が足らないと諦めるか。
σ^_^;



うちの場合はDCMを使用しています。
DCMは特別な場合のみ行っていることですが、日常からアンテナを張り巡らし、情報収集と情報共有をしっかり行っていきましょう。
とにかく認知症介護は観察が生命線です。