Ver.5サイトが選ぶポップミュージック名曲選 80,90年代編 9 | ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

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Ver.5サイトが選ぶポップミュージック名曲選 80,90年代編 9


よくあるロックの名曲ではなくて、ポップミュージックの名曲を当サイトが厳選して紹介しています。選曲は全米Top5に入った曲はそれだけで名曲で、膨大なリストとなるため外しています。
70年代までの100曲編と80年代、90年代編は名曲としての意味合いが変わってきます。80年代頃からは幅広い音楽に触れる機会が増えたことで、様々な音楽を取り入れたり過去の音楽を再構築することが増えていきます。またシンセサイザーの普及で簡単に電子機器で音楽を作ることができるようになります。90年代頃には音楽の一部をサンプリングするラップミュージックが流行しました。
ということで今からだいぶ過去の音楽ですが、それでも色あせないポップミュージックの美しいメロディの世界をぜひお楽しみください。

90年代に入ると、80年代ポップに対する反動があり、全米チャート(Billboard Hot 100)ではチャート集計ルールのため実売セールスに重きが置かれ、ラジオフレンドリーなポップなものが極端に少なくなります。そんな状況を受けて日本では全米以外の世界中のポップな曲プッシュし始め、ラジオを中心に独自の洋楽ヒットが生まれ始めました。

Are You Gonna Go My Way / Lenny Kravitz 93

 

ニューヨーク出身のシンガーソングライターLenny Kravitzは1989年に『Let Love Rule』でデビューしますが、Beatlesマニアというようなアルバムで、全米61位、全英56位と苦戦しますが、日本では早くから人気となりました。1993年に発表された3枚目のアルバム『Are You Gonna Go My Way』からリードシングル「Are You Gonna Go My Way」は全英4位のヒットとなり、アルバムは全英1位を初めて獲得します。90年代に流行していたグランジの重苦しさのない、70年代のハードロックの爽快感やかっこよさを出したような曲で、チャート順位以上に日本では人気となりました。

Be My Baby / Vanessa Paradis 92

 

フランスはSaint Maur Fosses出身の女優・シンガーVanessa Paradisの1992年発表の3rdアルバムからシングルカットされて全英6位のヒットを記録しています。作曲とプロデューサーはLenny Kravitzで60年代のSupremesのようなMotownサウンドを見事に蘇らせています。なんとも少女っぽい可愛らしいボーカルと美貌もあって日本ではこれも大人気で、これが全米でヒットせず、全英1位でもないというところが90年代の洋楽ヒットという感じがします。

One And Only / Chesney Hawkes 91

 

イングランドはWindsor出身のシンガーソングライターChesney Hawkesの全米10位、全英1位を記録した曲です。映画『Buddy's Song』サントラ、『Doc Holywood』サントラからということもありますが、作曲が80年代ビリティッシュインベイジョンで活躍したNik Kershawで、ポップロックなところが魅力的なナンバーです。

Constant Craving / K.D.Lang 92

 

カナダはEdmonton出身のシンガーソングライターK.d.Langの1992年に全米38位、全米でのヒットを受けて再発売された全英で15位を記録した曲です。チャートヒットではそれほど目立ったものではありませんが、1993年のGrammy賞の最優秀女性ポップボーカルを受賞したことで注目を集めました。独特のメロディラインとそれに漂うようなK.d.Langのボーカルが素晴らしく、どことなく気品が感じさせられる曲になっています。Mark Romanekが監督したモノクロームの美しいPVは戯曲「Wainting For Godot」をイメージしたもので、MTV Awardなど受賞しています。

Shape Of My Heart / Sting 93

 

イングランドのバンドPoliceのメンバーStingはバンド解散後にソロとしても活躍しますが、この曲は1993年に全米ではカットされず、全英57位のヒットを記録しています。これが日本では高い人気があったのは1994年に大ヒットした映画『Leon』で使われたことが要因ですが、その後日本の宇多田ヒカルのデビューアルバム『First Love』に入っている「Never Let Go」で使われたり、Nasの「The Message」、Juice WRLDの「Lucid Dreams」など切ないギターの調べがサンプリングされるなど、サンプリングの定番となっています。

7 Seconds / Neneh Cherry & Youssou N Dour 94

 

スウェーデンはストックホルム出身のNeneh CherryとアフリカはセネガルDaka出身のYoussou N Dourによる1994年に全米98位、全英3位を記録したナンバーです。全米以外では大ヒットした曲で、特にフランスでは16週間1位を記録しています。7分とついたタイトルの残酷さは世界の問題や暴力について歌っていて、美しくも切ないメロディと二人のソウルフルなボーカルが心に染みる名曲です。

Shy Guy / Diana King 95

 

ジャマイカはSpanish Town出身のシンガーソングライターDiana Kingの1995年に全米13位、全英2位を記録した曲です。映画『Bad Boys』サントラからのナンバーでAverage White Bandの「School Boy Crush」がサンプリングされています。ポップにコーティングされたレゲエナンバーで、ダンサブルなあたりが日本でもかなりラジオで流されていました。

Virtual Insanity / Jamiroquai 96

 

ロンドン出身のシンガーソングライターJamiroquaiは1993年のデビューアルバムから70年代Stevie Wonderライクなソウルソングで日本ではかなり人気がありました。その後日本のこどもTV番組(ウゴウゴルーガ)で曲を提供するなど全英以上に日本で盛り上がっていましたが、1996年「Virtual Insanity」で全英でもTop3のヒットを記録しています。日本のFMラジオでは1位を記録していて、CMにも登場するぐらいのフィーバーでした。Jamiroquaiらしい社会派な歌詞にソウルのエッセンスが素晴らしい曲です。PVは動く床ではなく周りが動いているというトリッキーなもので1997年のMTVのVideo Of The Yearを受賞しています。

PVにはBugが登場しますので視聴にはご注意ください。


Dreams / Cranberries 94

 

アイルランドはLimerickで結成されたオルタナロックバンドThe Cranberriesのデビューシングルで1992年に全米42位、全英27位のヒットを記録しています。The Cranberriesは「Linger」がロックシングルがほぼ出ない90年代初期に全米Top10に入って、その後『No Need To Argue』が全米で大ヒットを記録する90年代を代表するロックバンドとなります。「Dreams」は伸びやかなメロディとドロシーのボーカルがなんとも言えない味わいがある曲ですが、特に歌詞がまた良くて、中国の歌手フェイ・ウォンがカバーヒットするなど世界中で愛されている曲です。

Whatever / Oasis 94

 

90年代にブリットポップがブームとなりますが、その一つイングランドはマンチェスターで結成されたOasisの初のTop3ヒットとなったのが「Whatever」で、全英3位を記録しています。元ELOのWilfred Gibsonのバイオリンがフューチャーされた曲は、Beatlesライクなポップミュージックであり、この後の大活躍へとそのまま繋がっていきました。