最近すっかり春の陽気ですね。
作り物みたいな明るい街並み、雲一つない空なんかを見ていると
心が躍るような、逆に一人おいて行かれたような、そんな気持ちになります。
日差しにあてられて、急に浮き彫りになった痛みをぶらぶらさせながら、涙を流すのも不釣り合いに思える変な春の日。
ただまっすぐ歩くしかないような日。
「学校にも行きたくない、でも家族も居場所じゃなかった」
そんな人がたくさんいます。
溶け込むことも、ひとり尖ることも出来ずに
やわらかい波に押し流されてきた人たち。
親譲りの目と髪の色をもって生まれて
それでいてどこにも所属しきれていないその人を
だれも助けることができなかった。
だから、背中に思い荷物を背負ったまま大人になった。
あの時の、幼い春の日を思い出す。
いま、生活が続くことに疲れて眼の光を失うその人を
だれがあの日に戻って支えてあげられるんだろう。
人生は、誰かに傷つけられたことを自分で癒さなければならない理不尽さであふれている。
真っ白な春の日差しのように、だれもかれもがその痛みに寄り添えずに去っていく。
それでも、あの時上げられなかった声が、今も出口を求めている。
そこに耳を傾けることが出来たら、何か変わる、かもしれない。
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