毎回これで意見が分かれます。 | 介護職員の本音 「認知症介護を楽しく乗り切ろう」

介護職員の本音 「認知症介護を楽しく乗り切ろう」

世間の介護事情や認知症介護についてあれこれ言いあう場。政府だけに頼らず手っ取り早く現場を変えられるのは介護職員です。

10年以上認知症介護を専門としてやって来ましたが、どうしても未だに乗り越えられない壁があります。


BPSDが比較的軽度の場合の薬の効果は期待できたが、中度から重度にかけてのBPSDは、薬での改善は非常に困難だった。
睡眠導入剤や抗精神薬は、副作用の方が強く現れすぎることが多く、逆に介護の負担や利用者の身体的負担の方が強くなる傾向が殆どと言っても過言ではないと感じています。



それでも人は薬に頼ろうとする。

私はいつも対応が難しい利用者に対し、睡眠導入剤や抗精神薬を試すことは賛成していません。
だからと言って何か対処療法で解決できるのかと聞かれたら、改善できるとも言えないのですが…


薬に頼らず24時間その一人の利用者の為だけに関わって行けるのであるならば、BPSD改善が出来ることに自信があります。

でも実際はそうじゃない…
私の施設の認知症棟には、50人からなる利用者が生活しています。その一人ひとりにBPSDがあり、職員が課題とする問題がある訳です。
全ての利用者に関わって行くことは不可能ですから、対処療法だけで何とかしようと思っても出来るはずもありません。

そうなると薬に頼るしかないのです…




薬を頼るなら、それなりの覚悟も必要。

薬の副作用で利用者のADLが低下することは予想されます。
ふらつきによる転倒…
嚥下障害…
せん妄…
これらは職員の介護負担が一気に倍増します。


では薬に頼らず現状のままで何とか対応していくならば。
睡眠障害…
徘徊…
収集癖や不潔行為…
コミュニケーション障害による暴力や暴言…
(他の利用者とのトラブル)
せん妄・幻覚…
これらは職員も、また利用者にとっても苦しむ原因になりますね。



ならば我々は双方のどちらを優先するのか…
毎回この双方の選択で職員の意見が分かれるんです。





どちらを選ぶにしても覚悟が必要ですね。


(⌒-⌒; )