トリル地区
17:00
警ら中のパトカー、
イスズ D-MAX、
路地をふさぐように停められ、車内から、くすんだブルーの半袖制服警官2人、
荷台からも同じく2人、
計4人が降り、
路地へ入って行きます。
全員20代、
3人が腰にオートマチック拳銃、
1人がフィリピンではよく見かける、
M16自動小銃を斜めにベルト掛けし、
左手で銃身をそっと押さえています。
路地の長さは500メートルほど、途中までコンクリ舗装、
その先は未舗装となり、
スクワッター(不法居住)ゾーンのコンパネ板の掘っ立て小屋が続き、
そこを抜けると、
反対側の通りに出られます。
4人は急いでるようではなく、普通にパトロールして歩いている、
そんな感じです。
50メートルほど入った所で、
全員立ち止り、
警官の1人が、
住民と話しています。
おそらく通報した人でしょう。
親切(お節介)なフィリピン人女性が見ているボクへ状況説明してくれ、
「あそこの娘のボーイフレンドが酔っ払って暴れている」とのこと。
周囲、危険な雰囲気は全くなく、みなさん、純粋な野次馬(ボクもね/笑)
もし危険を感じるようだったら、
みなさん、海水浴場の岩場にいるフナムシのように、
「ササっと」、
どこかへ消えているでしょう。
そして、
路地の反対側から、
「バックアップ」と呼ばれる応援警官が、
路地を封鎖しているはずです。
フィリピンでは「銃の所持」は許可制、
ですが、
無免許でスクーターやバイクに乗る人も、わりとフツーにいるくらいですから、
このメーワクな酔っ払い君が、拳銃を持っていたとしても不思議ではなく、その酔った勢いで、
「引き金に人さし指をかける」、
そんなことも起こりうるわけです。
こういう住宅密集エリアでは、
「誰が、誰だかを」、
周りのみんなが知っていて、
危険な程度も推測しやすいのです。
でもね、
カッとなって、
包丁を手にするのと、
38口径のリボルバーを手にするのでは、
その先が大きく違ってきます。
そこで、
M16自動小銃を胸の前で、
たすきにかけた警官が1人立っている、
これで、
メーワクな酔っ払い君の、
酔いも吹っ飛び、
ハムスターのようにおとなしくなり、
一件落着。
4人は、
路地へ入って行ったときと同じように、ゆっくりと歩いて戻って来て、
イスズ D–MAXに乗り込み、
パトロールに戻ります。

