あるクライアントさんは、カフェで店員に「その商品は売り切れです」とぶっきらぼうに言われた時に、店員を怒らせたのではないかと思い不安になったといいます。
別のクライアントさんは、その日行った美容師との会話を思い出して「あの時変なこと言ったかも」と不安になり、同じ美容室に通いにくくなると教えてくれました。
今後もう会わないような相手であっても、つい顔色をうかがってしまうし
全然興味がない相手との会話ですら、あれこれ考えて疲れてしまう。
こういう方がカウンセリングによくいらっしゃるのは、悩みがあるというだけではなくて、
安心できる場所で話したいという気持ちがあるからかもしれません。
以前、対人関係に不安があるクライアントさんから、「お金を払うから安心して話せる」と教えてもらったことがあります。
友人や家族とは、自分の話をいつどのくらいしていいのかわからないから、話せないのだそうです。
ちょっと楽しくおしゃべりすると、あとから「自分ばかり話しすぎたかも」とか「言わなくてもいいことを言ってしまったかも」と後悔したり、
相手からどう思われたかが気になって、なんだか疲れてしまうと言います。
自分のことを誰かに聞いてもらいたくても、不安や後悔がついて回る。
だから人に話すのをやめてしまう。
つまり、「お金を払う」というのは、このクライアントさんにとって「安心が約束された時間を得るための取引」なんですね。
カウンセラーとしては、正直
「取引をしなくても、クライアントさんが自分のことを周囲に気楽に話せるように心の傷を~」
なんてゴールを設けたくなってしまいますが(笑)、
安心して自分のことを話せる場所があるということが、そのクライアントさんにとって今一番大切なことなのかもしれませんね。
※クライアントさんのお話は皆さまからいただいたエピソードを少し変換して書いています。
特定の方のエピソードではありません。
*このブログは毎日19時に更新されます
当カウンセリングルームに所属する、女性カウンセラーの情報はこちら