「いつもなぜか疲れていて、だるくて、面倒なんです」
という相談があったとします。
「一応働いてはいるんですけど、家に帰ってからはぐで~っとなっちゃって、家事も掃除もろくに出来なくて、それが嫌で…」
「休日も、遊びに行きたいような気持はあるんですが、身支度とか準備だけでもう面倒になっちゃって…」
もう少しお話を聞いてみると、
仕事はそんなに重労働というわけでもなく、
もともと体力が全くないという程でもないようです。
だから、クライアントさんからすれば
「なんか怠けているような感じで自己嫌悪しちゃう」
というわけですね。
体力的な問題という程でもなく、
自分でも「家事をしたい」「外に行きたい」と思っているのに、だるさや疲れがそれを上回ってしまう。
私から見れば、
「いやいや、そう思ってるのに出来ないのなら、何か理由があるんじゃない?」
という感じなのですが、
(もちろん、身体的な異常や病気の可能性を排除した上の話ですが)
そんな悩みの渦中にいると、どうも「自分が怠けているから」とまるで意志の問題みたいに思ってしまう方が多いようです。
でも、このクライアントさんの話をよく聞いてみると
こんなエピソードが出てきたりします。
「いつも会社の人が何を話しているかが気になって、仕事に集中出来ないんです」
「ちょっとしたミスでもすごく落ち込んで、周りの足を引っ張っているような気持ちになって…」
「家に帰っても人の顔を思い出して、あ、もしかして苦笑いされてたのかな、とか…」
こんなエピソードが出てきたら、
「あ、じゃあ家で何も出来なくても当たり前だね」
となります。
色んな事が気になっている時、脳は過活動状態になってしまいます。
手元の仕事に集中出来ていなくても、遠くの人の会話にドギマギしながら耳を傾けたり、
家に帰ってもずっと何かを考え続けているのは、脳からすれば「オレ、頑張りすぎ!」という感じ。
運動しすぎると疲れて翌日動けないのと一緒で、
頭でいろいろ考えすぎれば、当然だるくもなるし、いろんなことがおっくうになります。
「何もしてないのに疲れる」は、表面上何も行動してないというだけの話で、脳の中は走りまくって指示しまくって疲労困憊だったりします。
それを「自分の意志力の問題だ」と自己嫌悪していると
ますます脳内で自分を責めて疲労が蓄積して、
もっと動けない!となってしまうんです。
自分を「どう動かすか」ではなく、「どう脳を休ませるか」の方が、ずっと大事かもしれません。
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※このブログ内に登場するエピソードは特定のクライアントさんの経験談とは関係ありません。