Great Pop Songs 80年代編 7 | ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

過去と現在の洋楽シーンをチャートデータをもとに紹介するページ(週一更新予定)

Great Pop Songs 300

So/Peter Gabriel
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86年はダンスミュージックが世界的に盛り上がります。全米ではPrince一派から飛び出したJam & LewisとJanet Jacksonによるファンクサウンドがチャートに登場します。ヨーロッパではStock Aitken Watermanによるユーロポップが人気となっていきます。やがて86年の後半にはBon Joviの「禁じられた愛」が全米1位を獲得し、ハードロックブームに火をつけます。一方でRun DMCによる「Walk This Way」のヒットはヒップホップがアンダーグラウンドから一歩抜け出してポップミュージックとなっていくきっかけとなります。


156 Rock Me Amadeus / Falco (86年)


86年はダンスミュージックでした。81年に「Der Komisser」がヨーロッパダンスシーンでヒットしたFalcoはドイツ語でラップするというという、当時から変わったアーチストとして知られていました。しかし86年にはそのFalcoが全米1位を3週間記録します。映画「アマデウス」に影響を受けて作られたこの曲は、もしこの時代にモーツゥァルトが生きていたらロックスターだっただろうということから作られたそうです。ちなみにこの曲アルバム未収録(別ver)のため手に入りにくい曲の一つとして有名です。


157 I Can't Wait / Nu Shooz (86年)


オレゴン出身のJohn SmithとValerie Dayの夫婦によるユニットNu Shoozの大ヒットナンバーです。全米チャートで最高3位まで上がりました。ちょうど同じ頃に同名異曲としてStevie Nicksもチャートを上がっていました。チャカポコとしたサウンドが印象的です。


158 Sledgehammer / Peter Gabriel (86年)


MTVの歴史の中で傑作ビデオです。元GenesisのPeter Gabrielはソロ活動後も名盤を次々と出してましたがシングルヒットには恵まれませんでした。それが86年に発表された『So』からの先行シングルであるこの曲が見事全米1位(1週)を獲得します。それもこれもこのビデオの影響が大きかったと言えるでしょう。本人参加のアニメーション。目をパチパチとしているのはそのためです。ちなみに「Big Time 」(8位)も負けず劣らずの名ビデオクリップでした。


159 That's What A Friends Are For / Dionne & Friends (86年全米1位)


Burt Bachrachの名曲です。Bachrachサウンドを歌い続けていたDionne WarwickにStevie Wonder、Elton John、Gladis Knightが共演しての豪華なヒットでした。86年の初めに全米1位を記録しました。


160 Manic Monday / Bangles (86年)


Princeが作曲したナンバーと言えば、Banglesの初の全米ヒット(2位)となったこのナンバーです。Banglesは82年に初めて女性ロックバンドとしてブレイクしたGo Go's(Belinda Carlile)を超え、これまでで最も成功した女性ロックバンドと言われています。日本ではこの後Princes Princesなんかも登場してきました。なんといってもこのバンドはビジュアル的にもボーカルのSuzanne Hoffsが大人気でした。Princeと同じ爬虫類系ですが、フェロモンをビシバシと放っていました。


161 What You Need / INXS (86年)


日本では早くから人気があったオーストラリア出身のロックバンドINXSですが、全米で本格的にブレイクしたのはこのナンバーからでした。INXSはなんといってもボーカリストのマイケル・ハッチェンスのカリスマがポイントで、Doorsのジム・モリソンばりの存在感がありました。この曲は今聴いても超カッコイイナンバーです。全米チャートで最高5位を記録しました。


162 Life In A Nothern Town / Dream Academy (86年)


北欧の風景が目に浮かぶというか、ノスタルジックを感じさせてくれる名曲です。ただDream Academyはブリティッシュのバンドで北欧のバンドじゃないです。全米チャートで7位に入っています。


163 West End Girls / Pet Shop Boys (86年)


英国でスマッシュヒッツという雑誌の編集者であったニール・テナントとクリス・ロウによるユニットPet Shop Boysはこの曲で世界中でブレイクします。いきなり全米チャートで1位を記録(1週間)して、現在でも現役で活躍中です。ちなみにこの曲はGrand Master Flashの「The Message」(80年)に影響を受けてUK版のラップソングを作ろうとしたということです。


164 These Dreams / Heart (86年)


85年から70年代末に活躍していたHeartのポップシーンでのブレイクがありました。アンとナンシー・ウィルソンの美人姉妹を軸にしたメロディアスなロックサウンドが人気を呼んでこの曲で見事初の全米1位(1週)を獲得します。この曲はなんといってもビデオの美しさが必見です。アルバム『Heart』も全米1位(1週)を獲得し、500万枚のセールスを記録しました。


165 Who's Johnny / El Debage (86年)


80年代のバブルガムグループDebageのメンバーEl Debageのソロです。映画「Short Curcuit」からのカットとなったこの曲は86年に全米チャート3位まで上がります。曲はご機嫌なファンキーなサウンドで良い感じですが、映画「Short Circuit」もまたほのぼのと温かい気持ちになる良い映画でした。


166 Walk This Way / Run DMC (86年)


ヒップホップがアンダーグラウンドサウンドの壁を破るのは1986年にNYのヒップホップユニットRun DMCがリリースした『Raising Hell』が転機となりました。白人のロックであるAerosmithの「Walk This Way」をサンプリングしたナンバーは初めて”ポップナンバー”として受け入れらることになります。またこの出会いはAerosmithの復活をも生みだしました。86年に全米チャートで4位まで上がりました。


167 Venus / Bananarama (86年)


86年から89年にかけて全英から発信されたユーロポップがブームとなります。その中心となっていたのがStock , Aitken , Watermanのコンビによるサウンドです。SAWとも略されます。ブリティッシュインベイジョン特集でも取り上げたUKポップグループBananaramaがSAWと出会い、変貌します。SAWサウンドは金太郎飴みたいな同じサウンドなので、SAW以降のBananaramaよりも前の方が味があるとは思いますが、この曲は間違いなく80年代の名曲です。70年にShocking Blueが全米1位に送り込んだ曲のカバーで、SAWが極上のダンスナンバーに仕上げました。86年に全米1位を1週間記録しています。


168 Higher Love / Higher Love (86年)


この年のGrammy賞Record Of The Yearです。66年にスペンサー・デイビス・バンドとしてチャートヒットを放っていたSteve Winwoodが20年以上かかってこの曲で初の全米1位(1週)を獲得します。曲の最初に披露されるジャック・ロビンソンのドラムに導かれて徐々に盛り上がるポップスの名曲。バックボーカルにChaka Karnが参加しています。