Billboard No.1 Hits - 1983 - | ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

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過去と現在の洋楽シーンをチャートデータをもとに紹介するページ(週一更新予定)

□ Billboard No.1 Hits - 1983 - (16)


Billy Joel
An Innocent Man

一日遅れましたが、1983年の全米1位曲を紹介します。80年代の中でも一つのピークではないかと思ってますが、名曲ばかりがずらりと並びます。ブリティッシュインベイジョンが本格的に起きて、UKのバンドDuran Duran、Culture Club、Kajagoogoo、Eurythmicsなどがチャートの上位に次々と入っていきます。一方で全米の方もMichael Jacksonの『Thriller』旋風が巻き起こったのもこの年で、Princeは出世作となる『1999』が大ヒットを記録します。そしてなんといってもMTVが始まって3年目となり、秀作ビデオクリップが登場してきたのもこの年でした。


■ Down Under / Men At Work ( 4 Weeks)


オーストラリアのバンドMen At Workの「Who Can It Be Now?」に続く2曲目の全米1位曲です。レゲエのリズムを上手く使ったナンバーで、時々登場するフルートの音が印象的です。


■ Africa / ToTo ( 1 Week)


70年代後半から活躍していたToToの唯一の全米1位曲。デビュー時からポップなメロディに定評のあったToToでしたが、1982年に発売された『ToToⅣ』から「Rosana」が全米で2位の大ヒットを記録して勢いにのり、3曲目にカットされたこの曲で初の頂点を掴みとりました。アルバムはGrammy賞も受賞。ToToにとってのキャリアのピークとなりました。曲は抑え目ながら、タイトル通りにスケールの広いミドルテンポのナンバーです。


■ Baby, Come To Me / Patti Austin & James Ingram ( 2 Weeks)  * Not Original Video


当時の人気番組「ゼネラル・ホスピタル」からのヒット曲。この年にMicheal Jacksonの『Thriller』が大ヒットを記録しますが、その活躍に貢献したプロデューサーQuincy JonesとRod Temperton(「Rock With You」「Thriller」)のコンビによる楽曲。邦題「あまねく愛で」というタイトル通り、切なくなるほど美しいメロディが魅力的です。Quincy Jones関連にはよく登場するJames Ingramにとっても初の1位でした。


■ Billie Jean / Michael Jackson ( 7 Weeks)

80年代の伝説Michael Jacksonの大ヒット曲。80年に大ヒットした『Off The Wall』から3年後、82年に発売された『Thriller』から2曲目にカットされたこの曲は、Michael Jackson自身最高のヒットとなる7週間1位を記録します。アルバムは37週間も全米1位を記録して、当時ギネスブックに記載されるほどの記録的なヒットとなりました。この曲がリリースされた時に放送されたMotown イベントでのパフォーマンス では、Michaelの代名詞ともなったMoon Walkを披露します。そして完成度の高いショートストーリーとなったビデオクリップがさらに人気を加速度的に上げました。イントロのシンプルなリズムから音が一つ一つ増えていきながら、最後までそれぞれの音が絡みあう展開はまさにQuincyマジックとも言えます。


■ Come On Eileen / Dexys Midnight Runners ( 1 Week)


Billie Jeanが1位を爆走し、次のカット「Beat It」が迫る中で、連続1位を阻んだ楔の一曲。当時吹き荒れたブリティッシュインベイジョンの代表的なナンバーです。ストリングスを加えた楽しいポップナンバーで、後半テンポが段々と速くなっていくあたりが聞き所です。


■ Beat It / Michael Jackson ( 3 Weeks)


「Come On Eileen」が1位の時、この曲は2位でした。「Billie Jean」とうってかわって、Michaelの新たな面を開拓したロックナンバーで、ギターにはEddie Van Halenが参加。ビデオクリップの完成度の高さも話題となりました。


■ Let's Dance / David Bowie ( 1 Week)


70年代初頭のグラムロックから様々な音楽に挑戦してきたDavid BowieがChicのNile Rogersと組んで作られたダンサブルなナンバー。David Bowieとしては「Fame」に続く2曲目の全米1位となりました。メッセージ色の強いビデオクリップも秀逸。


■ Flashdance .. What A Feeling / Irene Cara ( 6 Weeks)


この年に世界的に大ヒットした映画「Flash Dance」のメインテーマ。Irene CaraとDonner SummerのプロデューサーであるBiorgio Moroderのコンビによるダンスナンバーで、6週間というビッグヒットを記録しました。イントロのスロー→アップテンポのパターンは確かにDonna Summerっぽい感じも。


■ Every Breath You Take / Police ( 8 Weeks) * 年間シングル


UKのパンクバンドPoliceの初の全米1位曲にして最大のヒット曲。8週間1位というのはBillboardの歴史でも上位のヒットでしたが、この曲をサンプリングしたPuff Daddyの「I'll Be Missing You」ではさらに大きな11週間の1位を記録しています。抑え目に使ったレゲエのリズムに豪華に散りばめられるJazz的なエッセンス。80年代の名曲にふさわしいスケールの大きいナンバーです。白黒のビデオクリップも秀逸。


■ Sweet Dreams ( Are Made Of This ) / Eurythmics ( 1 Week)


シンセサイザーを使ったUKのテクノポップバンドEurythmicsの全米1位獲得曲。メッセージの強い歌詞とアニーの力強いボーカルが魅力的です。


■ Maniac / Michael Sembello ( 2 Weeks)


映画「Flashdance」から2曲目の1位曲。こちらはアップテンポのダンスナンバーで、当時そこらじゅうでかかっていました。テンションを上げたい時に聞きたい1曲。


■ Tell Her About It / Billy Joel ( 1 Week)


ロックンロールが誕生した最初の頃、50年代から60年代のロックのフィーリングとモータウンサウンド(Supremes)のリズムを上手く融合したBilly Joel2曲目の全米1位曲。アルバム『Inocent Man』は6曲のヒットを生み、Billy自身にとっても最大のヒットアルバムとなりました。


■ Total Eclips Of The Heart / Bonnie Tyler ( 4 Weeks)


UKのロックシンガーBonnie Tylerの初の全米1位曲。MeatloafやAir Supplyで大ヒットを生み出したJim Steinman独特のスケールの大きなロックナンバーです。90年代にはニキ・フレンチによりダンスポップにカバーされてヒットしました。


■ Islands In The Stream / Kenny Rogers With Dolly Parton ( 2 Weeks)


80年代のカントリースターKenny RogersとDolly Partonの二人にとって2曲目の1位となるナンバー。曲を書いているのがBee GeesのBarry Gibbで、70年代最初の頃のような爽やかな曲になってます。


■ All Night Long ( All Night) / Lionel Richie ( 4 Weeks)


80年代を代表するソングライターLionel Richieの3曲目の全米1位曲。カリブサウンドを大胆に取り上げたダンスナンバーでした。アルバム『All Night Long』は爆発的に売れて、84年度Grammyの最優秀アルバムも受賞しました。


■ Say Say Say / Paul McCartney & Michael Jackson ( 6 Weeks)


アルバム『Thriller』から既に6曲のヒット(この後「Thriller」がヒットして7曲のTop10ヒットとなった)を記録していたMicahel JacksonとPaul MacCartneyの最強コンビによる大ヒットナンバー。ショートストーリーとなったビデオクリップが秀逸。この年を締めくくるにふさわしい名曲です。


ということで83年の全米1位曲でした。