Ver.5サイトが選ぶポップミュージック名曲選 00年代以降編4 | ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

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Ver.5サイトが選ぶポップミュージック名曲選 00年代以降編4


よくあるロックの名曲ではなくて、ポップミュージックの名曲を当サイトが厳選して紹介しています。選曲は全米Top5に入った曲はそれだけで名曲で、膨大なリストとなるため外しています。
00年代(2000年以降)から早くも四半世紀が過ぎようとしています。インターネットの普及からデジタルでのフォーマットが登場し、今はStreamingの時代となりました。膨大な世界の、または過去のライブラリを自由に聞ける、また個人が簡単に発信できる時代となり、音楽のあり方が変わってきました。Streamingsが集計対象になるため聞かれる曲はいつまででも聞かれ続け、ある時には自然発生のごとく過去の曲が浮かび上がってきます。そんな時代の00年代以降ですが、管理人がチャートヒット関係なく、長く聞かれ続けるのではないかと思う曲をセレクトしました。
 

00年代に入り、EminemやNelly、OutkastにKanye Westの登場によりヒップホップは新たな展開を見せました。過去の音楽のサンプリングではないヒップホップが登場し、もはや替え歌と言うべきものも登場します。ラッピンも歌に近いものが登場し、音もアメリカ東部、西部以外に南部発が脚光を浴びました。ヒップホップが世界中で定着していき、ポップミュージックの中心となりました。

The Next Episode / Dr.Dre f. Snoop Dogg 00
 

80年代の後半に登場した西海岸のヒップホップグループN.W.A.のメンバーであったDr.Dreは、90年代にソロとなりG-Funkブームを起こします。2000年に入るとAftermathレーベルを設立し、Eminemや50 Centをプロデュースし、新たなヒップホップの中心となりました。「The Next Episode」は1999年に発売された2ndアルバム『2001』からの2ndカットで、全米23位、全英3位を記録しています。タイトルはDreの大ヒット「Nuthin But A G Thang」の続編という意味で、音も90年代のG-FunkからEminemのような2000年以降のポップなヒップホップの予告編のような内容になっています。

Stan / Eminem 00

 

ミズーリ州St.Joseph出身のラッパーEminemは1999年に『The Slim Shady LP』によりブレイクし、2000年発売の『Marshall Mathers LP』によりトップアーチストとなりました。EminemはSlim Shadyという架空のキャラクターを演じ、高いラップスキル、Dr.Dreと組んだ新しいヒップホップトラックで一気に時代を変えました。「Stan」はアルバムから3曲目にカットされ、全米51位、全英1位を記録した曲ですが、サンプリングされたのはほぼ同時期の曲のDidoの「Thank You」で、歌詞もEminemと熱心なファンのやりとりとその後の自殺からなるストーリー仕立てのもので、Eminemの曲で高い評価を受けています。

(Hot Shit) Country Grammer / Nelly 00

 

テキサス州Austin出身のラッパーNellyのブレイクヒットで、全米7位、全英7位を記録しています。南部ラップの代表的な曲ですが、まず、ラッピンが抑揚をつけた歌ラップというもので、メロディとコーラスはこどもの遊び歌である「Down Down Baby」から引用されています。レゲエのラップ版のラガマフィンの雰囲気も漂う新しい形のヒップホップはEminemとは別に00年代の音を作り上げました。

B.O.B. / Outkast 00

 

90年代半ばにBabyfaceとLA ReidによるLafaceレーベルから登場した南部ラップの走り的なジョージア州アトランタ出身のラップデュオOutkastですが、一気にブレイクしたのは2000年の4枚目のアルバム『Stankonia』からでした。先行カットとなったのはBombs Over Baghdad(バグダット上空の爆撃)の頭文字の「B.O.B.」で、そのタイトルから全米ヒップホップで69位、全英チャート61位とヒットはしていません。しかしドラムンベースの早いリズムに、ジミーヘンドリックスばりのギター、ゴスペルのコーラスという複数のジャンルをごちゃまぜとした新しいヒップホップはメディアから絶賛をされています。

Throught The Wire / Kanye West 03

 

ジョージア州アトランタ出身のラッパーKanye WestはJay-Zにアルバム『The Blueprint』に曲を提供して注目を集め、2004年にはデビューアルバム『The College Dropout』を発表します。スタイルとしては過去の音楽のサンプリングした音ですが、使い方がループするバックトラック的なものではない一つの楽器のような使い方やカバーのような使い方が天才的でした。そのデビューヒット「Through The Wire」は全米15位、全英9位を記録していますが、Chaka Kahnの「Through The Fire」をサンプリングしながら、曲のテンポを変え、Kanye Westの2002年の自動車事故、デビューまでを振り返るような内容になっています。

Let It Go / Keyshia Cole f. Misssy Elliott & Lil Kim 07

 

カリフォルニア州Oakland出身のR&BシンガーKeyshia Coleの2007年に全米7位を記録した曲です。Mtumeの「Juicy Fruit」、Yarbrough & Peoplesの「Don't Stop The Music」、The Notorious BIGの「Juicy」がサンプリングされていますが、作曲プロデュースしたMissy Elliottはそれを浮遊感漂うメロディアスなトラックにしています。


Where Is The Love? / Black Eyed Peas 03

 

カリフォルニア州ロサンゼルスで結成されたヒップホップグループBlack Eyed PeasはWill.i.amを中心としたオルタナヒップホップとして高い評価を受けていましたが、2000年にFergieが加わり、発売された2003年の「Where Is The Love ?」は全米8位、全英1位を記録しました。当時アメリカで起こった9.11テロを背景に様々な社会不安と愛の大切さを歌っています。Black Eyed Peasはオルタナヒップホップとしてエレクトロを使い始め、次の10年のエレクトロの時代につながっていきます。

Stop Me / Mark Ronson f.Daniel Merriweather 07

 

イングランドはロンドン出身のシンガーソングライター、DJ Mark Ronsonの2007年に全英2位を記録した曲です。Supremesの「You Keep Me Hangin On」をカバーしたThe Smithが元ネタで、オールディーズの雰囲気を残しながら、新しい時代のダンストラッとして構成しています。カバーでもサンプリングでもない新しい音の構成はKanye West的であり、この後Mark RonsonはBruno Marsと「Uptown Funk」というメガヒットを生み出すことになります。

Rehab / Amy Winehouse 07

 

ロンドン出身のシンガーソングライターAmy Winehouseはその成功と短すぎる人生で伝説となっているアーチストですが、そのAmy Winehouseで成功したシングルが「Rehab」で、全米9位、全英7位を記録しています。作曲はAmy Winehouseで、プロデュースは「Stop Me」のMark Ronsonでした。自身のアルコール依存症のリハビリを拒否したことを歌っていて、音はAmy Winehouseのボーカルスタイルにマッチした60年代のR&Bになっています。Grammy賞のRecord Of The YearやSong Of The Yearなど数多くの賞を獲得している名曲です。