Ver.5サイトが選ぶ2016年洋楽PV 10作品
![]() | Hungry Ghosts 1,431円 Amazon |
当サイトの管理人が見て、これはイイなと思った2016年のPVを10作品紹介します。
Upside Down & Inside Out / OK Go
全米のロックバンドOK Goのアルバム『Hungry Ghosts』からの3曲目のシングルカットナンバー。ロシアのS7 エアライン協力の元で撮られた無重力の映像です。無重力映像については、これまでもちょくちょくあったように思いますが(Michael の「Scream」など)、今回はまるでミュージカルの一発撮りのような趣で、見せ方が凝っています。色のついた風船が無重力状態で割れる映像は、その後の処理お構いなしの大胆さを感じさせます。アイディアと監督はバンドメンバーDamian Kulaseとその妹、「Here It Goes Again」の監督も手掛けたTrish Sie。
スウエーデンのDJ Galantisの新曲です。タイで撮影された非常にトリッピンなPV。カラフルな人間とバックの映像と、とにかく重ねまくるというコンセプトで。撮影上の実際の重ねに加えて、CGでさらに重ねの合成する徹底ぶり。万華鏡のネタもこれまでのPVでありましたが、最新の技術でやるとこうなるんだよという感じで楽しいPVです。監督はGalantisの「Runaway」や「Peanut Butter Jelly」を手掛けたDano Cermy。
ビジュアルチックなものの最後はUKのバンドColdplayのアルバム『A Head Full Of Dreams』からの3rdカットナンバー。スケールの全く違う日常の光景と、地球の美しい映像の合成といった感じで、これも最新の技術のなせる技かも。組み合わせのセンスなんでしょうが、時々虫や動物が巨大化して合成されるとちょっとドキっとします。監督はペプシのCMなどを手掛けていたイスラエルのVania Heymann。
メッセージ色の強いというか、考えさせるPVがBeyonceの「Formation」です。アルバム『Lemonade』からのリードトラックにしてBeyonceが人種問題に踏み込んだ政治的なメッセージが込められた曲で、このPVはそのメッセージをダイレクトに表現しています。オープニングの水没するパトカーの上でのたたずむ映像はカトリーナハリケーンでの対応を批判したもの。といいながら本当に水没する映像を作り出すあたりはこれまでのPVとはまたケタが違った凄みがあります。2016年のMTV Video Music AwardのVideo Of The Yearを受賞。監督はRihannaの「We Found Love」やLady Gagaの「Just Dance」などを手掛けた全米のMelina Matsoukas。
今年ストリーミングだけでアルバムをTop10に入れてしまった全米のラッパーChance The Rapperのアルバム『Coloring Book』からのシングル。オープニングのビルに突っ込む煙の映像は、これは普通にアレを彷彿とさせます。ゴスペルをバックにする独特のサンプリングに空飛ぶ映像や電車の上の映像はスピード感があり見事にマッチしています。Chance The Rapperの光るメガネのキャラも含めて印象的です。監督はAustin VeselyとChance The Rapper本人。2016年のMTV Video Music AwardでBest Hip Hop Videoを受賞しています。
時代を感じさせるのがこのPVです。全米のファンクロックバンドMaroon 5の恐らく来年であるであろうアルバムからのカットです。メンバーが着ぐるみを来ているのはチープなモンスターというかポケモン?。スマホを持ってメンバーをポケモンGoのボールで捕まえる映像がシュールです。個人的には勝手に敷地に入った人間をモンスターが反撃するあたりは、昨今のポケモンGoのニュースを反映していて気に入ってます。監督は途中で撮影を止めてでばってくるDavid Dokkin。
こちらも今話題のVRを取り入れたもので時代を感じさせます。スコットランドの人気DJ Calvin Harrisの曲で、その前に大ヒットした「This Is What You Came For」も閉塞感のある映像で良いPVでした。このPVは映像に時々エラーのような乱れが入れられていて、これがVRで作られたものであることを表しています。VRということではかつてはAerosmithが「Amazing」でやっていました。登場する女優はEmanuela Postacchini。(追記) このVR映像で流れているいくつかがTaylor Swiftの過去のPVに似ているということで、別れたTaylorを意識しているという話もあるようです。
We Don't Talk Anymore / Charlie Puth f. Selena Gomez
このPVが出たのが今を時めく「君の名は」よりも前だったような気がしますが、コンセプト的には似ているなと思ってました。全米のシンガーソングライターCharlie Puthの曲で、この曲はソロとして初のTop10ヒットとなって、今後のCharlieの活躍にとってポイントとなりそうなヒットでした。左右で2人の映像がそれぞれ流れていくわけですが、そこはPVでドラマチックに作っています。監督はPhil Pintoで、女優はMirella Cardoso。(追記) 曲の内容通りに分かれた二人の映像が左右で描かれているようです。
Cheap Thrills / Sia f. Sean Paul
オーストラリアのシンガーソングライターSiaの初の全米1位曲です。50年代のTVショーの映像にSiaのPVでお馴染みの謎のおかっぱ頭の影武者ダンサーが登場。古い映像使用のPVはこれまで多数ありましたが、顔が黒塗りのこのダンスビデオはちょっとホラーチックです。ダンスが70年代、80年代、90年代のそれぞれの要素を持ってます。監督はエンドクレジットにあるLior MolchoではなくてSia一連の作品を撮っているDaniel Askill。
思わずMichael かよと言ってしまいそうなMichael チックなPVです。全米のR&BシンガーJasou Deruloの7月に発売された『Platinum Hits』からのカットで、驚くほど売れなかった曲(UKで87位)。70年代のソウルフルな曲に乗せてホテルの中からプールサイドとダンスがなかなか面白いです。
他にもZayn「Pillowtalk」やAdele 「Send My lover」、Mike Posner「In Ibiza」、D.R.A.M.「Brocolli」、Twenty One Pilots「Heathens」、The Chainsmokers「Don't Let Me Down」などが印象に残りました。ということで2016年のVer.5サイトが選ぶPVでした。
