こんにちは、セブ島滞在中のカケスです。
雨のち曇り、気温推定29℃、蒸し暑い中、家々につながれたシャモたちが、
調子外れの鳴き声をあげてます。
いつもと同じ、パンとコーヒー(インスタント)の朝食中に、
何気なくハウスキーパー兼電気エンジニアのデイブさんへ質問。
ボク「ヤギ解体(捌き)できる?」
デイブさん、少し戸惑った感じです。
彼は相当貧しく、辛い子ども時代を経験しているので、
こういった事はひと通り出来る、とボクは思ってました。
ボクは、Yes を期待してのことでしたので、意外です。
デイブさん「もちろん出来るけど、自分が世話をしたヤツは無理」と。
ニワトリも自分が世話をしたヤツは無理、とのこと。
フィリピンの裏庭で家畜(ヤギ程度の大きさまで)解体は普通に行われます。
多くの子どもはニワトリくらいはトライするようです。
ですから、この「情がうつる」感覚は彼らのライフスタイルを観ていて、意外でした。
ボクは彼らが冷酷だというのではなく、
食糧として家畜を飼っていると思ってましたので。
ボクも2カ月前にニワトリのクビを切りました。
義兄のキャプテンが「ニワトリ捌くから、クビ切ってヨ」
ボクは両手でストップのポーズをしながら「ノー、ノー」
キャプテン「Why ?」 かなりの直球です。
ボク「・・・」
キャプテン「オレが抑えるダカラ」 常に直球です。
ボク「OKぇぇ」 キャプテンを納得させる言い訳が見つかりません(涙)
キャプテンはニコニコしながら白いニワトリを1羽、裏の竹製ケージから出して
「ダイジョーブ、ダイジョーブダヨ」と言います。
ニワトリに言ったのか、ボクに言ったのか。

キャプテン、ちょっと真剣に
親指、人差し指、中指の3本を広げ
その指をゆっくり閉じて、
「こうやって頭を抑えてから、
クビを切るダヨ」と。
ごちゃごちゃ考えてはいけません。
キャプテンの指示通りに左手3本指で
ガッチリ抑えつけます。
ニワトリの熱っぽさが指に伝わって
きますが、全く暴れません。
キャプテン「いいよ」

ボクは包丁を握り直し、
クビに当ててから視線を逸らし、
右手を押し出します。
刃先から手ごたえがあります。
切り込んだのは、ほんの1センチ。
まな板の上と同じ手ごたえのはず
ですが、それとは違いました。
1分くらいでしょうか 、
土間に血が落ちニワトリが
動かなくなり、ボクの役目は終わり。

次は「フィリピン代表」の番です。
最初、「ワタシハやりません」
と言ってましたが、
既に自分の番が終わって気が大きく
なっているボクは、
「ボクもやったんだからさぁ~」と。
チャーミングな妻
「ズボンが汚れるダヨ」と。
妻は何度も経験しているので、
ジャスコで買ったズボンの方が心配。
キャプテンは5歳からやっているそうです。
そのキャプテンも自分が世話をしたヤツは無理、と。
ボクたちがクビを切ったニワトリは、お義母さんのでした。
情がうつる、これが
ココロ、なのでしょうか。