Ver.5サイトが選ぶ 80's R&B Album | ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

過去と現在の洋楽シーンをチャートデータをもとに紹介するページ(週一更新予定)

 Ver.5サイトが選ぶ80's R&B Album 10枚



管理人が所蔵するCDの中から以前に100枚選んだものを除いてジャンル別に名盤を紹介します。今回は80年代のR&Bの名盤を紹介します。最近のマイブームは80年代のアルバム集めですが、ここ数年の発見は80年代のR&Bアルバムです。最近凄いなと思うのは70'sの終わりのディスコブームから80年代中盤以降のブラックコンテンポラリーに至るまでのアルバムに意外にも名盤が多いということです。R&Bソウル全盛の今でも売れるのではと思ってしまう80年代前半のグルービィでスウィートなアルバムを今回紹介したいと思います。



■ Off The Wall / Michael Jackson (79)


Off the Wall (2015)/Michael Jackson
¥765
Amazon.co.jp


Michael Jacksonが80年代に大爆発を起こした最初のアルバムです。Quincy Jonesという名プロデューサーと出会い、青年としてのMichaelの創造力溢れるパワーが化学変化を起こします。「Don't Stop Til You Get Enough」と「Rock With You」が全米1位を獲得。「Off The Wall」「She's Out Of My Life」が全米10位を記録して、アルバムは全米で最高3位、800万枚のセールスを記録しました。70年代ディスコブームの音をベースにしながら、Paul MacCartneyやStevie Wonderといった大物とのコラボやDavid Foster、Carol Bayer Sager、ToToといったAORサウンドへのアプローチなど80年代R&Bサウンドに繋がる側面も持ち合わせていました。


Rock With You / Michael Jackson
It's The Falling In Love / Michael Jackson


■ Diana / Diana Ross (80)


Diana/Diana Ross
¥829
Amazon.co.jp


60年代にはSupremesとして、70年代にはソロDiana Rossとしてトップに君臨してきたDiana Rossの80年代最大のヒットアルバムです。「Upside Down」が全米1位、「I'm Coming Out」が全米5位を記録してアルバムは全米2位を記録しています。ChicのNile RogersとBernard Edwardsが全ての曲を作曲プロデュースしていて、アルバム全体がグルーブ感あふれています。Chicの音であるカッティングギターのリズム感が最高で、「Tenderness」や「My Old Piano」など気持ちの良い音が詰まっています。Nile Rogersはこの後大物アーチストを手掛けていって80年代の音を作っていきました。



Upside Down / Diana Ross
I'm Coming Out / Diana Ross


■ What Cha'Gonna Do For Me / Chaka Kahn (80)


恋のハプニング/チャカ・カーン
¥価格不明
Amazon.co.jp


70年代はRufusとして、70年代後半からはソロとして活躍する80年代のソウルクィーンChaka Kahnを代表的するアルバムです。全米シングルチャートでは「What Cha' Gonna Do For Me」が53位に入り、アルバムは全米17位と地味なものですが、Chaka Kahnのボーカルの美しさとグルーブ感あふれる曲の数々は感動的です。Beatlesの「We Can Work It Out」のカバーに始まり、「I Know You, I Live You」を3曲目とラストに配置するなどトータルアルバムとしての完成度の高さも感じさせます。


What Cha' Gonna Do For Me / Chaka Kahn
I Know You, I Live You / Chaka Kahn



■ Raise ! / Earth Wind & Fire (81)


RAISE! (Expanded Edition) 1981/WIND & FIRE EARTH
¥1,073
Amazon.co.jp


70年代を代表するR&B Soulグループ Earth Wind & Fireの全米5位を記録したアルバムです。シングル「Let's Groove」が全米3位に入ったことでも知られています。Earth Wind & Fireは個人的に好きなアーチストですが、一番聞いているアルバムがこの『Raise』です。Let's Grooveはシングルというか、アルバムのオープニングナンバーで、70年代Discoサウンドの最後の大花火のようなグルービィな音が最後まで続きます。「My Love」のシンセサイザーとSaxのコラボにEarthの創造力溢れる音はこれぞ80年代のブラックコンテンポラリーという感じです。ラストはギターも唸りを上げるアルバムで最も派手な「The Changing Times」で終わるのも素晴らしい。ジャケットイラストは日本人の長岡秀星が手掛けています。


Let's Groove / Earth Wind & Fire
My Love / Earth Wind & Fire



■ Controversy / Prince (81)


CONTROVERSY/PRINCE
¥438
Amazon.co.jp

ミネアポリス出身のPrinceの全米21位を記録したアルバム。シングル「Controversy」が全米シングル70位を記録しています。記録的には地味な一枚ですが、それまでのシンセサイザーの音を中心とした『Dirty Mind』までとBandとしての『1999』以降を繋ぐ1枚として、分岐点の一枚と思います。Controversy(論争)というタイトル通りに性別・宗教・人種など社会的なテーマを扱って、音もファンクに留まらない実験的な音のオンパレード。アルバムはR&Bミディアムチューン「Do Me Baby」が有名ですが、爆音ギターに銃声が響く「Ronnie Talk To Russia」、前衛的サウンドの「Annie Christian」はPrinceの作品中でも衝撃的な曲だと思います。


Controversy / Prince
Do Me Baby / Prince



■ Never Too Much / Luther Vandross (81)


Never Too Much/Luther Vandross
¥721
Amazon.co.jp


80年代にはR&Bで活躍し、90年代にはポップスチャートでも活躍を見せたLuther Vandrossのデビューアルバム。タイトルチューン「Never Too Much」が全米33位のヒットを記録してアルバムは全米19位、200万枚のセールスを記録しています。Lutherのイメージでもあるバラードというよりはディスコテックな音を中心としたアルバムですが、Lutherのねっとりとした歌はデビューから全開です。アルバムは全7曲、内5分を超えるのが5曲ですが、その長さが気にならないほど密度が高いです。アルバムのトピックスはラストのBurt Bacharach作曲「A House Is Not A Home」のカバー。最後にはTwista(Kanye West)が「Slow Jamz」でサンプリングしたあれが流れます。


Never Too Much / Luther Vandross
A House Is Not A Home / Luther Vandross



■ Lionel Richie / Lionel Richie (82)


Lionel Richie/Lionel Richie
¥626
Amazon.co.jp


80年代ブラコンの代表Lionel Richieのソロデビューアルバムです。「Endless Love」が大ヒットした後のアルバムということで全米3位、400万枚のセールスを記録しています。Lionel RichieはGrammy賞を獲った次のアルバム『Can't Slow Down』が代表作として扱われることが多いですが、70年代のディスコサウンド、そしてAORサウンドの香りが残るこのアルバムが一番だと思っています。Lionel Richieの代名詞ともいえるバラードで「Truly」が全米1位、「My Love」が全米5位のヒット。AORチューン「You Are」が全米4位に輝いています。「Truly」は1番しかない衝撃のバラード(サビは1回だけ)。アルバムは全9曲ですが、最後の曲も1番のみ(1分強)というのも凄いです。


You Are / Lionel Richie
Truly / Lionel Richie



■ Midnight Love / Marvin Gaye (82)


Midnight Love/Marvin Gaye
¥525
Amazon.co.jp


60年代から70年代と活躍し続ける代表的なソウルシンガーMarvin Gayeの遺作です。「Sexual Healing」が全米3位のヒットを記録して、アルバムは全米7位、300万枚の売り上げを記録しています。「Sexual Healing」のイメージからは想像もつかないほどの創造的な音で、最後の最後まで実験的で、創造力溢れていることに感動します。オープニングの「Midnight Love」というレゲエ、ソウルなどのごっちゃな音で始まり、シンセサイザーを使った80'sソウルのお手本的な「Sexual Healing」に入るなど、80年代を代表するR&Bアルバムの一枚です。


Midnight Love / Marvin Gaye
Sexual Healing / Marvin Gaye



■ Between The Sheets / Isley Brothers (83)


Between the Sheets/Isley Brothers
¥602
Amazon.co.jp


60年代、70年代と形を変えてソウルシーンで活躍してきたIsley Brothersの全米19位を記録したアルバムです。アルバムタイトル通りにスウイートソウルに舵を切ったアルバムで、90年代に入ってR Kellyを始めとするアーチストに再評価をされて大活躍を見せることになりました。シングルヒットとしては100位には入らなかった「Between The Sheets」はサンプリングネタとして王道ともいえる名曲の一つ。「Ballad For The Fallen Soldier」もJay-Z、DJ Khaledにサンプリングされています。


Between The Sheets / Isley Brothers
Ballad For The Fallen Soldier / Isley Brothers



■ Breakout / Pointer Sisters (83)

Break Out: Deluxe Expanded Edition/Pointer Sisters
¥1,726
Amazon.co.jp

ラストは80's の感じのこの一枚で締めます。70年代から80年代に活躍したR&BソウルグループPointer Sistersの最も成功した1枚です。「Automatic」が全米5位、「Jump (For My Love)」が全米3位、「I'm So Excited」が全米9位、「Neutron Dance」が全米6位のヒットを記録してアルバムは全米8位、300万枚の売り上げを記録しました。70年代ソウルの伝統と80年代のシンセサイザーの打ち込みの音が合わさって、これ以降80年代と言えばこのような音になっていきました。その中でも特徴が最も出ているのが「Automatic」で、Ruth Pointerの低音ボイスから始まるシンセサイザーポップス的な1曲。躍動感のあるFlash Dance的な「I'm So Excited」も元気出るナンバー。最も70'sソウルな感じのある「Neutron Dance」は人気映画Beverly Hills Copで使われました。

Automatic / Pointer Sisters
I'm So Excited / Pointer Sisters



ということで80年代前半までのR&B名作10枚でした。