こんばんは🌙
明日から新年度の始まりの人も
多いのではないでしょうか。
今日は絵本の紹介記事について。
何かを新しく始めるすべての人に
届いてほしい絵本です❣️
大阪教育新聞3月号
「子どもと絵本を結ぶ」VOL.165で
『小鳥の贈りもの』を
紹介させていただきました。
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『小鳥の贈りもの
―おおぞらに向かって飛び立つあなたへ』
作 ピルッコ・ヴァイニーオ
訳 山川紘矢 山川亜希子
アノニマ・スタジオ
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(以下、掲載文です。)
成長していくひな鳥の姿に心打たれる
殻を破って生まれてきたひな鳥が、転んでは立ち上がり、水辺にうつる自分の姿を見つけたり、木によじ登って飛ぶ練習をします。様々な経験を通してひな鳥が学んだことは……。
春は新学期、新生活など、新しいスタートの季節です。何か初めてのことに踏み出すときには、不安な気持ちもありますが、希望に溢れたワクワクした気持ちが共存しています。
絵本を読めるカフェで本書に出会いました。図書館司書をされていた店主が、働く人の居場所づくりをしたいと開店されたお店です。素敵な絵本が並ぶ中で、一際輝いていたのが本書の表紙に描かれた、かわいいひな鳥です。
フィンランド出身の作家であるピルッコ・ヴァイニーオは、イタリアでイラストレーターとグラフィックデザイナーとして活躍しています。ヨーロッパでは人気の彼女の数ある作品の中で、唯一日本語に翻訳されている絵本です。訳は小説『アルケミスト』の翻訳者、山川紘矢・山川亜希子ご夫妻です。
ひな鳥が殻を破り、外の世界を観察しながら、青空に飛び立とうと練習を重ねて成長していく姿が描かれています。写実的ですがとてもやわらかいタッチの絵で、ページをめくるごとに一歩ずつ成長していくひな鳥の姿に心打たれます。文中には、私たちは何かを学ぶために生まれてきて「自分なりのやり方や、生き方で学んでいく」ことのメッセージが込められています。
本書の朗読をする機会があり、聞いてくださったお母様が「この絵本のことを初めて知ったのですが、子どもたちにプレゼントしたいです」とメッセージをいただきました。
目標に向かって一生懸命取り組むなかで、困難なことにぶつかってしまうこと、思うように進まないことがきっとあると思います。 新しい場所で挑戦する人にそっと寄り添い、勇気を与えてくれる一冊です。
たちばな ゆひ