前回は「人は変化を嫌う」ということを書きました。
業務を改善して欲しい。
精神的、肉体的ストレスを軽減して欲しい。
認知症棟職員の総意の願いでした。
ただこの裏にはこのような真意があるのです。
人員を増やせ。
ハイリスク、BPSDが顕著な利用者は入所させるな。
今の認知症棟の火の車を考えて新しい利用者を決めろ。
そう職員は言いたいのです……………
(実際このようなことはいつも言われています)
このような考えはどう思いますか?
人員数はやっと規定に達しました。
法人もこれ以上の増員は考えていないようです。
確かにハイリスクでBPSDが顕著な利用者が多いと、それだけ介護職員は必要になります。
でも実際は法で定められた以上の増員は経営的にも無理があるのです。
(人員規定に満たない施設なら職員の不満も大いに理解できる)
また新規の利用者を選んで入所させろ…
これまたおかしな話です。
本当に利用者を選んで入所させることを考えていたら運営は成り立ちません。
少なくても在宅で介護できないくらいの認知症の影響があるから老人施設に入所して来るわけですから。
流石にこの乱暴な意見は取り入れるわけにはいきません。
そもそもこのように考える事次第、介護の世界には向いていないのです。
まあ私も心の奥で同じような思いがある事は否定できませんが、現場を管理する側としてはこの意見は取り入れる事は出来ないのです。
このような経緯があって業務改善、フロア内の人員配置の変更に至った訳です。
多分…このような職員の叫びは私の施設以外でもある事だと思います。
人員規定以上の職員に満たされ、職員側が介護しやすい利用者だけを選んで入所を考えられれば、こんな楽な仕事はありませんから。
政府の政策に不満はあるけれど、現場でそれを言っても何も変わりません。
自分の現場を働きやすい環境に変えるのは、政府では無く現場で働く介護職員しかいないのです。
そして尚且つ政府が賃金に対して改善を図ってくれると良いのですがね。