※ ※ ※ 西日本で続く豪雨が早く治るよう、願っております ※ ※ ※
ビサヤ語の勉強として、誰かが話していたり、
ラジオで聴いた言葉、フレーズをコクヨの小ノートにメモし、
都度、周りのフィリピン人に訊くんです。
ボクが質問する言語は英語、彼らの説明も英語、
お互いの英語力、説明力が肝心でして、
半人前同士ですと、
0.5 X 0.5=0.25 と、減っちゃうんですょ(笑)
ですから、必ず複数人に訊くんです。
こんな感じで、
ダメだこりゃ(笑)
メモの「 pungkol /ポンコル 」、
「切る」という意味を、ここでもう一度訊いてみます。
そうすると、子供たちはケンケンする仕草で、
自身の手刀で脛(スネ)のあたりを、軽く打ち、
「カットだよ、カット」といいます。
ポンコルとは、事故などで脚、
または腕を失った人を指す言葉。
そういえば、ここのサブディビジョン(住宅地)でも聞いたのを思い出します。
このサブディビジョンは43年前、
公務員(主に教師)向けに区画されたモノ、
そのサブディビジョンで、そんな差別的表現が、
今でも、普通に使われている事に驚きます。
18:30
トリルのマーケット
このお店、珍しくピルセン・ビール小瓶があり、
しかも、ちゃんと冷えているんです。
2本目までは、良しとしています(笑)
30ペソ
お店を仕切るのはオリビア(30代女性)
所有者は彼女の伯父さん。
ギロッとした目の、フィリピンでは珍しく細身、
そして、フィリピンでは珍しくない、無愛想。
マーケット内は小さなコマがびっしり並び、
狭い通路を、みなさん半身ですれ違います。
その通路を、白髪頭の男性がアルミ製の杖をつき、
片脚を引きずり、時々、玉ねぎや人参が並べられた棚へ手をあて、
身体を支えながらこちらへ、ゆっくり歩いて来ます。
白シャツは、既にうす茶がかり、
たすきにかけた黒いナイロン製カバン、
掛け金が壊れたカバン。
ボクはピルセンを手に、隣のコマへと、
通路を空け、男性が通りすぎるを待ちます。
男性が通りすぎた時、オリビアが男性へ声をかけ、
オリビア「ポンコル、ポンコル待って」
オリビアは狭い通路を小走りに男性へ近づき、
何かを手渡し、戻って来ます。
ボク「お金を渡したの?」
オリビア「そうだけど」
ボクは次の質問をするか迷い、
オリビアの目は、ボクを見つめたまま。
ボクは小声で「どうして?」
オリビアは、分かりきったこと訊かないで、
そんなふうに「ポンコルがパンでも食べられるでしょ」
そう言って、自身の手で何かを掴んで食べる仕草、
フィリピン人がよくやる、
「ゴハン食べようぜ」のゼスチャーをします。
差別用語、いいはずがありません。
ただ、その事にだけ固執して、
何の行動も起こせなかったボクは、
ピルセンの瓶を手に、小さくうなずき、
オリビアから視線をそらします。

