「どんなことで悩んでいますか?」と聞かれたら、
「仕事がうまくいかなくて…」
「子供が不登校で…」
「昔から不安がつよくて…」
でも、
例えば「人にどう思われているのか不安なんです」と話す方に、
「それはどんな不安ですか?」
「その不安がどんなふうにつらいですか?」
と、少しずつ質問を深くしていくと、
「えっどんな風に…?」
と言葉に詰まってしまいます。
あるいは、
「最近、どんな時にそれを感じましたか?」と聞いてみると
「う~ん、いつだろう…?」
と答えがはっきりしないこともあります。
「いつも不安」なはずなのに、具体的にいつそれを感じたのかが思い出せません。
自分が何に悩んでいるのか、その概要を把握することはあまり難しくありません。
でも、
「どんなふうにつらいのか教えてください」
「具体的な体験を教えてください」
に質問を変えると、考え込んでしまう方は意外と多いです。
かくいう私も、パッと聞かれると答えられない事があります。
でもこういうのって、気づくと意外とモヤモヤするもんですよね。
自分がどんな風につらいのか
例えばいつどんなことがあってそれを感じたのか…
確かにつらいはずなのに、うまく言語化できなかったり
「そうそう、あの時ね…」と具体的な例を出せないもどかしさ。
心の痛みに、名前がつかないモヤモヤ感。
そしてそれが伝えられないと、人に痛みを分かってもらいにくい(認識がズレる)という現実問題。
自分のつらさを明らかにできるということは
実は「安心できること」だったりするんですよね。
だから、
「なんだかつらいけど、そのつらさもあいまいで…」
という時は、まずそのつらさがどんな名前がつくものなのかを探します。
そしてどんな時にそれを感じて、
それを感じるとどうなるのか、など
つらい、の中身を明らかにしていきたいですね。
そういうシンプルな作業の中で
自分がどういう理由で、何を感じていたのかが
はっきりしてきて、ちょっと安心できたりします。
*このブログは毎日19時に更新されます
当カウンセリングルームに所属する、女性カウンセラーの情報はこちら(new)