大阪教育新聞12月号「子どもと絵本を結ぶ」VOL.169で『100にんのサンタクロース』を紹介させていただきました。
プレゼントを配り終えたサンタクロースたち🎅がとっても愉快で可愛らしい絵本です❤
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『100にんのサンタクロース』
谷口智則 文・絵
文溪堂
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(以下、掲載分です。)
百人百色の
サンタクロース
あるところに百人のサンタクロースが住む町がありました。大きいサンタに小さいサンタ、いろいろなサンタがいます。春、夏、秋、冬、一年かけてプレゼントを配る準備をします。クリスマスの前日は大忙し。そしてクリスマス当日にプレゼントを配り終えたら……。
谷口智則さんによる、サンタクロースが主役の本書は、二〇一三年に発売され十周年を迎えました。サンタクロースシリーズは合計三冊あり、その第一弾です。本書では百人の個性豊かなサンタたちが登場し、一年かけて各々の仕事に取り組むのですが、物語の見せ場はクリスマスのプレゼントを配り終えたあとなのです。色鮮やかに描かれたサンタたちの絵が今にも動き出しそうで、いとおしく感じます。
裏表紙の内側には百人のサンタの名前とイラストが掲載されていて、誰がどんなお仕事をしているのかを知ることができます。サンタ帽と服の柄も百人百色の工夫がなされているのも見どころです。サンタたちの“お楽しみ”についてはぜひ手にとって読んでいただきたいです。
私が初めて読んだ谷口さんの作品は『カメレオンのかきごおりや』でした。色をふんだんに使ったユニークな作品に魅了され、他の作品も読み進めてみると、擬人化された動物が主役の作品ばかりで、サルやクマ、ブルドッグやゾウなど愛らしいキャラクターがたくさん登場していました。出身地の四條畷市に「ZOOLOGIQUE」(フランス語で動物園の意味)というギャラリーカフェを営まれており、訪れてみたい場所です。
谷口さんが絵本作家を目指したのは、大学時代にイギリスの絵本画家の原画展で感銘を受け、日本に大人が読める絵本が少ないのなら自分で作るしかないと考えたからだそうです。この経緯を知って、より一層、谷口さんの作品が好きになりました。大人になっても子どもの頃と同じように、想像を膨らませ、童心に帰って、純粋で素直な気持ちで絵本を読む時間のすばらしさを教えてくれる一冊です。
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