約束通り停電は5~17時の12時間で終わり、
改めてフィリピン人は約束を守る人たちだなぁ、と(笑
10:30
「ガソリンがない、コーラ忘れた」、
「あれ、あの子は行かないの?」
などと出発間際の会話(まだですかぁ?)
メンバー大人6、子供4人、
1時間遅れでパンダノン(Pandanon)島へ出航のスタイル。
義兄のキャプテンの弟、ジョバンニの10人乗りバンカーボート、
日本の工事現場にあるような汎用ガソリンエンジン。
排気量は訊き忘れましたが、古いのだけは確かです。
コンパネデッキ下、テキトー(に見える)据えられたエンジン。
スタートは、むき出しになってるプーリーへΦ5㍉のナイロン紐を巻きつけ、
エンジンを跨ぐ格好で膝を曲げ、一気に背中を反らせ紐を引きます。
直管マフラーからはパタパタと乾いた音、
口をしっかり閉じてないと、歯がガチガチと鳴る振動が伝わってきます。
ボクに出来る事は、エンジンが止まらないように、と、
風雨にさらされ、紫外線に灼かれ、
足をかけたら、たわむコンパネ船体が、
沈みませんように、と祈るだけです。
向かい風微風、義姉の赤ちゃんボラントイ(16ヶ月)の、
額にかかった柔らかな髪が後ろへと流されます。
11:00
車、バイク、舗装路を走る乗り物に慣れているせいか、
船上から見え始めた陸へ近ずくのが、少しじれったい感じもします。

目指す島の片側、5~600m は白い砂浜で完全なリゾート、
突き出た形の砂浜は、台風で都度地形が変わるそうです。
11:30
まずは、

自分たちで持ち込んだ、美味しいお昼ゴハン(左端がオカマのエンジェル)
お腹すいたぁ~、
無言でモシャモシャ(笑
四角錐のヘッポコ屋根の影が、どんどんと迫って来ます。
すぐに、

日焼けしたお母さん、
「ウチワエビ、オイシイダヨ」、
とニホンゴ。
本当にいるんですね、ウチワエビって。
ホンモノを初めて見ました、
ついでに撮影も(笑
小学生の頃家にあった「海の生き物図鑑」で見たきりです。
ホンモノ見たから、もう帰ろうかぁ~?(笑
そのくらい驚きの生き物なんです、ボクにとっては。
値段は怖くて訊けません、ボクがジャパニーズとバレてますし(笑)
まぁ、撮影だけじゃ悪いから

この近所で養殖している、
「グソ」(海藻)を酢の物にしてもらいます。
トマト、タマネギ、ショウガ、トウガラシと和え酢の物に。
200㌷、高い!
普通小鉢で20㌷程度、どんぶりで食べるモノではありませんが。
食後、ボクが3週間前に献血した義兄のキャプテンのお母さんを訪問、
チャーミングな妻とオカマのエンジェルも同行、
エンジェルはこのお母さんと親せきだそうです。
それにしても、
あちこち親せきだらけ(笑
夏至まで3ヶ月以上ありますが、
刺さるような日差しは、
長袖から出た顔、首筋、手首へと容赦なし。
白い砂浜を妻、エンジェル、ボクの3人で、反対側の島民居住エリアへ。
町で最も裕福なエンジェルが付けた香水が香ります。
後ろを歩くボクは、この島で一番いい香りの場所にいるかもしれません。
力仕事など出来ない、エンジェルのまっすぐな指には、
立て爪サファイアリング、ここへ来るのに「立て爪リング?」
フィリピンですから(笑)
歩きながらエンジェルに「日本へ行くの?」
エンジェル、
「その前にタイへ行くダヨ」
「そこで棒を取る手術して、
アナを作ってもらってからネ」
ジョークとしてはいい線いってますが、
2/3本気ですから、
オシャベリなボクも聞き役へ。
ボクの前を歩く、エンジェルのビーチサンダルが蹴り上げた白い砂が、
彼女の細っそりしたふくらはぎにかかります。
続きます。