Billboard Chart 2/15 | ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

過去と現在の洋楽シーンをチャートデータをもとに紹介するページ(週一更新予定)

Billboard Chart 2/15

Single Chart


1(2) : Die With A Smile / Lady Gaga & Bruno Mars (5 Weeks)
2(-) : I'm The Problem / Morgan Wallen
3(4) : Luther / Kendrick Lamar
4(7) : Birds Of A Feather / Billie Eilish
5(5) : A Bar Song (Tipsy) / Shaboozey
6(3) : APT. / Rose & Bruno Mars
7(18) : Timeless / The Weeknd f.Playboi Carti
8(6) : Lose Control / Teddy Swims
9(15) : Beautiful Things / Benson Boone
10(11) : TV Off / Kendrick Lamar f.Lefty Gunplay

Lady GagaとBruno Marsの「Die With A Smile」が1位に返り咲いて、通算5週目の1位を獲得しています。Streamingsは28.6Mで2位、Digital Salesは10,000回で4位、そしてRadio Airplayでは62.5Mで1位獲得となっています。Lady Gagaがラジオエアプレイで1位を獲得したのは2009年の「Paparazzi」と2011年の「Born This Way」以来3曲目でした。Bruno Marsは10曲目のラジオエアプレイ1位となっています。(これはRihannaの13曲、Mariah Careyの11曲に次ぐ)

それで2位がMorgan Wallenの「I'm The Problem」でした。これがアルバムタイトルともされている4枚目のアルバムから4曲目のTop10ヒットになります。Streamingsが29.2Mで1位、Digital Salesが15,000回で1位、Radio Airplayは11.6Mでした。アルバム発売日は未定ですが、6月20日に同アルバムからのライブツアーが始まるということで、このあたりがアルバム登場と予想されています。


I'm The Problem / Morgan Wallen

4枚目のアルバム『I'm The Problem』からのシングルヒット状況


Lies Lies Lies 全米7位
Love Somebody 全米1位
Smile 全米4位
I'm The Problem 全米2位

The Weekndのアルバムから「Timeless」が再びTop10に戻っています。先行シングルで3位を記録していました。

来週はKendrick Lamarがスーパーボウルのパフォーマンスの影響でチャートを席巻しそう。Spotifyでは1位から5位までKendrick。その1位は「Luther」か「Not Like Us」が争っています。

12(-) : Cry For Me / The Weeknd
15(29) : Not Like Us / Kendrick Lamar
18(45) : Pink Pony Club / Chappell Roan *
20(23) : Squabble Up / Kendrick Lamar
23(30) : Good Luck,Babe! / Chappell Roan
27(55) : Denial Is A River / Doechii
29(-) : Abracadabra / Lady Gaga
32(46) : Wildflower / Billie Eilish *
* Top40再登場

41(Re) : Again / Fetty Wap
57(1) : 4×4 / Travis Scott

Grammy賞の影響でChappell Roanの「Pink Pony Club」が18位に再登場しています。キラキラしたポップナンバーで、大ヒットが予想されます。


Pink Pony Club / Chappell Roan

Grammy賞でもう一人ブレイクしそうなのはフロリダ州Tampa出身のラッパーDoechiiで、3枚目のMixtape『Alligator Bites Never Heal』がBest Rap Albumを獲得しています。90年代の最初の頃のようなシンプルなトラックにのせるラップで、個人的には懐かしさがありましたが、ラッピンは上手いですね。

Deniel Is A River / Doechii

初登場は他に2曲。The Weekndのアルバムから「Cry For Me」が12位に登場しています。The Weekndらしいメロウなトラックです。


Cry For Me / The Weeknd

意外に低いなと思ったのは1位に「Die With A Smile」が入っているLady Gagaのアルバムからのシングル「Abracadabra」が29位登場でした。曲は「Born This Way」の頃のようなテクノダンストラックですが、PVが気合いが入りすぎて凄い迫力です。


Abracadabra / Lady Gaga

Travis ScottまさかのTop40を1週間で陥落です。


■ 最短で1位からTop40外に落ちた曲を調べてみた

全米1位を獲るのは名誉ですが、瞬間風速で落ちるのはちょっと恥ずかしい黒歴史。ちょっと紐解いてみましょう。

90年代にセールス重視となって初登場1位が登場して、10年代にはストリーミングスが中心となってアルバム発売と同時に大量の曲がランクインとなっていますが、それ以前はラジオでコツコツと1位に上昇というのが定番でしたので、90年代までの最短のTop40曲といえば、John Lennonの「Whatever Get Thru The Night」(74)で、Top10を3週、Top40を11週あたりが印象的。ただ、11週も有るじゃんと思われますが、当時は1位に上がるまでにある程度週が必要なので、落ちるのが早かったということです。

本題。90年代以降といえば初登場1位が連発しますが、シングルセールスは急にはゼロにならないので瞬間風速の曲は少ない、というか1位の曲が全てビッグヒットで強力。


風向きが変わるのは2000年に入ってからで、TV番組American Idolの登場。初代のKelly Clarksonは結構粘ってTop40に11週。Clay AIkenはTop40を7週間。怪しくなったのはFantasiaの「I Believe」は4週間。Taylor Hicks「Do I Make You Proud」はTop40に5週間。


Taylor Hicksの「Do I Make You Proud」は5週間もいたのかは正直な感想。

次の転機はStreamingsが大きな影響を及ぼしてから。これにより大物アーチストであっても、瞬間風速ヒットが生まれていきます。例えば

Cardigan / Taylor Swift  Top40内5週
Willow / Taylor Swift Top40内13週
All Too Well (Taylor's Version) / Taylor Swift Top40内3週

Willowは1位の次の週に38位に落ちていますが、その後驚異の粘りがありました。

What's Next / Drake Top40内8週
Slme You Out / Drake f.Sza Top40内6週
First Person Shooter / Drake f.J.Cole Top40内12週

Drakeも最近は瞬間風速ぎみで、First Person Shooterも9週目でTop40外に落ちて、その後粘っています。

Life Goes On / BTS Top40内2週
Permission To Dance / BTS Top40内4週

BTSは人気がありますが、やはりラジオエアプレイが付いてこないのが痛い。

Franchise / Travis Scott f.Young Money & MIA Top40内4週

Travis Scottも前回の全米1位も瞬間風速ヒットでした。最近は瞬間風速ヒットも目立っていますがJason Aldeanの「Try That In A Small Town」は9週で、Jung Kookの「Seven」は8週とまだ粘っています。

でも粘れなかった曲としては

Trollz / 6ix9ine & Nicki Minaj Top40内2週
Hiss / Megan Thee Stallion Top40内2週

それでは決して掘り返してはいけないTop40内1週の曲はTravis Scottの「4×4」の他に1曲ありました。

Crazy / Jimin Top40内1週

ちなみに今回のTravis Scottの1位から57位の落下の大きさはダントツで1番です。

Streamings Songs #1 : I'm The Problem / Morgan Wallen 29.2M
Digital Sales #1 : I'm The Problem / Morgan Wallen 15,000
Radio Airplay #1 : Die With A Smile / Lady Gaga & Bruno Mars 62.5M

Album Chart (Units/Sales)

 

1(-) : Hurry Up Tomorrow / The Weeknd 490,500/359,000
2(1) : Debi Tirar Mas Fotos / Bad Bunny 94,000/?
3(2) : SOS / Sza 82,000/?
4(3) : GNX / Kendrick Lamar 65,000/?
5(10) : Hit Me Hard And Soft / Billie Eilish 53,000/?
6(14) : The Rise And Fall Of Midwest Princess / Chappell Roan 49,000/?
7(6) : Short N' Sweet / Sabrina Carpenter 48,000/?
8(5) : One Thing At A Time / Morgan Wallen 45,000/?
9(11) : The Tortured Poets Department / Taylor Swift 38,000/?
10(8) : The Secret Of Us / Gracie Abrams 36,000/?

14(62) : Alligator Bites Never Heal / Doechii
19(Re) : Cowboy Carter / Beyonce
23(49) : Fireworks & Rollerblades / Benson Boone
35(-) : Dave's Picks,Volume 53 / Grateful Dead

カナダはトロント出身のシンガーソングライターThe Weekndの『Hurry Up Tomorrow』が1位を獲得しています。これでThe Weekndは『Beauty Behind The Madness』(2015)、『Starboy』(2016)、『My Dear Melancholy』(2018)、『After Hours』(2020)に続く通算5枚目の全米1位獲得となりました。今回はセールスが359,000と多く、これはThe Weekndにとっても1週間で最大のものでした。183,000がDigital Sales、99,000がCDセールス、77,000がレコードセールス、1,000がカセットのセールスでした。先行シングルの「Timeless」が全米3位を記録しています。

Grammy賞の影響が出た今週ですが、賞を獲ったり、パフォーマンスをしたアーチストの上昇が目立ちますが、最優秀新人賞を獲り、「Pink Pony Club」をパフォーマンスしたChappell Roanは完全に勢いをつけました。そして14位のDoechiiは今年大活躍となるかもしれません。


そしてGrammy賞とスーパーボウルのパフォーマンスでKendrick Lamarの『GNX』が来週上昇を見せるでしょう。