私のカウンセリングでは、おそらくすべてのクライアントさんに
「心理療法やりましょう」
と一回はお声をかけています。
やるかやらないかはもちろんその方の自由なので、
希望しない方もいらっしゃいますし、
通っていただくうちに「やってみようかな」と思う方もいらっしゃいます。
私が心理療法をおすすめする理由はいくつかありますが、
ざっくり言えば「意識の届かない部分にアプローチをすることが出来る」からです。
(ざっくり言ったら、なんだか怪しい感じになってしまいました。)
カウンセリングにいらっしゃるクライアントさんは、
「もうすでに悩み尽くした」という方がとても多いです。
本や自己啓発に取り組んで頑張ってきた方や、
自分をこれでもかと責めてきた方や、
生きづらいと思いながら耐えてきた方達がいらっしゃいます。
でも「不快な状態が続く」ということ自体が、そもそも不自然
人間は、触ったものが熱かったら、反射的に手を放しますよね。
家に虫が出て嫌な思いをしたら、殺虫剤を買うのではないかと思います。
人って、本来そうやって不快な物から逃れたり、対策をとることが出来るはずなんです。
だから、「それだけ辛い思いをしているのに生きやすくなれないのなら、クライアントさんに出来る範囲の外側に何かがあるんじゃないか?」という考えになります。
そこで役に立つのが、心理療法です(心理療法の種類にもよるので、あくまで私がやっているものについてのお話です)。
例えば重大なトラウマは、記憶から抜け落ちてしまうことがあります。
完全に記憶を喪失していることもあれば、出来事自体は覚えているけどその時の感情が抜け落ちていて、「あれは大したことなかった」と思い込んでいることもあります。
すると、いくらクライアントさんとお話をしていても、クライアントさんの中ではトラウマは「無かったこと」「大したことないもの」として意識されているので、心の傷が見えてきません。
ところが、心理療法を受けてもらうと、次第にその傷が浮かび上がってきます。
「心の傷をいやすための心理療法」は、逆に言えば「心理療法をすることで心の傷が見えてくる」という側面も持っていることになるからです。
心理療法を行うことで、パズルのピースが揃ってくる。
自分では分からなかった自分のことが見えてくる。
私達は「自分のことは自分が一番よく分かる」なんて思ってしまいますが、灯台下暗しなんて言葉もあります。
心理療法で本来の自分に気付いていく。そんな経験も、面白いんじゃないかなと思います。
*このブログは毎日19時に更新されます
当カウンセリングルームに所属する、女性カウンセラーの情報はこちら