タクシー交渉タイトルマッチ第一戦
アブシンベルの感動を胸に、到着したのはアスワン空港。
同じ飛行機に乗っていた9割以上の乗客はツアー客のため、
到着するなり、みんな大型バスに消えていった。
さて。
こちとら、初のタクシー交渉である。
ラクダの運賃を交渉しなければいけないのは
まだ理解できるとして、
タクシーに乗るのもいちいち交渉しなけりゃならないなんて
まったく不便で、スリリングで、エキサイティングな国だ。
『地球の歩き方』によると、
アスワンの空港から市内までの相場は25LE。
それでは、目標25LE、許容30LEで、がんばってみよう。
ファイッ!
※青コーナー:タクシーのオッチャン
赤コーナー:我々
「どこまで行きたいの?」
「クレオパトラホテル。知ってる?」
「ああ、もちろん」
「いくら?」
「50LE」
「えーっ 高ーいっっ!!」
「高くないよ。ぜんぜん普通だよ」
これがまた、本当に「ぜんぜん普通だ」という顔を
見事なまでに装ってくれるんだ。
うっかり、自分が無理言ってるような気分になってしまう。
「いやいや、絶対高いって」
「じゃあ、いくらならいいんだ」
「20LE」
「ムリムリ」
「もー!じゃあ、30LE」
「いや、だから50LEだって」
「30LEっ!」
「あのね、アスワンはルクソールと違って市内まで遠いんだよ。
それだけガソリン代もかかるんだから、絶対50LE」
もう、暑いし、疲れてるし、戦う気力は下がる一方。
おまけに、空港にいたタクシーは、
この交渉相手のを含めて2~3台。
他に交通手段はないんだから、すっかり立場は弱い。
「OK、OK、もうわかったよ、わかりましたよ」
「そうか、よかった」
「40LEで、ね」
「は~…わかったよ。40LEね(苦笑)」
と、まあ、こんな具合に20分くらい押し問答をしていただろうか。
目標価格も許容価格も大幅にオーバーしてはいるが、
頑として譲らなかったオッチャン相手に、10LEは負けさせたから、
第一戦にしてはがんばったということにしておこう。
さ、ホテルに向かおうよ。
【プチ役立つ情報】
・ルクソールで知り合った一人旅の日本人女子、A美は、
アスワン空港にて、欧米人の2人組みと相乗りで交渉に臨んだが、
結果は、45LE。
どうやら、日本人だから、ふっかけられているわけでも、
女の子2人組みだからなめられているわけでもないみたい。