Ver.5サイトが選ぶポップミュージック名曲選 80,90年代編 8 | ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

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Ver.5サイトが選ぶポップミュージック名曲選 80,90年代編 8


よくあるロックの名曲ではなくて、ポップミュージックの名曲を当サイトが厳選して紹介しています。選曲は全米Top5に入った曲はそれだけで名曲で、膨大なリストとなるため外しています。
70年代までの100曲編と80年代、90年代編は名曲としての意味合いが変わってきます。80年代頃からは幅広い音楽に触れる機会が増えたことで、様々な音楽を取り入れたり過去の音楽を再構築することが増えていきます。またシンセサイザーの普及で簡単に電子機器で音楽を作ることができるようになります。90年代頃には音楽の一部をサンプリングするラップミュージックが流行しました。
ということで今からだいぶ過去の音楽ですが、それでも色あせないポップミュージックの美しいメロディの世界をぜひお楽しみください。

90年代に入ると、80年代ポップに対する反動があり、全米チャート(Billboard Hot 100)ではチャート集計ルールのため実売セールスに重きが置かれ、ラジオフレンドリーなポップなものが極端に少なくなります。そんな状況を受けて日本では全米以外の世界中のポップな曲プッシュし始め、ラジオを中心に独自の洋楽ヒットが生まれ始めました。

Sweet Love / Sandy Reed 94

 

ニューヨークで生まれたドイツ系アメリカ人Sandy Reed(Cassandra Reed)の1994年に発表されたデビューアルバム『I Believe』からのシングルです。チャート上の記録はありませんが、これが日本のラジオでかかると人気となり、96年には日本ツアーまで行われました。当時Mariah Careyが歌姫と呼ばれていた時代にドイツの歌姫とまで呼ばれていました。イントロのピアノから哀愁漂うメロディがあり、Sandyのパワフルなボーカルが魅力的でした。日本のFMラジオが次々と独自の洋楽ヒットを生み出してきた90年代の代表曲です。

How Crazy Are You ? / Meja 96

 

スウェーデンはストックホルム出身のシンガーソングライターMejaの1996年に発表されたデビューアルバム『Meja』からのシングルです。このアルバムはスウェーデン国内で29位のヒットを記録しますが、なんと日本ではオリコン7位を記録しています。「How Crazy Are You?」は全米、全英はおろかスウェーデン国内でもヒットしていません。しかし日本では軽やかなギターのポップスをヘビーローテーションしてラジオ曲で大ヒットを記録します。90年代は世界的にヘビーなギターサウンドがロックヒットの中心で、アコースティックギターの優しいメロディ、爽やかさとリズミカルなダンサブルなあたりは日本向き、ラジオ向きのナンバーでした。Mejaはその後1998年には2ndアルバム『Seven Sisters』がリリースされますが、シングル「All Bout The Money」はスウェーデンで4位のヒット、全英チャートでも12位のヒットを記録しています。

A Question Of Honour / Sarah Brightman 96

 

イングランドはBerkhamsted出身のソプラノシンガーSarah Brigtmanの1995年のアルバム『Fly』からのシングルで、全米、全英チャートのヒット記録はありません。ドイツのボクシングチャンピオンシップの公式曲として使われたことで、ドイツでは15位のヒットとなりました。日本ではFIFAワールドカップ中継のテーマ曲として流れ現在までも使われています。『La Wally』からアリアが抜粋されており、最初の荘厳な部分と後半の躍動感あるポップロックなあたりの対比が素晴らしいナンバーです。Sara Brightmanは1996年に「Time To Say Goodbye」が全英2位の大ヒットを記録しています。

You / Ten Sharp 92

 

オランダはアムステルダムで結成された2人組ユニットTen Sharpのデビューアルバム『Under The Waterline』からカットされ1992年に全英10位を記録した曲です。ノルウェーやフランスでは1位を記録するなどヨーロッパを中心に大ヒットとなりました。ピアノの切ないメロディが美しいナンバーで、サビまで怒濤のようにメロディが押し寄せます。日本のラジオでも当時はかかりまくっていました。

Easy Way Out / Praise 92

 

ロンドンで結成されたエレクトロバンドPraiseのデビューアルバム『Praise』からカットされて全米ダンスチャート8位のヒットを記録した曲です。Praiseはこの直前に「Only You」が全英チャート4位のヒットで注目を集めていたこともあり日本でも結構プッシュされていた曲でした。哀愁あるメロディに高音で伸びやかな南アフリカ出身Miriam Arlene Stockleyのボーカルが素晴らしいです。バンドはこの後解散してMiriam Stokleyはこの後Adiemusのボーカルとして活躍します。

If I Only Knew / Tom Jones 94

 

ウェールズ出身で60年代半ばから活躍しているボーカルTom Jonesは70年代にかけて数多くのヒットを生み出していましたが、1995年にはRise Robots Rise(1992年)のカバー「If I Only Knew」が全英11位、全米のダンスチャート4位のヒットを記録しています。日本ではサビの「Make It Make It」がメキメキに聞こえることから邦題「恋はメキメキ」で、年齢を感じさせないパワフルなボーカルで人気となりました。なんといっても最初の絶叫からのスタートがインパクトがあります。

Fairground / Simply Red 95

 

イングランドはマンチェスターで結成されたMick Hucknallを中心とするソウルバンドSimply Redの1995年に全英1位を記録したナンバーです。全米では2曲1位を獲得し、数多くのヒットを持っているSimply Redにとって唯一の全英1位曲でもあります。The Goodmenの「Give It Up」をサンプリングした曲はブラジルのカーニバルのような華やかさと躍動感があり、Simply Redのソウルヒットとはまた別の新鮮さがあります。日本でもいろいろなところでメロディが使われています。

Carnival / The Cardigans 95

 

スウェーデンはストックホルムで結成された5人組ロックバンドCardigansの1995年に発表された2ndアルバム『Life』に収録されてた曲です。本国スウェーデンではヒットせず、全英チャートでは35位を記録しています。ところが日本では日本のラジオがこの曲をかけまくり、スウェーデンで20位を記録したアルバムが日本で13位と本国を上回るヒットとなりました。曲はストリングスの美しいメロディが光るポップナンバーで、カフェで流れるBGMにぴったりのおしゃれなサウンドになっています。The Cardigansは翌年映画『Romeo + Juliet』で「Lovefool」が全米のエアプレイで2位、全英チャートで21位と大ヒットを記録しています。

To Love You More / Celine Dion 95

 

カナダはケベック州Charlemagne出身のシンガーCeline Dionはその伸びやかで美しい歌声で90年代に大ヒットを連発してて歌姫として人気を博しました。「To Love You More」は日本のTVドラマのために録音された曲で、日本のオリコンチャートではフラッシュダンスのテーマ以来1位を獲得し、日本だけで150万枚のヒットを記録しています。全米ではエアプレイチャートで11位まで上昇し、アダルトコンテンポラリーチャートでは8週間1位を記録しています。曲はバックのバイオリンは葉加瀬太郎とのコラボが素晴らしいものになっています。

Now You're Not Here / Swing Out Sister 97

 

イングランドはマンチェスターで結成されたSwing Out Sisterは、デビューアルバムのヒット後にMartinが脱退して2人組となってからもイングランドでヒット曲は出していましたが、日本では安定した人気を保ち、それが1997年に日本のテレビドラマ「真昼の月」の主題歌として書き下ろされ日本だけで発売された「Now You're Not Here」の大ヒットにつながりました。バカラックの影響を受けたメロディが美しい曲です。