前回の続きです。
クライアントさんの見える世界が変わり始めると、カウンセリングは山場を迎えます。
ここから一気に心理療法の効果が上がることが多いのです。
クライアントさんからの反応も豊かになり、より実りあるカウンセリング時間となります。
なぜか。
それは、クライアントさんに「今まで見えていた世界を手放す決心がついた」から、だと思います。
実は、「気づく」だけではそれを「認めた」事にはなりません。
例えば、このクライアントさんが「自分は母親に不満を抱いていた」ということに気づいたとしても、
それを認めたくない、という気持ちが強すぎると、結局は元の世界に戻ってしまうのです。
「母親に一切の不満なく愛され、母親を一切の不満なく愛した」という幻想に戻れば、
がっかりされないように結婚をしなければならない。それが母親の希望だから。
大切なのは、
私は、私の人生を生きる。
そのたった一つの決心です。
ありふれた言葉ですが、決心を経験したかしないかで重みが全く異なる言葉でもあります。
その決心のためには、今まで見えていた世界だけが真実とはかぎらないということに気が付いて、受け入れる、
つまり認めるということが必要になるのです。
これまでの人生物語の裏側を知って、それを認めた時から、見える世界が変わり始めます。
散り散りになってきた記憶や感情が並び替えられて、一つの道筋のように見えます。
時には、これまでの人生における苦悩と問の答え合わせをしていくような感覚になることもあるでしょう。
「あの時のあれは、そういうことだったのか」
「そういえばあの時もこうだった」
これらは山場を迎えたクライアントさんから頻繁に聞く言葉です。
続きます
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