秋がやってきた。
木々が紅葉しはじめ、往復三時間のドライブの中で、
むなしさが浮上する。
これとどう付き合ったらよいか考えてみる。
いやむしろ感じてみる、がちかいかな。
行きは懐かしのハードロックを聴いて、気分を高揚させてごまかしてみる。
まだ太陽も照っていたので、それなりに楽しい。
胸に少しわだかまりがある程度だ。
帰りはそうもいかない。
田舎道を通るから、空は真っ暗で月が異様に目立ってきれいだ。
むなしさはますます胸にせまってくる。
あるとき、ピントがあったのだろうか、心地よくなり始める。
むなしさがあたたかさに変わる。
心に灯りがともったみたいに、ほのかに気分があたたかくなった。
昔と変わらず、今もむなしさだけがぼくの本当の友達だった気がする。
ただ10代はわけもわからず、それから逃げ出していた。
孤独、むなしさ、マイナスの感情だと教わったから、どうもうまく付き合えなかった。
いつだったか孤独を美しいものだと感じることができるようになってから、
他のものも付き合ってみるようにしている。
むなしさはあたたかい毛布のようにぼくを包んでくれる。
もし誰もわかってくれなくても、むなしさはいつも僕のそばにいて
やさしく抱きしめてくれる。
それはあまりにも繊細すぎて、よくわからないときもあるけど、
ピントがあえば、それがわかる。
つらいとき、くるしいとき、だれも自分を必要としてくれないと感じたとき、
むなしさはぼくの心をやさしくなでてくれる。
世界でたった一人なんだと実感したときも、一緒にいてくれた。
涙が頬を伝うとそれは一人でいることが幸せなことだとわかる。
ただただ自分がいて、自分が生きている鼓動を感じることができて、
ぼくはぼくのままであることを知る。
今ここにいて、どこにも行くことのないぼくと一緒にいてくれるむなしさは
ほんとうの友達なのかもしれない。
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