Ver.5が選ぶ洋楽PV100 ③ | ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

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Ver.5が選ぶ洋楽PV100 ③



formation


1980年に音楽チャンネルであるMTVが始まり、音楽を売るためのプロモーションビデオが作られました。やがてMichael Jacksonがプロモーションビデオで最高傑作を作り、Michealはその後一つの映像作品ということでショートフィルムと呼びました。00年代にはBeyonceがアルバムにビデオを付けたビジュアルアルバムをリリースしました。そしてここ数年、ビデオクリップのView数がStreamingの要因となっていることからPVに力が入り、凄い洋楽PVが数多く出るようになりました。


そこでここ6年の2015年から2020年までにかけて管理人がスゴイと思ったPVを100曲紹介しようと思います。



Formation / Beyonce  (2016)



ヒューストン出身の女性アーチストBeyonceの2016年のアルバム『Lemonade』からのシングルで、全米10位を記録しています。ロサンゼルスで撮影されたPVはカトリーナ台風を想起させるシーンから始まり、水に沈んだ警察車の上でのパフォーマンスは洋楽PVの中でも刺激的なシーンの一つです。今回紹介はしていませんが、アルバム『Lemonade』からは他にも「Hold Up」や「Sorry」など力の入ったPVが発表されていました。Rihannaの「We Found Love」を監督したMelina Matsoukasが監督をしていて、2016年のMTV Video Music AwardではVideo Of The Year、Best Direction、Best Choreography、Best Editingとその年の主要な部門を総なめにしています。



Cranes In The Sky / Solange (2016)



Beyonceの妹Solangeの2016年に発表されたアルバム『A Seat At The Table』からのカットで、全米74位を記録しています。このアルバムは全米1位にも輝きますが、その背景にはこの曲とPVにありました。Rollings Stone誌が2016年のベストシングルの7位に選んだこの曲はバックのストリングスに漂う穏やかな日差しのようなソウルナンバーで、この曲にマッチするような写真集のカットのような美しい映像が印象的です。SolangeもまたBeyonceのようにPVのVisualに力を入れるようになりますが、その象徴的なナンバーです。PV監督はSolangeの夫であるAlan Ferguson。



The Greatest / Sia (2016)



オーストラリア出身ノシンガーソングライターSiaのアルバム『This Is Acting』のDeluxe盤に収録された曲で、全米チャート18位、全英チャート5位を記録しています。Siaの分身(Maddie Ziegler)を中心に踊るダンスビデオですが、監獄のような閉鎖された空間からエネルギッシュにダンスするビデオは強いメッセージを感じさせます。監督はSiaとDaniel Askillで、振付はRyan Heffington。



Gosh / Jamie XX (2016)



UKのインディーバンドXXのメンバーで、ロンドン出身のDJ Jamie XXの2015年、全英チャート3位、全米チャート21位に輝いたアルバム『In Colour』からのシングルです。映画『Our Day Will Come』(2010年)や『The World Is Yours』(2018年)の監督でもあるRomain Gavrasによるもので、中国やエッフェル塔を舞台に俳優Hassan Koneと400人の子供が動き回るインパクトのある映像が魅力です。



Love On Me / Galantis (2016)



スウェーデンはストックホルム出身のDJ Duo Galantisの2017年のアルバム『The Aviary』からのカットで、UK Chart16位を記録しています。作曲はLauran WhiteとヒットメイカーのCathy Dennis。Dano Cernyが監督するこのPVはタイで撮られたもので、人間も映像も重ねまくるというアイディアが素晴らしいです。彩も東洋のお寺の雰囲気も併せてカラフルで、曲のイメージにマッチしています。



Subways / The Avalanches (2016)



オーストラリアはメルボルン出身のグループThe Avalanchesの2016年のアルバム『Wildflower』からのカットで、Bee Geesの「Warm Ride」をサンプリングしています。PVは全編アニメーションですが、地下鉄を舞台に、キッズ向けのキャラクターの不思議な世界を描く内容になっています。曲とビデオがマッチしていて、曲のイメージ以上に鮮烈な印象を与えます。監督はJusticeの「Stop」も手掛けたMrzyk & Moriceau。



Alone / Marshmello (2016)



フィラデルフィア出身のDJ Marshmelloの2016年のブレイクヒットで、全米チャートでは28位のヒットを記録しています。曲のPVは覆面DJのMarshmelloが、当初はクラスメートから孤立をしていて、曲の通りにAloneな状態だったのが、ある時DJの腕を知られるようになってスターになるという、ストーリーになっています。PVの中で孤独のMarshmelloが可愛がっているのがネズミというあたりはカナダのDJ Deadmau5ではないかとも言われています。またMarshmelloがゲームのFortniteで「Alone」を再現するPVを公開しています。監督はMarshmelloのPVを数多く手掛けるDaniel Burke。



Dis Generation / A Tribe Called Quest (2017)



ニューヨークで結成されたヒップホップグループA Tribe Called Questの全米1位アルバム『We Got It From Here...Thank You 4 You Service』からの曲です。Busta Rhymesをフューチャーしたことでも話題でした。PVはモノクロームの動く映像の中でメンバーが何度も登場するというPVの中ではよくあるネタですが、暗くてよく見えないところを利用しているのが印象的です。MTV Video Music Awardでは最優秀特殊効果賞を受賞。



That's What I Like / Bruno Mars (2017)



Bruno MarsのGrammy賞受賞アルバム『24K Magic』から全米1位を獲得した曲です。PVはシンプルにバックのアニメーションに合わせてBruno Marsが一人踊るということですが、アニメに合わせたBruno Marsがピッタリで、完成度の高い作品になっています。PV監督はBruno MarsとJonathan Lia。



Look What You Made Me Do / Taylor Swift (2017)



Taylor Swiftのアルバム『Reputation』から全米1位を獲得した曲です。前作でポップシンガーとなったTaylor Swiftですが、この曲はさらに進めて、PVでは冒頭でTaylorは死んだというメッセージとともにMichael Jacksonばりにゾンビで登場します。またビデオの最後にはこれまでのTaylor SwiftのPVに出てきた自分が勢揃いするというシーンもあり話題になりました。PV監督はTaylor Swiftの「Bad Blood」など数多くの名PVを手掛けるJoseph Kahn。