2006年前半の全米1位紹介 | ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

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過去と現在の洋楽シーンをチャートデータをもとに紹介するページ(週一更新予定)

今年前半の全米1位曲を振り返ります。(□は2006年度で現在まで最多週の1位曲)


■ Don't Forget About Us / Mariah Carey  ( 2 Weeks)


Mariah Carey
Don't Forget About Us

2005年12月31日から1月7日付けまで2週間1位を獲得しました。「It's Like That」などMariah Carey復活の立役者でもあるJermain Dupriの手によるナンバーで、メディアムテンポのナンバー。アルバム『Emancipation Of Mimi』の追加収録曲ということで、I Tunesのダウンロードが解禁になってからチャートでは一気に急上昇を見せました。Mariahにとっては通産17曲目の全米1位となります。


■ Laffy Taffy / D4L  (1 Week)


D4L
Laffy Taffy

2006年に入って1月14日付けチャートで1週間1位を獲得しました。アトランタ出身のヒップホップ4人組D4Lの初の全米1位獲得曲。グループ名のD4Lというのは「Down 4 Life」という意味とのことで、いかにもベース中心のサウスっぽいヒップホップナンバーで、最近の全米の売れ線ナンバーです。デビューアルバム『Down 4 Life』は売れませんでしたが、この曲は年末にかけてかなりの数がダウンロードされています。


■ Grillz / Nelly f. Paul Wall , Ai& Gipp  (2 Weeks)


Nelly
Grillz, Pt. 2

1月21日から1月28日付けまで2週間1位を獲得しました。00年代におけるサウスヒップホップブームの牽引者であるNellyが人気急上昇のPaul Wallを加えて第一線に復帰を果たしました。曲は今一番ノリにのっているJermain Dupriで、最近のヒップホップナンバーの中では(個人的に)聞きやすい曲です。昨年の年末に発売されたアルバム『Sweatsuit』からのカットです。


□ Check On It / Beyonce f. Slim Thug  (5 Weeks)


Beyonce
Check on It

2月4日から3月4日付けまで実に5週間も全米1位を獲得。Destiny's Childのベストアルバム『#1's』からのカットでありながら、何故かBeyonce名義で、映画『ピンクパンサー』からの曲でもあります。曲は初期のDestiny's Childのようなアップテンポのコーラスハーモニーが良い感じで、最近人気のサウスラッパーSlim Thugをフューチャリングするなど確かに売れて当然という感じ。しかしデスチャ(Beyonce)ってこういう”音程が上下する難しいナンバー”を歌わせたら一番ですね。


■ You're Beautiful / James Blunt  (1 Week)


James Blunt
You're Beautiful

3月11日付けチャートで1週間1位を記録。コソボ戦線にも出兵した経験のある英国軍人のJames Bluntは自らの体験などを歌詞にしてアルバム『Back To Bedlam』を発表。Rod Stewartを彷彿とさせる渋いボーカルもあいまって昨年全英で話題を呼び、ついには1位まで獲得。その勢いが今年全世界に飛び火して全米でも1位を獲得しました。全米でUKのアーチストが1位を獲得するのは1997年のElton John以来で、新人としてはSpice Girls以来の出来事。個人的にも去年のベストトラックに挙げていた、本当に美しいナンバーです。ダウンロードセールスで今年一番の★6を獲得。


■ So Sick / Ne-Yo  (2 Weeks)


Ne-Yo
So Sick

3月18日から3月25日付けまで2週間1位を獲得。昨年全米で大ヒットしたMarioの「Let Me Love You」の作曲者として知られていたNe-YoがついにDef Jamからリリースということで昨年から話題になっていました。デビューアルバム『In My Own Words』は見事全米1位に輝き、アルバムからこの曲を含む3曲がヒット、さらに作曲したRihannaの「Unfaithful」もチャートで上昇するなど今ノリにのっているR&Bボーカル&ソングライターです。


■ Temperature / Sean Paul  (1 Week)


Sean Paul
Temperature

4月1日付けチャートで1週間1位を記録。ダンスホールレゲエシンガーSean Paulの「Get Busy」「Baby Boy」に続く3曲目の全米1位曲です。Sean Paulがレゲエ畑出身としては異例の活躍を見せるのは、Hip Hopの要素を持っていることが大きいのでしょうか。「Get Busy」と同じく、サビメロが頭から離れない好ナンバーです。


□ Bad Day / Daniel Powter  (5 Weeks)


Daniel Powter
Bad Day

4月8日から5月6日付けまで実に5週間1位を獲得。昨年James Bluntと共にUKでブレイクしたカナダのソングライターで、ピアノを軸にするメロディはBilly Joelを彷彿とさせます。日本でもその人懐っこいメロディが受けて大ヒット。2006年を代表するナンバーになりました。あとこれまで全米チャートで上がって来れなかったこのタイプの曲が受けるのはやはりダウンロードが大きいのでしょう。


■ SOS / Rihanna  (3 Weeks)


Rihanna
S.O.S.

5月13日から5月27日付けまで3週間1位を記録。カリブ海のバルバドス出身のRihannaはDef JamのJay-Zに見出されて昨年全米でデビューするやいなや「Pon De Replay」が全米チャートで2位に入るなどの活躍を見せます。それから間を開けずに発売された2nd アルバムからの先行シングルのこの曲はダウンロードの勢いも合わさって見事初の全米1位を獲得します。UKのテクノバンドSoft Cellの82年のヒット「Tainted Love」(8位)をサンプリングしています。


■ Ridin' / Chamillionaire f. Krayzie Bone  (2 Weeks)


Chamillionaire
The Sound of Revenge

6月3日から6月10日付けまで2週間1位を記録。Houston出身のサウスラッパーChamillionaireのデビューアルバム『The Sound Of Revenge』からのカットナンバーです。今年に入ってPaul Wall、Slim Thug、Mike JonesとHoustonラッパーの快進撃が続いていましたが、Chamillionaireのヒットは勢いを改めて証明することになりました。サウスっぽいベースサウンドに50 Centのようなギャングスタっぽい風貌で、これからの活躍も期待できそうです。


■ Hips Don't Lie / Shakira f. Wyclef Jean  (2 Weeks)


Shakira
Hips Don't Lie, Pt. 1

6月17日から6月24日付け、現在まで2週間1位を記録中。 コロンビア出身のShakiraは90年代にラテンシンガーとして活躍していましたが、2001年の『Laundry Service』から本格的にPops界に進出。2作目の『Oral Fixation vol 2』からこの曲が見事初の全米1位に輝きました。ベリーダンスのセクシーなShakiraの魅力が発揮されています。