Ver.5が選ぶ洋楽PV100 ⑧
1980年に音楽チャンネルであるMTVが始まり、音楽を売るためのプロモーションビデオが作られました。やがてMichael Jacksonがプロモーションビデオで最高傑作を作り、Michealはその後一つの映像作品ということでショートフィルムと呼びました。00年代にはBeyonceがアルバムにビデオを付けたビジュアルアルバムをリリースしました。そしてここ数年、ビデオクリップのView数がStreamingの要因となっていることからPVに力が入り、凄い洋楽PVが数多く出るようになりました。
そこでここ6年の2015年から2020年までにかけて管理人がスゴイと思ったPVを100曲紹介しようと思います。
Bury A Friend / Billie Eilish (2019)
ロサンゼルス出身のシンガーソングライターBillie Eilishの全米14位のヒット曲です。この曲が収録されたデビューアルバムはGrammy賞を総なめにするほど世界中で大ヒットしますが、独特の世界観を持った歌詞は魅力ですが、人気を決定づけたのはオカルティックなPVでした。このPVでは注射針が何本も刺さるシーンがありますが、「When The Party Over」PVでは黒い涙を出したり、「Xanny」ではたばこを押し付けられたりと痛みの感じるものがあります。PV監督はMichael Chaves。
Bad Guy / Billie Eilish (2019)
ロサンゼルス出身のシンガーソングライターBillie Eilishの人気を決定づけたのはこの曲で、全米1位を獲得した他、世界中で大ヒットを記録しました。オーメンを思わせるようなブリッジや生首を入れたビニール袋などオカルティックな部分はありながら、どこかコミカルな作りで、Billie Eilishの病的で、破天荒なキャラが一気にお茶の間に浸透しました。PV監督は数多くのヒットPVを手掛けるDave Mayers。
Old Town Road / Lil Nas X f. Billy Ray Cyrus (2019)
ジョージア州Lithia Springs出身のラッパーLil Nas Xの大ヒット曲で、全米では19週1位という記録を打ち立てました。カントリーをサンプリングしたラップで、後にはカントリーシンガーBilly Ray CyrusをフューチャーしたRemixの発売、そしてこの西部劇のキャラクターに扮したLil Nas Xが登場するPVによってスーパーヒットは生まれました。曲ののどかな雰囲気にマッチする全体に漂うまったりとした感じ、最後のテンガロンハットの集団と踊るシーンはほっこりします。PV監督はCalmatic。
Someone You Loved / Lewis Capaldi (2019)
スコットランドはWhitburn出身のシンガーソングライターLewis Capaldiの全米、全英ともに1位を記録した大ヒット曲です。この「Someone You Loved」のPVは全英ヒット時と全米ヒット時の2作品ありますが、ここで最初の方を取り上げます。Lewis Capaldiの親戚のPeter Capaldiが主演するPVは監督Filmmaker Phil Beastallによって撮影されました。妻の死に直面した夫のストーリーですが、このバックにかかるLewis Capaldiの切ない歌声とメロディが心に刺さります。
Got To Keep On / The Chemmical Brothers (2019)
マンチェスターのエレクトロポップユニットChemical Brothersの2019年のアルバム『No Geography』(全英4位)からカットされたナンバーです。Chemical Brothersは数多くの名PVを生み出していますが、どこかシュールな映像と世界を生み出すMichael Gondry監督とのコンビでは「Let Forever Be」、「Star Guiter」「Go」とありますが、この「Got To Keep On」もその一つです。ダンサーが踊る非常にシンプルなものと思いきや、徐々にダンサーが繋がっていき独特のとろける世界が展開します。
ニューヨーク出身のラッパーLil Teccaの全米4位、全英7位を記録したヒット曲です。切ないメロディのループによるトラップナンバーですが、Juice WRLDの「Lucid Dreams」で人気となったCole BennettがPV監督をしています。フィットネスクラブのLil Teccaのシーンなど印象的なカットがあり、Juice WRLDと同じくアーチストのキャラを作り上げています。映像はアイディアたっぷりで楽しめます。
ジョージア州Fort Stewart出身のソウルシンガーKhalidの全米3位、全英9位に入った大ヒット曲です。シンセサイザーを使ったモダンなソウルサウンドですが、PVは赤や青のセットで踊るカラフルな映像が美しいもので、曲の華やかな雰囲気を増幅させています。PV監督はEmil Nava。
Doin' Time / Lana Del Rey (2019)
ニューヨーク出身のシンガーソングライターLana Del Reyの2019年のアルバム『Norman Fucking Rockwell』(全米3位)からのシングルで、全米チャート59位を記録しています。映画のスコアサウンドのようなサウンドのLana Del Reyですが、この曲は1997年のオルタナロックバンドSublimeのカバー曲で、Lana Del Reyらしく映画のサントラのような重厚な感じになっています。PVは50フィートの巨人となったLanaがLAの街を歩くもので、キングコング映画あたりのレトロ映画を彷彿とさせます。PV監督はRich Lee。
You Need To Calm Down / Taylor Swift (2019)
ペンシルバニア出身のカントリーシンガーTaylor Swiftの全米2位を記録した曲です。PVはLGBTを取り上げたもので、Ellen DeGenresやHayley Kyoko、Adam Lambertなどなど数多くのゲスト出演がありますが、特に話題になったのは仲が悪いとされていたKaty Perryの出演で、PVの最後には仲直りを見せています。PV監督はTaylor SwiftとDrew Kirsch。2019年のMTV Video Music AwardのVideo Of The Yearを受賞しています。
Happier / Marshmello f. Bastille (2019)
フィラデルフィア出身のDJ MarshmelloがUKのロックバンドBastilleをフューチャーして全米、全英で2位を記録した曲です。歌詞が「Happier」ということでエンパワーなものですが、これに合わせたPVが素晴らしいものです。誕生日に子犬をもらった少女が犬ととともに人生を重ねるPVで、最後には別れの時がやってきます。ラストで子供にストーリーが引き継がれる終わり方はとても感動的です。Miranda Cosgroveが主演で、PV監督はDaniel Malikyar とKaram Gill。
