私は高校を卒業するまで、粉骨砕身と胸を張って言えるほどに何かに陶酔し、尽力した経験 がありませんでした。だからこそ、なんとなくの流れでこの部活の新歓に参加した際、その 熱狂的な雰囲気に憧れを抱き、自らの成長への望みを胸に、入部を決意するに至りました。
私が選んだ道は夢見ていたほど手緩いものではなく、ずっと過酷なものでした。それでも練 習を重ねていく内に、運動音痴である自分の体の動きが、日に日にそれっぽいものに近づい ていることに感動し、自分の成長を実感するとともに、自らの眼前にそびえ立つ身体的、技 術的な障壁は、いつか自らの努力によって乗り超えることができるのではないかという自 信に繋がりました。
しかし、私のみならず皆の前に現れた障壁はそれだけではありませんでした。2020 年春先 からの約 2 年半越しの流行となった新型コロナウイルスは、今現在が最盛期であるといわ んばかりの感染拡大に至り、私たちの時間を着実にむしばんでいったのです。このパンデミックの影響をもろに受けた学生たちを、インターネット上では「コロナ世代」と呼ぶそうで す。図らずも私たちはコロナ世代の一部になってしまっているのです。
それでも私は、この障壁を超えた先にあるまだ見ぬ世界に、なんとしてもたどり着きたいと考えています。今まで知らなかったことを知ったり、気づかなかったことに気づいたりする ことが、成長という概念の内包なのだと私は思います。入部以来、続けてきた成長の成果を、 この summer で遺憾無く発揮し、さらなる成長を掴み取りたいです。
31期 1年 輿石竜太朗