- Vanessa Anne Hudgens
- V
新星登場!。2006年に爆発的に売れた『High School Musical』から現在18歳のVanessa Hudgensがソロデビューをしました。発売されたこのアルバムは、若手有力作曲陣によるナンバーとVanessaのほとばしるエネルギーが良い意味で化学変化を起こして、ポップスアルバムとしては屈指の完成度を持つ作品になりました。R&Bをベースにロックナンバー、ダンスナンバー、バラードと曲もバラエティ豊かで、それでいてどの曲もシングルヒットが狙えるほどに良く出来ています。驚いたのは「Breaking Free」で子供っぽいと思っていたVanessaが、実に大人っぽく、パワフルに変わっていたことです。
1曲目Come Back To Me はシングルカットナンバー。Belinda K StarやMariah Careyの「I Sitll Believe」を手がけたAntonina Armatoの作曲プロデュースナンバー。3分弱に詰め込んだ絵に描いたような典型的なポップスです。2曲目Let Goは2ndカットに予定されているR&Bナンバー。作曲はAvril LavigneやLiz Phair、Krystal Meyersなどを手がけてきたWizardz Of Ozで、ジャズっぽい間奏を挟むなど遊び心も満載です。3曲目はしっとりとミドルテンポのバラードナンバーのSay OK。Jennfer LopezやBeyonce、Janet Jacksonの曲を手がけてきたArnthor Birgissonのナンバー。サビの情熱豊かに歌うあたりはシンガーとしてのVanessaの魅力を感じます。 4曲目Never Understimate A GirlはKelly Clarksonの「Breakaway」を手がけたMatthew GerrardとあのRobbie Nevilの手による1曲目に続くポップナンバー。Vanessaがこの曲ではChristina ばりに躍動感のある歌を聞かせますが、バックのリコーダーが味を出しています。5曲目Let's DanceもMatthew Gerrardのナンバーですが、こちらはBritney Spearsの「Toxic」ばりのテクノロックナンバー。6曲目Driveはサントラ「Next Big Thing」(2000年 Madonna主演映画)などを手がけたDavid Norlandの手によるロックナンバー。Avril Lavigneのシングル(Matrix)かと思うほどに完成度の高いナンバーです。
7曲目AfraidはクリスチャンカントリーシンガーDaniel Jamesの手による切ないバラードナンバー。バックのストリングス隊が味を出しています。8曲目Promiseも同じくDaniel Jamesの手によるバラードナンバーですが、こちらもサビの壮大で美しいメロディが光ります。このDaniel Jamesは今後注目されるコンポーザーかもしれません。9曲目Whatever Will Be も切ないラブソング。作曲しているSavan KotechaはCarrie Underwoodの「Inside Your Heaven」やRyan Cabrera 『Shame On You」、West Lifeの「Obvious」を書いている最近注目の作曲家。プロデュースはKent Larsson。10曲目Rather Be With Youは2曲目に続いてWizardz Of Ozの手によるポップロックなナンバー。Kelly Clarkson「Since U Been Gone」あたりに近いかもしれません。11曲目Psychicはタイプライターの音が印象的なテクノポップナンバー。手がけているJohnny On The Spot Productionはロサンゼルスの新進気鋭のプロデューサー。ラストの12曲目Lose Your Loveも同じくJohnny On The Spot Productionの手によるナンバーですが、こちらはロックナンバーでアルバムは閉められます。
ほぼ無名か、売り出し中の作曲プロデューサー陣で固められたということもあって、アルバムに力がみなぎっているように感じます。数多くのポップアルバムを聞いてきましたが、間違いなく上のランクに入る完成度だと思います。
★★★☆