★再掲です
「このサプリを飲むとどんどん肌がきれいになっていきますよ」
と言われると、ついつい手に取ってパッケージを見てしまうのに、
「このサプリを飲むと腸内環境が良くなってイライラしませんよ」
と言われると、「へえ~」で終わってしまう。
肌もきれいになりたいし、「イライラ」するのは不快。
どっちも改善したいはずなのに、いざ具体的な方法を示されると
なぜか反応に差が出てしまいます。
どうしてでしょう。
なぜイライラに対しては反応が薄くなってしまうのでしょうか。
ある正直なクライアントさんがあっけらかんと教えてくれます。
「心のどこかで私のせいじゃないと思ってるからです!」
なるほど。
他人にイライラさせられているのに、自分の(腸内環境の)せいにされたような気がして嫌な気持ちになったんですね。
「あと、腸内環境のせいというのもいやです。私は悪くないから変わる必要がないと思ってしまいます(笑)」
なるほどなるほど。
腸内環境のせいでイライラするのなら、それは本人の性格の問題ではありません。
だから「腸内環境が原因である」ということは、それ自体が「イライラが止まらないのはあなたが悪いんじゃない、あなたの責任ではない」ということを意味します。
だけど、それ以前に「腸内環境の仕業=イライラは自分の感情ではない」ということが、自分をないがしろにされたような気持ちになって嫌だ、と感じるクライアントさんもいらっしゃいます。
そして自分は悪くないのにどうして自分が変わらなきゃいけないのか、とも感じます。
不快な感情は欲しくない。
だけど不快な感情を持ち続けることには意味もあって、
その意味をその人なりに知ってしまっていると、手放すのが怖くなってしまう。
みんな、知らず知らずのうちに負の感情を大事にしています。
上記の方は、とても上手に自分のことを振り返っていて
自分の中にうずまく「私のせいじゃない」という強い主張と向き合うことがすでに出来ている好例です。
だからもう一歩、深い部分に踏み込むことができます。
「私のせいじゃない!」の中には、実は「私のせいだったらどうしよう」が絶対に含まれています。
この「もし私のせいだったら?」を考えた時に、普通の人達の数倍ゾッとしてしまって、地獄を見るような気持ちになってしまうから、「私のせい」と認めることなんて恐ろしくて出来ません。
もちろん、状況を変えるために自分が変わるということも出来なくなってしまいます。
なぜなら、「私」が変化することで問題が無くなってしまったら、
それは「私」のせいだったことになってしまうと感じるからです。
だから、苦しみたいわけじゃないし、ずっとイライラしていたいわけでもないけど、
「もし自分のせいだったら」、と考えると恐ろしくて、現状をキープするしか道がなくなってしまうのです。
これの問題は、いたちごっこになってしまうこと。
「私のせいだったらどうしよう」と思えば思うほど、「私のせいじゃない」と言わなければならなくなる。
だけど「私のせいじゃない」と言っている間は、ずっと「私のせいだったらどうしよう」が後ろから追いかけてくるんです。
もしかしたら、最初はもっと小さな不安だったかもしれない。
でも不安というのは、誰にも言えず抱えているうちに少しずつ大きくなって、自分ではどうにもできないくらいになってしまうこともあります。
そういう時に、一人で抱え込むのは危険だから、カウンセラーという存在がいるわけです。
ちなみに、
「私のせいだったら、私はどうなってしまうの?」
これがカウンセリングの時のヒントになることがあります。
ご本人に直接お聞きするかは別として、悩みの根本を探していくときに必要なポイントです。
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