私は病気を発症した時点で
自分がそれまで生きてきた学歴社会からは
さよならせざるを得なくなりました
当初はそれが絶望的で仕方ありませんでした
勉強を頑張ってきたことは
当時の私にとっては
ひとつの大きなアイデンティティであったし
そこから外れた生き方など
私は全く知らなかったのです
人生を詰んだとさえ感じ
絶望感と常に隣り合わせで過ごし
当たり前の高校生活を送っている友達が
羨ましくて仕方ありませんでした
「なんで私だけ」と毎日度々思いながら
自分が不幸で仕方ない存在だと
信じて疑いませんでした
今でも戻れるなら
普通の高校生の生活を取り戻したいです
その時、その場所でしか
得られない経験があることも痛感してきたので
取り戻せるなら貴重な青春の時間を取り戻したい
それでも今やっと
「これはこれで悪いばかりではなかったな」
と心から感じられる時間が増えてきました
それは自分が未来への希望や目的を見つけられて
そのビジョンが
ほんの少し現実味を帯びるところまで
やっとやっと辿り着いたから
今までの過程に意味を見出すことが出来ている
というだけなのですが
少なくとも今の私は
病気と共存してきた経験も大いに含んで
出来上がっています
あのまま大人になっていたら
勉強して、学歴を得ることが
安定した人生に必要不可欠だと
信じて疑わずに生きていたかもしれませんし
自分が得てきた功績に天狗になって
自分の物差しを他人に当てたまま
気づかずに過ごしていたかもしれません
社会の多様性にほんの少し早く触れる機会に
ある意味では恵まれ
人それぞれの価値観に基づいた選択があることや
それに正誤は存在しないこと、
少なくともその権利を侵すことや脅かすことに
第三者は権利を持っていないことも
自分の体験も含め肌で感じてきました
勉強してきたから得られたものもあったし
そのまま勉強を頑張り続けられていたら
また違ったものも得られたかもしれません
それでも、
私が病気になってから過ごしてきた7年半で
得てきたものも
その時間を経て大人になってこられたことも
今となっては貴重さが理解できます