Great Pop Songs 300
- Forever Your Girl/Paula Abdul
  - ¥782
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89年は、80年代の音楽と90年代の音楽が混在する音楽シーンです。こういう混沌とした時期にはっきりとした形で流行るのはダンスミュージックで、その流れから登場してきたのが新しいビートであるR&Bヒップホップでした。代表的な音のニュージャックスゥイングはGuyのTeddy Rileyが生み出した新しいビートを持ったファンクサウンドですが、こうしたダンサブルなR&BからLa Reid&Babyface、Jam & Lewisといった90年代に中心的な役割を果たすプロデューサーの台頭を生み出しました。また87年から徐々に盛り上がってきていたRapサウンドが、この年に一気にブレイクします。Tone LocやYoung MCがチャートの上位にシングルをヒットさせ、Bobby Brownのように歌の中にラップパートを入れることがトレンドにもなりました。
191 Straight Up / Paula Abdul (89年)
MTVから登場したニュースター。NBAのチアリーダーから始まりJanet Jacksonといったアーチストのダンス振り付けを担当していましたが、そういった下積み時代から極上のダンスポップアルバム『Forever Your Girl』を生み出し、それが2年間チャートの上位にランクインするというロングセラーを生み出しました。この曲は全米1位を3週間記録しますが、アルバムからは他に5曲がTop10ヒット(3曲が全米1位)に入っています。
192 My Prerogative / Bobby Brown (89年)
80年代の中ごろに登場したNew Editionは80年代のJackson 5といったバブルガムポップのグループでしたが、ソロとなったBobby BrownはBabyfaceやTeddy Rileyといった最新のR&Bサウンドを取り込んだアルバムを発売し、一気に時代のスターとなります。当時はニュージャックスウィングと呼ばれて、最新のR&Bサウンドでした。アルバム『Don't Be Cruel』からこの曲を含んだ5曲がTop10ヒット。中でもTeddy Riley作曲によるこのナンバーは89年の初めに全米1位を1週間記録します。
193 Keep On Movin / Soul Ⅱ Soul (89年)
ダンスサウンドが盛り上がる中で、UKを中心にクラブシーンで盛り上がっていたのがSoul 2 Soulによるニューソウルサウンドでした。Caron Wheelerの浮遊感漂う歌声が耳に残る89年の代表曲です。89年に全米チャートで11位まで上がるヒットを記録しています。
194 She Drives Me Crazy / Fine Young Canibals  (89年)
UKのポップロックグループFine Young Canibalsは89年に『The Raw And The Cooked』を発表して、ここからこの曲が全米1位を1週間記録します。アルバムタイトルどおりにアレンジをシンプルに生の楽器と声を最大限に強調したサウンドで話題を呼びます。
ポップサウンドの宝庫スゥエーデンから登場してきたRoxetteは全米のラジオDJがこのナンバーを現地で気に入り、ラジオで流したことからヒットに繋がりました。結果全米1位(1週間)を記録します。Roxetteはこの後も全米1位を3曲も放つなど大活躍を見せます。
196 Lost In Your Eyes / Debbie Gibson (89年)
89年を代表する名曲です。Debbie Gibsonの2nd アルバム「Electric youth」からのリードトラックはシンプルながら美しいメロディと素朴な歌詞がいい味を出していました。このころはDebbie Gibsonの絶頂期で、Carol Kingの再来と騒がれていましたし私も信じていました。全米1位を3週間記録しています。
197 Eternal Flame / Bangles (89年)
「Manic Monday」でブレイクしたBanglesは「Walk Like An Egyptian」で全米1位に輝き、その後もヒットを続けますが、89年にはこの曲で2度目の全米1位(1週)を記録します。「Like A Virgin」や「Alone」「True Colours」のヒットで有名なBilly SteinbergとTom Kellyのペンによるナンバーですが、Beatlesチックなメロディが素晴らしいです。
198 Me Myself & I / De La Soul (89年)
ロックを積極的に取り入れたヒップホップとは別にファンクから盛り上がっていく動きもありました。NYのラップトリオ De La SoulはデビューアルバムでPファンクをサンプリングしたこの曲を89年に全米チャート34位に送り込みます。So So Defらしいクラブサウンドですが、音のサンプリングも幅広く、知的なラップということでギャングスタラップとは違ったニュースクールラップとも言われました。
199 Wild Thing / Tone Loc (89年)
Run DMCがポップチャートで4位のヒットを生み出してから、しばらく大ヒットが出なかったヒップホップですが、Tone Locのこの曲は89年に全米チャート2位のヒットになります。当時はヒップホップはTop40系のラジオであまりかからなかったのですが200万枚のシングルセールスが効きました。作曲はYoung MCことマーヴィンヤング。サンプリングはVan Halenの1stアルバムに収録されている「Jamie's Cryin」でした。ビデオはRobert Palmerの「Addicted To Love」のパロディです。
200 Sowing The Seeds Of Love / Tears For Fears (89年)
後期Beatlesのサウンドを表現したアルバム『Seeds Of Love』からのタイトルトラックはLove & Peaceを歌ったTears For Fears版「All You Need Is Love」でした。ラストまで息の抜けない展開を見せる大曲で、これが全米チャートで2位を記録します。