リハビリをしても一生 立つことはできません。 | 介護職員の本音 「認知症介護を楽しく乗り切ろう」

介護職員の本音 「認知症介護を楽しく乗り切ろう」

世間の介護事情や認知症介護についてあれこれ言いあう場。政府だけに頼らず手っ取り早く現場を変えられるのは介護職員です。

私の義父は筋肉が萎縮する難病と闘っています。筋ジストロフィです。


もう私と出逢う30年以上前から…

そんな難病を抱え、男手一つで女房と義理の兄を育ててきました。
難病を抱えながらの生活はとても大変だし、まして2人の子供を育てるというのはとても多くの苦労があったと思います。

そして数年前より私が働く施設での生活が始まったのです。
入所に至るきっかけは、命に関わる事態が起きたことがきっかけでした。



そんな人生を歩んできた義父ですが、今は元気に施設で生活しています。
職員も、とても良くしてくれると言ってくれますし……………


ただ…たった一人の職員の言葉で傷つけられたことを知り、私は残念でたまりません。



「頑張ってリハビリをして、立てるようになればいいのに……………」




何気ない励ましの言葉にも感じますが、本人にとっては深く傷ついた言葉のようです。

「何をどう頑張れば良いのか…」

筋肉が萎縮する病気なので、自分の頑張り次第でも筋肉を維持することもできません。
やがて心臓を動かす筋肉も衰えてきます。
主治医からは長生きは出来ないとも言われたことがありました。

なので今もこうやって生きていることは奇跡なのかもしれませんね。



励ました職員にとっては何気ない言葉でも、場合によっては、心が突き刺さる思いの言葉もあるということを忘れないでいたい。
(自分も含む)

きっとその職員は病気のことを知らなかったのかもしれません。
また病気のことは知っていても、病気の知識は無かったのかもしれません。
介護職は医療職とは違いますから…

でも詳しい知識が無いとしても、その病気の特徴や注意する点、また利用者の既往歴は知っておくべきだと思います。

場合によってはその人の歩んできた人生に対しても否定や傷つけてしまうこともあるんだと深く考えさせられました。

介護職だから医療のことなどは知らなくても良いということはありません。
勿論、詳しい医療の知識などはいりませんが、その人が持っている病気を含めて介護職員は生活をフォローして行く義務があると思います。


そのことを知った女房は深く悲しんでいました。私もその言葉を言った職員を追い込むことはしませんでしたが、自分の心の中で私も同じ過ちを知らず知らずに犯していたのかな〜って反省しました。


私の施設では1フロア、50人からの利用者が生活しています。全ての利用者の生活歴や既往歴を把握するのは非常に困難かもしれません。

でもそれは我々の言い訳なんでしょうね…
プロですから。



現場では全てのことを把握することはできない… しょうがないこと… と言う人もいるでしょう。
でもそれは全てを把握しようと努力した人だけが言える言葉なのかもしれませんね。

自分はそこまで努力していないと深く反省しました。