ここでも確か、オンニから話しかけられて
私が日本人だと分かると嬉しそうに翻訳機で
「私の娘は日本人です⍢⃝」と。
はて？？？ニホンジン？？？
よくよく話を聞くと
息子さんと結婚したのが日本女性で
義理の娘、とのこと。
なるほど〜。
ウェディングフォトを見せてくれたのですが
お嫁さんは、素晴らしいお着物姿、
息子さんは消防士の勇姿でした。
ファイアーマンの息子さんは
オンニによく似てとてもハンサムだと伝えると
とても嬉しそうにしていました。
ここからは世間話に花が咲き、
オンニは、仕事帰りで全州チッに立ち寄り、
私と相席になったのだけど
かなり楽しくお喋りしていたら
「なに、なに〜」とお店のオンニも参戦。
そして、お魚が運ばれてくると
オンニは、自分の太刀魚の身をほぐし、
私のお皿へ乗せてくれたのです。
驚きつつ
「オンニの食べる分がなくなる」と言うと
「私は少しでいいの。たくさん食べて」と。
自分が食べるよりも先に。
ドラマで見たことがあった場面ですが
自分がしてもらうだなんて
胸がいっぱいになり、泣けてきまして
「食べて、食べて」とゼスチャーするオンニに
お礼を言いながら、有難く頂きました。
その後も、オンニの仕事のこと、
旅行で日本に行き楽しかったこと、
ご家族のことや
安国のオススメカフェや飲食店を数々
教えてもらい、楽しい旅にしてねと
翻訳機を使いながら、とてもとても
楽しい一時を過ごしたのです。
そしてオンニから、まだまだ寒いから
足元を暖かくしてと靴下まで頂きました。
今日、会ったばかりの相席になっただけの私に
こんなに親切にしてくれる。
お仕事でも日本と関係があるようですが
簡単に出来ることではない。
何でしょうね、この無償の真心は。
私の心を射抜いて胸が熱くなりました。
そのまま一緒にいたら、
号泣しそうだったので
失礼になるかもと思い、
御礼を伝えてから席を立ち
僅かばかりの返礼のつもりで
オンニの分もお支払いを済ませて
先にお店を出ました。
ホテルまでの道すがら、もう涙が止まらなくて
ぐしゃぐしゃ顔で部屋に戻ったのでした。
オンニのお名前だけ聞いたのですが
連絡先を交換しなかったことを
今も後悔していて、得た情報で
何とか再会できないものかと
本気で考えています。
広い広いソウルの空の下、
もしまた会えたら奇跡だよなぁ。