年度末ということで
お母さんは毎日仕事に追われ
最近は疲れ切った顔で帰ってきます


この歳でもう一度教員採用試験を受け直して
『受かっちゃったよ〜』と
ケタケタ笑っていたお母さんは
今年度から地元へ戻ってきて
もう一度正規教員として働いています

講師だった今までとは違い
来年度の仕事が保証されている部分は
精神的にとても楽だとは言っていますが

こちらへ戻ってきてから
通常時の帰宅時間も1時間は遅くなり
今の時期に至っては
日付が変わるギリギリに帰ってきて
朝遅くても8時前には出勤していく日々

引っ越してくる前も
講師だから仕事量が少なかったかと言えば
全くそんなことはなく
正規職員の先生と
ほぼ同じ業務量をこなしていましたが

こちらへ戻ってきてからは
とにかく忙しくて時間的に余裕のない生活

休日出勤は当たり前
土日両日休みはほぼ皆無で
逆に土日両日出勤の方が多いです
本当に、休み無し


今住んでいるこの市は
周辺の市に比べて
業務量に配慮がないことで割と有名なようで

お母さんは引っ越してくる前
周辺の市で希望を出そうかと
私に話していましたが

おばあちゃんや親戚のおば様方が
色々なところで『地元へ』と
声をかけてくれたみたいで
無事?地元の市へ勤務しています


地元には
お母さんの実家もあるし
大叔母さんも住んでいるし
おじさん家族も住んでいるので
困っている時に手助けがしやすいから
ということで気にかけてくれたようですが

実際目が回っているこの時期だって
まだ小さな従妹たちのサポートで手一杯で
我が家はおばあちゃんが私に
お出かけのお誘いをするくらいで
特別手は借りられません

私も家のことは
出来る限り最大限しているつもりですが
そもそもお母さんが24時間しかない時間を
必死で回している状況なので

そろそろ倒れないか本当に心配です


ここの地域は
地元出身で地元の大学へ進学し
地元で勤務している人が
教職に限らず多いので
地元から離れたことのない人が
とても多いんです

お母さん方の親戚もまた
みんな地元の出身です
おじいちゃんも、おばあちゃんも
大叔母さんも
おじさん家族もみんな

だからいいところも勿論沢山ありますが
だから閉鎖的で
外部から入ってきた私たちから見たら
考えられない部分も正直沢山あります


地元へ、とすごく言ってくれたけれど
地元へ来て特別良かったことが
イマイチ思いつかなくて

今までの
手助けしてくれる人が
近くに誰一人いなかった生活と
何が変わったかといえば
実際は特別何も変わらない

職場が変わって1年目であることを
差し引いても忙し過ぎるお母さんの生活


結局は幼い従妹たちがいる
おじさん家族のサポートがどうしたって優先で
今までずっと孤軍奮闘し続けてきたお母さんは
今も変わらずほぼ孤軍奮闘だ

私は確かに22になる娘だけれど
病気や障害があって
情けないけれど手助けはやっぱり必要で
だから手が借りられるここへ来たのに
お母さんは苦しくなるばかりで
私はこれ以上は出来ることがない

無理をし過ぎて体調を崩したら
余計に大変になってしまうから
無理のラインを超えないギリギリで
生活を回さなきゃいけない


お母さんが壊れてしまったら?
お母さんまで壊れてしまったら?
って、最近はそればかり考える

今までだって
頑張り過ぎるなんてラインは
はみ出しまくって頑張ってきたのに
まだ頑張らなきゃだめ?


きっと倒れそうになりながら
仕事をしているのは
お母さんに限らず
ここで働く学校の先生たち皆そうだ

実家が近い先生たちが殆どであることが
不幸中の幸いというか、なんというか
子どもたちを祖父母に託して
同じように仕事をこなす先生たちは
山ほどいる

家庭を犠牲にしてまで
働かざるを得ないこの状況に
なんで誰も何も言わないんだろう?

それでも『学校は』『公務員は』
って言われてしまうこの世の中は
先生たちをなんだと思ってるんだろう?

先生にも自分の生活があって
家庭があることを
忘れてしまってはいないだろうか?


学校は保育園じゃないのに
家庭の保育にかける部分を埋める役割も
いつの間にか当たり前の業務になって

学校は多分
世の中の皆さんが思っているより
ずっとずっと何でも屋さんなのに

あれをやってくれない
これをやってくれない、って
あと幾つこなせば満足してもらえる?


先生たちが
私のお母さんが
抱えきれない仕事に壊れてしまったら
それを押し付け続けた理不尽な世の中は
少しは責任を取ってくれるのだろうか?

この日常を目の当たりにする家族の、私の
この悲しくて怖くて腹が立って
たまらない気持ちは
誰が救ってくれるわけ?


もはや何に怒ってるのか
何に怒ればいいのかも分からないけれど
とにかく一日でも早く
お母さんがゆっくり眠れる日が来ますように
どうか体を壊さずいられますように

これ以上頑張ることを強要されませんように