Great Pop Songs 300
- Toto IV/Toto
- ¥697
- Amazon.co.jp
1982年は「嵐の前の静けさ」の1年と言えます。Eagles、Doobie Brothersといった70年代に全米のロックシーンを支えてきたバンドが解散を発表し、UKでも浮動の人気を確立していたJamが解散します。全米チャートでは、アメリカンロックにビッグヒットが続いて、「ロッキー」や「炎のランナー」「愛と青春の旅立ち」といったサントラからのヒットもありました。一方で着実に80年代の音楽のウネリは進みます。UKでニューロマンティックの旗手Duran Duranが『Rio』を発表。他にCulture Club、ABC、WhamがUKでデビューします。そして1982年の末に80年代で最も重要な作品であるMichael Jacksonの『Thriller』、Princeの『1999』が発表されます。
91 I Love Rock N Roll / Joan Jett & Blackhearts (82)
フィラデルフィア出身のジョーン・ジェットがRolling Stonesの「It's Only Rock N Roll」に触発されて書かれたナンバーで、これが全米チャートで7週間も1位を記録する大ヒットになりました。曲はパンクっぽくもあり、ワルさもあります。そしてメロディは一度耳にしたら忘れられません。Britney Spearsもカバーしましたロックの古典的ナンバーです。
92 Jack And Diane / John Couger Mellencamp (82)
インディアナ州のセイモアに生まれたJohn Cougerは75年にメジャーデビューを果たし、79年に初のTop40ヒット「I Need A Lover」を放ちます。そして82年に一気にブレイクし、「青春の傷跡」が全米で2位に入る大ヒットを記録すると、間隔を開けずにカットされたこの曲が初の全米1位(4週間)を獲得します。Jessica Simpsonもこの曲をサンプリングしてヒットしました。
Journeyの『Escape』からバンドを代表する、80年代を代表する名曲です。Mariah Careyが90年代にカバーヒットをし、日本の映画「海猿」でも使われたことで耳にしている人が多いはず。82年に全米チャートで最高2位を記録しました。
94 Don't You Want Me / Human League (82)
UKのアーチストが全米チャートを圧倒するブリティッシュインベイジョンは82年に始まります。ニューウェーブの流れからこの頃にシンセサイザーを使ったテクノポップサウンドが注目を集めます。代表的なのはDepeche Mode、Human League、Soft Cell、Thomas Dolbyですが、81年末にはUKでHuman Leagueのこの曲が5週間1位に輝きます。82年には全米に飛び火し、全米でも1位(3週間)に輝きます。邦題「愛の残り火」というのも強烈ですが、音楽もなかなか強烈なインパクトがあります。00年代に入り、Kylie Minogueがこの頃のHuman Leagueのサウンドを意識した『Fever』を発表して成功を収めました。
95 Tainted Love / Soft Cell (82)
Human Leagueと同じく81年にUKチャートで1位に輝き、82年に全米に飛び火して、全米で8位に入るヒットを記録します。しかしこの曲にはもう一つ大記録があって、90年代のチャート改正が行われるまで全米シングルチャートイン週の最高記録がこの曲でした(ランクイン43週)。最近ではRihannaが「SOS」でこの曲をサンプリングして大ヒットしています。
96 While You See A Chance / Steve Winwood (82)
Spancer Davis BandのボーカルだったSteve Winwoodの初ヒットがこの曲でした。歌詞の通り、まさしくチャンスをゲットして80年代には大活躍を見せました。82年に全米最高7位を記録しました。
ニューウェーブの流れで、Jazzとポップミュージックが融合するフュージョンサウンドが1982年頃に盛り上がりました。ToToはAORサウンドですが、このアルバムからフュージョンの要素も加わったように思います。アルバム『ToTo Ⅳ』からこの曲が全米チャートで5週間2位に輝き、1983年には「Africa」が全米1位に輝きます。ついには1982年のGrammy賞でRecord Of The YearとAlbum Of The Yearを獲得することになりました。
98 Steppin Out / Joe Jackson (82)
フュージョンの流れから、ピアノを軸とした都会的なサウンドが魅力のJoe Jacksonがこの曲をヒットさせたのも1982年でした。アルバム『Night And Day』から82年に全米で最高6位に入るヒットを記録しています。
99 Abracadabra / Steve Miller Band(82)
「Fly Like An Eagle」「Joker」などのギターサウンドで70年代に活躍したSteve Millerが82年には自身最高のヒットを放ちます。ニューウェーブサウンドを大胆に取り入れシンセサイザーバリバリのポップなナンバですが、間奏のキュッキューンというギターのちょっとバカっぽいノリと、ビデオクリップの「変なオジサン」がポイントです。1982年に全米チャートで2週間1位を記録しています。Sugar Rayもカバーしています。
100 The Message / Grandmaster Flash (82)
現在のヒップホップの基礎は80年代初頭のGrandmaster Flashによって作られていったといっても過言ではありません。DJとして複数のトラックをミックスすることを始めたのもGrandmaster Flashと言われていますが、さらに82年にはこの曲でメッセージを伝える音楽としてヒップホップが使われます。Melle Melのラッピングは今聞くと、ダサい印象も受けますが、曲はP Diddyの「Can't Nobody Hold Me Down」にも引用されているヒップホップの古典です。82年に全米チャートで62位のヒットを記録しています。