ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

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過去と現在の洋楽シーンをチャートデータをもとに紹介するページ(週一更新予定)


Ver.5サイトが選ぶポップミュージック名曲選 00年代以降編12


よくあるロックの名曲ではなくて、ポップミュージックの名曲を当サイトが厳選して紹介しています。選曲は全米Top5に入った曲はそれだけで名曲で、膨大なリストとなるため外しています。
00年代(2000年以降)から早くも四半世紀が過ぎようとしています。インターネットの普及からデジタルでのフォーマットが登場し、今はStreamingの時代となりました。膨大な世界の、または過去のライブラリを自由に聞ける、また個人が簡単に発信できる時代となり、音楽のあり方が変わってきました。


このシリーズもラスト。2010年代、新たなポップスターが登場し、時代の音を作っていきました。

DNA / BTS 17



韓国はソウルで結成されたBTS(防弾少年団)はシングル・アルバムともに世界中で大ヒットを記録し、さらにはメンバーのソロ活動も成功しています。ポップグループが成功を続けるということも奇跡ですが、欧米以外のアーチストがここまで成功したというところが2010年以降の音楽の重要な流れの一つと思われます。そんなBTSの欧米における初のヒットは2017年にリリースされた「DNA」で、全米67位、全英90位を記録しています。印象的なサビのメロディに導かれるダンストラックは2017年のAmerican Music Awardでパフォーマンスされ、その後の大成功へと繋がっていきました。

Ditto / NewJeans 23

 

韓国はソウルで結成された女性ポップグループNewJeansは、日本の音楽番組やCMで見ない日はないというぐらいに活躍しています。韓国の女性グループに限らず女性ポップグループといえば、R&B、ヒップホップ、ヨーロッパ圏であればユーロビートといった感じですが、それとは違ったスタイルでの成功が驚きでした。「Ditto」は全米82位、全英95位を記録して、日本でも一気に知名度を上げました。曲はBalladic Electronicという早いビートを持つエレクトロで、メンバーの軽快で可愛らしい振り付けが印象的です。

The Way / Arian Grande f.Mac Miller 13

 

フロリダ州Boca Raton出身のポップシンガーAriana Grandeは15歳でブロードウェイミュージカルに、そして『Victorious』などのテレビシリーズで女優として活躍していましたが、2013年にはシンガーとしてデビューをし、「The Way」が全米9位、全英41位を記録し、デビューアルバム『Yours Truly』は全米1位を記録します。曲はBig Punisherの「Still Not A Player」をサンプリングしたポップナンバーで、PVに見られるAriana のコケティッシュなビジュアルとMariahばりの幅広い音程のボーカルで新しい時代のポップスターとなりました。

New Rules / Dua Lipa 18

 

ロンドン出身のシンガーソングライターDua Lipaの2018年にブレイクヒットとなる全米6位、全英1位を記録した曲です。Dua Lipaが友人に対して元カレを忘れるためのルールを歌った別れの曲ですが、女性だけが登場するPVは女性のエンパワーメントと友情をテーマにしたもので話題となりました。Dua Lipaの持つ力強く野太いボーカルはもう一つの新しいポップスターの登場で、今もなおスタイルを変えながらトップランナーを走っています。

Cold Heart / Elton John f. Dua Lipa 21

 

60年代末から現在まで数多くのヒットを生み出してきたElton JohnがDua Lipaをフューチャーして2021年に全米7位、全英1位を記録した曲です。Elton Johnのヒット曲「Rocket Man」「Kiss The Bride」「Sacrifice」「Where's The Shoorah」をPnauがダンスリミックス。「Rocket Man」の有名なサビのフレーズを全く違った感じにしていて、今もなおStreamingで人気なほど聞かれ続けています。

Adore You / Harry Styles 20

 

イングランドはRedditch出身でボーイズグループOne DirectionのメンバーHarry Sytlesの2019年に発売された2ndアルバム『Fine Line』からの2ndシングル「Adore You」は全米6位、全英7位を記録しています。ミッドテンポのバラードで、美しいコーラスが印象的なポップナンバー。David Mayers監督による魚が登場するPVはインパクトがあり、曲のヒットに影響を与えました。


Dirty Work / Austin Mahone 15


テキサス州San Antonio出身のシンガーソングライターAustin Mahoneの2017年の曲。全米・全英ともにチャート記録は残っていないが、日本のコメディアンぶるぞんちえみがネタのバックにこの曲を使ったところ、大ヒットして、日本のBillboard Japanチャートで4位を記録しています。80年代のMichael Jaksonのようなファンキーなディスコチューンで、ギターの使い方がかっこいいナンバーです。

Skyfall / Adele 12

 

ロンドン出身のシンガーソングライターAdeleは2011年のアルバム『21』、2015年の『25』、2021年の『30』とシングル、アルバムともに世界中で大ヒットを記録していますが、2012年には映画007 Skyfallの曲としてリリースされて全米8位、全英2位を記録しています。映画そのものが名作ということもありますが、このテーマ曲は007の伝統的モチーフを使いながらAdeleらしさも含めたスケールの大きな曲です。

Slow / Rumer 10

 

パキスタンはTarbela Dam出身のシンガーソングライターRumerのデビューアルバム『Seasons Of My Soul』(全米46位、全英3位)の収録曲で、全英16位を記録していて、日本のBillboard Japan Hot100では3位を記録しています。優しくも美しいメロディと溶け込むようなRumerのボーカルがなんともいえない味わいがあります。

Thinking / Louis Cole 17

 

この企画の最後の最後はロサンゼルス出身のLouis Coleの「Thinking」です。この曲チャートインはもとより、最初のバースのみが歌われる2分弱のデモテープがデジタルリリースされている”未完成”な曲。しかしMicael Jacksonの「Billie Jean」を彷彿とさせるメロディラインで、後のLive アレンジではソロパートを増やしながら新しい魅力を生み出しています。

ということで、Ver.5サイトが選ぶポップミュージック名曲選、全部で300曲の紹介でした。
 

Billboard Chart 8/24

Single Chart


1(1) : A Bar Song (Tipsy) / Shaboozey (6 Weeks)
2(2) : I Had Some Help / Post Malone f. Morgan Wallen
3(3) : Not Like Us / Kendrick Lamar
4(4) : Espresso / Sabrina Carpenter
5(7) : Birds Of A Feather / Billie Eilish
6(5) : Million Dollar Baby / Tommy Richman
7(6) : Good Luck,Babe! / Chappell Roan
8(8) : Please Please Please / Sabrina Carpenter
9(9) : Lose Control / Teddy Swims
10(10) : Too Sweet / Hozier

Shaboozeyの「A Bar Song」が6週目の1位を獲得しています。Streamingsが33.3Mで1位、Digital Salesが12,000回で1位、Radio Airplayが88.5Mで1位でした。


6週目ということで、今年に全米1位を獲得している曲としてはPost MaloneとMorgan Wallenの「I Had Some Help」に並びました。5週1位(去年からの通算6週)としてJack Harlowの「Lovin On Me」が続きます。ShaboozeyとPost Maloneが今年の年間1位と2位を獲りそう。

Billie Eilishはオリンピックの閉会式で披露されたこともあって「Birds Of A Feather」が5位まで上昇しています。Streamingsが23.9M、Digitalが8,000回、Radio Airplayが35.7Mを記録しています。Billie Eilishにとって4曲目(Bad Guy、Therefore I Am、Lunch、Birds Of A Feather)のTop5ヒットとなりました。

12(13) : Cowgirls / Morgan Wallen f.Ernest
13(14) : Ain't No Love In Oklahoma / Luke Combs
14(16) : Pink Skies / Zach Bryan
16(17) : Hot To Go! / Chappell Roan
18(22) : Austin / Dasha
23(31) : Big Dawgs / Hanumankind × Kaimi
25(26) : Kehlani / Jordan Adetunji
26(29) : Pink Pony Club / Chappell Roan
28(-) : It's Up / Drake,Young Thug & 21 Savage
32(40) : I Am Not Okay / Jelly Roal
37(46) : Mamushi / Megan Thee Stallion f. Yukiu Chiba *
39(42) : Bulletproof / Nate Smith *
* Top 40 再登場

28位にはDrakeの新曲「It's Up」が入っています。これは8月10日に発売された3曲入りEP『100 Gigs』に収録されていた曲。


It's Up / Drake,Young Thug & 21 Savage

Streamings Songs #1 : A Bar Song (Tipsy) / Shaboozey 33.3M
Digital Sales #1 : A Bar Song (Tipsy) / Shaboozey 12,000
Radio Airplay #1 : A Bar Song (Tipsy) / Shaboozey 88.5M

Album Chart (Units/Sales)

1(1) : The Tortured Poets Department / Taylor Swift 85,000/28,000
2(3) : The Rise And Fall Of A Midwest Princess / Chappell Roan 72,000/?
3(4) : One Thing At A Time / Morgan Wallen 63,000/?
4(5) : Hit Me Hard And Soft / Billie Eilish 57,000/?
5(7) : The Great American Bar Scene / Zach Bryan 48,000/?
6(6) : Brat / Charli XCX 47,000/?
7(9) : Stick Season / Noah Kahan 38,000/?
8(8) : Dangerous The Double Album / Morgan Wallen 38,000/?
9(10) : Twisters The Album / Soundtrack 34,000/?
10(12) : Zach Bryan / Zach Bryan 34,000/?

Taylor Swiftの『The Tortured Poets Department』が15週目の1位を獲得しています。


Chappell Roanの『The Rise And Fall Of A Midwest Princess』が2位まで上昇してきました。
来週1位・・と言いたいところですが、来週はPost Maloneの新作が登場、しかも今勢いのあるカントリーとのコラボということで、しばらくは厳しいか。

15(-) : Sugar Honery Iced Tea / Latto
34(-) : This Is How Tomorrow Moves / Beabadoobee

Beabadoobeeが全米アルバムチャートで34位に入りました。2020年の『Fake It Flowers』が189位、2022年の『Beatopia』が入っていないことを考えると、ようやくといったところ。


Beaches / Beabadoobee

45(-) : Ultra 85 / Logic
118(-) : Flight B741 / King Gizzard & The Lizard Wizard

Logicの作品がTop40落ちというのは意外でした。
 

UK Chart 8/23

Single Chart


1(1) : Backbone / Chase & Status,Stormy (2 Weeks)
2(3) : Good Luck Babe / Chappell Roan
3(2) : Birds Of A Feather / Billie Eilish
4(4) : Guess / Charli XCX f. Billie Eilish
5(6) : KIsses / BL3SS,Camrinwatsin,Bbyclose
6(7) : Austin / Dasha
7(-) : Die With A Smile / Lady Gaga & Bruno Mars
8(9) : Kehlani / Jordan Adetunji
9(8) : Apple / Charli XCX
10(12) : Hot To Go / Chappell Roan

15(21) : Big Dawgs / Hanumankind,Kalmi

Chase & StatusとStormzyの「Backbone」が2週目の1位を獲得しています。

7位にはLady GagaとBruno Marsとのコラボ「Die With A Smile」が入っています。Bruno Marsらしいクラシカルなメロディのロック、ソウルナンバーで、Silk Sonicの音の延長上という感じがします。ファッションを含めて60年代というのを意識しているとは思いますが、社会的な影響力の大きいLady GagaがPVでやたらタバコを吸っているのが気になりました。


Die With A Smile / Lady Gaga & Bruno Mars

10位には勢いのあるChappell Roanの「Hot To Go!」が入っています。ライブでは人気の曲で、Katy Perryのデビュー当時のようなエレクトロダンスナンバーです。


Hot To Go / Chappell Roan

Album Chart


1(-) : F-1 Trillion / Post Malone
2(-) : Satellites / The Script
3(4) : The Tortured Poets Department / Taylor Swift
4(2) : The Rise And Fall Of A Midwest Princess / Chappell Roan
5(3) : Brat / Charli XCX
6(6) : Hit Me Had And Soft / Billie Eilish
7(8) : Stick Season / Noah Kahan
8(7) : The Highlights / The Weeknd
9(9) : 50 Years Don't Stop / Fleetwood Mac
10(18) : Lover / Taylor Swift

ニューヨークのシンガーソングライターPost Maloneの6枚目のアルバム『F-1 Trillion』が1位に輝きました。Post Maloneにとっては2018年の『Beerbongs & Bentleys』、2019年の『Hollywood's Bleeding』に続く3枚目の全英1位で、「I Had Some Help」が全英チャート2位を記録していました。

2位にはアイルランドはダブリンで結成されたロックバンドThe Scriptの7枚目のアルバム『Satellites』が入りました。「Hall Of Fame」が有名なバンドですが、今もなお高い人気を持っています。


One Thing I Got Right / The Script


15(-) : Where The Colours Meet / Scarlet Rebels
22(-) : A Firmer Hand / Hamish Hawk
29(-) : Popular Monster
36(-) : Fifty Ears In Black / Stranglers