Watch The Pop Music Video - 1990年の全米ヒット曲 -
- Wilson Phillips
- Wilson Phillips
最近の曲だけじゃなくて、昔の洋楽ヒットも聞いてみよう!というコーナーです。大体週1のペースで10曲程紹介していきます。なお、それぞれのビデオはYoutubeにリンクしています(別ウインドウで開きます)。ビデオが見られることを確認していますが、時と場合によっては見られない場合があります
1990年ということで、いよいよ90年代の始まりですが、この年の大きな流れは前に特集したようにMC HammerとVanilla Iceのヒットによるヒップホップのポップミュージック化に尽きます。ラップナンバーがポップスチャートで順位を上げていき、ポップミュージック全体も、ヒップホップの影響を大きく受けるようになります。一方で、80年代のキーワードであった黒人にも白人にもアピールできるポップミュージックが敬遠され始め、お互いのルーツを再確認するようになります。ポップスチャートに表れないカントリーやロックのヒットが増えてきて、ポップスチャートだけでは全米の音楽シーンは語れなくなります。その兆候はこの年のBlack Crowsのヒットに出ていたのではないかと思います。
90年代を代表するアーチストが90年には当然音楽シーンに登場してきます。特に90年代は女性が活躍した時期であったのですが、Mariah Careyはその代表だと思います。ソニーの社長トミーモトーラにデモテープを渡したことから始まったシンデレラストーリー。このデビューシングルは全米1位を4週間記録し、その後5曲が連続で全米1位に輝きます。デビューアルバムも当然ながら全米1位に輝き、90年代における輝かしいMariah の伝説が始まります。この曲はミニーリパートンばりの高音を使った壮大なバラードナンバーです。Mariahが作曲をしていることも話題になりました。
Vision Of Love / Mariah Carey
(90年全米1位)
90年代における女性ボーカルの代表がMariahなら、男性ボーカルの代表はMichael Boltonでしょうか。パワフルで情熱的なボーカルにギリシャ彫刻のような彫りの深い顔立ちが人気だったMicael Boltonはこの曲で初の全米1位(3週)に輝きます。もともとはLaura BraniganにMicael Boltonが曲を提供して83年に12位のヒットになったセルフカバー曲です。
How Am I Supposed To Live Without You / Michael Bolton
(90年全米1位)
私にとっては忘れられない曲の一つで、UKのソウルシンガーLisa Stansfieldの全米で3位に入った大ヒット曲です。70年代ソウルのBarry White「Can't Get Enough Of Your Love Baby」をハウスサウンドでコーティングした音で、Soul Ⅱ Soulから始まった90年代アシッドソウルの代表曲です。歌詞のロマンチックなフレーズに絶妙なアレンジ、そして情熱的なボーカルが重なって、何度聞いても胸が熱くなります。
All Around The World / Lisa Stansfield
(90年全米3位)
90年代といえばこの人も忘れられません。カナダはトロント出身のJane Childの全米2位に入ったダンスナンバーです。髪の毛やピアスなどの超個性派のファッションが話題を呼びましたが、シンセサイザー音楽が気持ちいいナンバーです。なかなか歌に入らないためにためまくるイントロが個人的にはツボです。
Don't Wanna Fall In Love / Jane Child
(90年全米2位)
別の意味でテンションが高かったのがDee LiteのMiss Kierでした(笑)。Dee Liteはソビエト(現在のロシア)出身のDJ Dmitry Brill に日本の東京出身のTei Towa(現在は吉本に所属)、そして全米はオハイオ出身のMiss Kierjのユニットという多国籍なバンドですが、70年代ファンクを最新テクノサウンドでサイケデリック風にアレンジしたこの曲を全米チャートの4位に送り込みました。ビデオのオープニングではファンカデリックのブーツィ・コリンズが、曲の中ほどではA Tribe Called QuestのQ-Tipがラップを披露しています。
Groove Is In The Heart / Dee- Lite
(90年全米4位)
80年代のNew EditionのメンバーであったBobby Brownが89年にブレイクすると90年にはNew Editonの他のメンバーであるRicky Bell、Michael Bivins、Ronnie DeVoeが組んだユニットBell Biv Devoeがこの曲で全米3位のヒットを放ちます。さらにNew EditionのほかのメンバーJohnny Gill、にRalph Trasvantまでヒットを続けてNew Editionが一躍注目を集めました。その後Michael Bivnsはアーチスト発掘を行い、Another Bad Creation、BoyzⅡMenをブレイクさせます。
Poison / Bell Biv Devoe
(90年全米3位)
カナダのロックシンガーAlannah Mylesの全米1位(2週)曲です。コテコテのブルースで、今でもポップスチャートのヒットとしては異色なナンバーと思いますが、当時もよく1位になったなあと思いました。
Black Velvet / Alannah Myles
(90年全米1位)
「Look」でブレイクしたスウェーデンのロックバンドRoxetteの3曲目の全米1位曲(2週)です。映画『Pretty Woman』から、マリーのボーカルが良い味を出しているバラードで、90年代の年間チャートでも2位に入っています。邦題はなぜか「愛のぬくもり」。
It Must Have Been Love / Roxette
(90年全米1位)
80年代に活躍を見せていたMadonnaにとってこの曲のヒットは大きな意味がありました。映画ディックトレイシーの関連作品(サントラではない)でリリースされた『I'm Breathless』から、テクノプロデューサー、シェプ・ペティボーンと組んだナンバーは全米1位を3週間という大ヒットを記録します。なにより80年代のイメージにあったポップからテクノに舵を切ったのがこの作品からで、アルバム『Erotica』はこのコンビで作られます。体を部分部分を固めるダンス、ボーギングも流行しました。
Vogue / Madonna
(90年全米1位)
今回の特集のラストナンバーは90年の全米年間シングルチャート1位のこの曲です。60年代のポップスバンドBeach Boysの中心メンバーBrian Wilsonの娘であるCarnie WilsonとWendy Wilson、そしてこれまた60年代のポップスバンドMamas & PapasのJohn Phililipsの娘 Chynna Phillipsの3人によるグループWilson Phillipsはこの曲を全米チャート1位(1週)に送り込むとデビューアルバムから「Release Me」「You're In Love」を全米1位に、「Impulsive」を全米4位に、「The Dream Is Still Alive」を全米12位に送り込みます。3人の息の合ったコーラスの美しさ、さわやかなメロディは魅力たっぷりで、日本でも人気がありました。特にショートカットのChynna Phillipsの美しさが目を引いてました。
Hold On / Wilson Phillips
(90年全米1位)
ということで90年のヒット曲でした。では