Geography / Tom Misch (18)
- Geography [帯解説・歌詞対訳/ボーナストラック2曲収録/国内盤] (BRC564)/トム・ミッシュ
- ¥2,159
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ロンドン出身のシンガーソングライターTom Mischのデビューアルバムです。シングルヒットは出ていませんが全英アルバムチャートで8位を記録しています。
1曲目のオープニング「Before Paris」でいきなり「金を稼ぎたいから、仕事をしたいからミュージシャンになるのは邪道だ。好きでたまらないからやる」という決意表明から始まり、中間の7曲目にはStevie Wonderの「Isn't She Lovely」のギターソロが挟まれ、ラスト13曲目には「We've Come So Far」で静寂そして盛り上がりと共にアルバムは幕を閉じます。デビューアルバムにしてこの崇高な佇まい、これまでのロックの名盤を意識したようなアルバムの構成に驚きます。音は70年代後半のJazz FusionやAOR、Earth Wind & FireのようなR&B Soulの音を意識していて、メロディアスでありながらアレンジが素晴らしく良いです。基本的に音はGuiter中心で、あくまで楽曲中心にバックで展開しますが、ギターの音も楽しさが伝わってきて良い感じです。
シングルカットとなった「Movie」はイントロの映画のサンプリング、間奏のピアノとロマンチック溢れるナンバーです。De La Soulが参加した「It Runs Through Me」はトロピカルな雰囲気ただようボサノバなナンバーです。「Water Baby」はこのアルバムの中では今を感じさせるヒップホップナンバーですが、後半からはJazzのようなサウンドが展開します。
チャート的な成績では微妙ですが、日本ではラジオを中心にかかっているようで、これからじわじわと人気が出てきそうです。特に70年代後半から80年代に洋楽を聴いてきたAOR好きの人間にとっては聞くべき1枚でしょう。
★★★☆
Movie / Tom Misch
It Runs Through Me / Tom Misch f. De La Soul
Water Baby / Tom Misch f. Loyle Carner