今週のワンピース ~ゾロの武士道~ | no3bアトレティコAKB神推しblog

※ネタバレ注意









今週のワンピは、単に面白かったというだけでなく

ゾロさんがものすごくカッコ良かったので、ちょっと紹介したいと思います。




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第687話「猛獣」







"ユキユキの実"の能力者・モネと対峙するゾロ

実力では完全に上回っているが、真剣勝負ではないし最低目的は"足止め"なので、ゾロは勝負を急がない。



しかし、その場に駆け付けた海軍本部大佐・たしぎ

ゾロに向かって「女を"弱者"と思い…!! 戦いに手を抜き!!」
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こう言い放ち、自分が代わりにモネと戦うと名乗り出た。相手が女であることを理由にゾロが剣を鈍らせていたことを、たしぎは見抜いていた。

そして、海軍将校であるたしぎには、巨悪の一端であるモネを倒す義務があった。






修業の末に覇気のコントロールや高度な体技も身に付けたたしぎは、途中まで善戦するも……
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王下七武海の一人「ドンキホーテ・ドフラミンゴ」の有能な部下であるモネを相手に、劣勢に立たされた。






それを見かねたゾロは、吹雪の中でたしぎに襲い掛かっていたモネに対して小さな斬撃を飛ばし、戦いに割って入る姿勢を見せた。
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「おれに敵う気がしねェと気づいた時… お前は逃げるべきだった」

「――そりゃあおれにも 斬りたくねェもんはある」

「だが」
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「聞くがお前 絶対に人を噛まねェと保証できる "猛獣"に会ったことはあるか…!?」


「おれはねェな…」





そして、ゾロは

溢れ出す殺気とともにモネに接近する
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――しかし、モネは死んではいなかった。
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モネは"ユキユキの実"を食べた、自然系の能力者。体が

雪という自然物そのもので成り立っており、いくらでも流動させることができる。


通常、弱点を突いた攻撃以外は当てることができない。(砂を固める"水"攻撃、氷を溶かす"炎"攻撃など。)

だが、"覇気"という特殊な力(気迫や精神力)を扱うことができれば、自然系の能力者の流動する体を

"実体で捉える"ことができる。故に、強大な力を持ち、覇気を扱うことができるゾロであっても


覇気を用いずにただ単に腕力(剣の腕)で斬っただけでは、モネに確かなダメージを与えることはできない。死に至らせることは愚か、実体に傷を付けることすらできない。



だが……
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モネは苦しみあがき、体を再生させることができない。

(自然系の能力者なら、相手の攻撃を受け流すことができるし、仮に喰らっても実体にダメージが及んでいなければ、いくらでも再生できるはずである。)




……
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ゾロは、まずはじめに

今まで攻撃を加えなかったモネに対して斬撃ダメージを与え、

「斬る気がある」ことを明示した。


そして、もっともらしい理屈を述べて

これまでの「(女に対する)自分の戦う姿勢の無さ」と、それが絶対不変のものでは無いということを威勢良く語り、


極限まで満ちた殺気とともにモネを斬り付けた。




真っ二つに斬り裂かれたモネは、一瞬にして

巨大な"死の恐怖"に襲われた。



相手は、自然系の能力者に対してダメージを与えることができる

確かな実力者であり、自分の戦闘力を大きく上回る強者であった。


そんな強者が、斬る姿勢を見せ

甘さを捨てたことを告げ、殺す気満々で向かってきたら、降り掛かってくる恐怖の重さは

尋常じゃないだろう。



それらのアクション全ての効能により生み出された、

真っ二つに斬り裂かれた瞬間に"死を覚悟して当然の状況"。(相手が覇気使いでなかったり、覇気で斬りかかる気がないと確信していれば……あるいは少しでも気に留めていれば、これほど大きな恐怖に襲われることはなかったであろう。)







……結局、ゾロに恐怖を植え付けられて

体の自由が効かなくなってしまったモネは、苦しみもがいた挙げ句に

再生しきっていない身体のままゾロに襲い掛かり、しかし

背後にいたたしぎに斬り付けられ、倒れ込んだ。


たしぎの存在と接近にしっかりと頭が回らないほど

気が動転していたモネは、恐怖による混乱と実質的ダメージが重なって

たしぎの渾身の一撃の前に、ひれ伏した。




するとたしぎは、ゾロに向かって

「結局あなたとどめを刺さなかったんですね!!」と不満げに怒鳴ったが、


ゾロは

「勝手に手ェ出しといて バカ言ってんじゃねェ」

今お前が斬らなきゃおれが斬ってた

と言い放った。





実際に、たしぎが手を出さなかったり行動が遅れたりしてたら、

ゾロはきちんと自分の手でトドメを刺したと思う。(まあ足止めが目的だから、命までは取らないだろうけど。)


自分の命と引き換えにしてまで女を気遣うなんてことはしない。

その辺がサンジとの差で、サンジは女に対する異常な「優しさ」や「尊び」により

女に手も足も出せない(自分の死をも厭わない)のに対し、ゾロは


「(弱者だと認識している女への)無駄な攻撃、殺生」を嫌っているからこそ、女への攻撃を控えているんだと思う。(優しさもそれなりにあるが。)



ゾロの目的は

金でも殺戮でもないから、無駄に剣を振ることを望まないというのはよく理解できる。


その辺の価値観は、ベラミーと対峙したときに「ケンカを買うな」とルフィに言われて

一方的に攻撃を受け続けたときの感じと似てると思う。あそこでルフィに言われたからこそ芽生えた価値観なのかどうかは断定できないが。




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ゾロやサンジのこういった姿勢に呆れたり、批判したりする人もいると思う。


生きるか死ぬかの世界で、女だからって手を抜くのは馬鹿げてると。そんなのありえないと。







でも、俺はそうは思わない。


この漫画・ワンピースは、海賊漫画でありファンタジー漫画でもある。



金や殺戮を目的とした海賊が暴れ回るだけじゃ漫画が成り立たない。少なくとも少年誌の上では。


主人公のルフィを起点として展開されてきたこれまでのストーリーを見れば、この漫画の主旨というか方向性というか

雰囲気が掴めるはず。



希望を持って海を駆け巡ることに生き甲斐を見出す海賊がいる一方で、

純粋な悪党もいる。

正義もいるし、中立の立場(民間人)もいる。



バランスは取れている。


その中で、主人公とその仲間は

少年漫画の要求によく合致するタイプの面々となっている。




だから、ルフィやゾロやサンジなんかが

普通に考えられる悪党である必要はない。


その辺は他にたくさんいるし、ルフィたちには

戦う姿勢を選ぶことが可能なほどの"強さ"がある。






ゾロはまあサンジほど明確に

「(戦当時における)女に関して」こだわりを持っているとは思わないが、上記の紹介内容にもあるように


ゾロにだって斬りたくないものはある。なんでもかんでも斬って、殺して……じゃ、ただの殺人鬼でしかない。


ゾロが志しているのは"世界一の大剣豪"の名だから、剣士でもない人間などわざわざ相手にする必要など無い。ましてや女で、足止めで十分となると。


だがもちろん、急迫した状況や仲間を守る必要性があるときには迷いなく戦う。

みすみす自分が殺されるような状況は作らない。






そして今回、足止め程度に戦ってればいいと思っていたところにたしぎが来たから、戦いをたしぎに委ねて

自分はその様子を眺めた。たしぎが負けそうになったから、自分が倒さなきゃならんのかと渋々立ち上がり、行動に出た。


結局自分はモネ(の実体)を斬り付けることなく、脅かしただけで、

トドメをたしぎに任せて

戦いを終わらせることができた。おそらく、全て(野生的)計算の上だろう。


また、この回のタイトル

猛獣」も、物語をよく引き立てていて素晴らしい。








……本当にスマートでクールでカッコイイ勝ち方(戦い方)だと思う。



ゾロはやっぱり、最高に粋なキャラだね☆(*^_^*)