先日お母さんの部屋の本の山から
有川浩さんの『明日の子供たち』
という小説を引っ張り出してきて
初めはパラパラと
中を覗くくらいのつもりでしたが
読み始めたら夢中になって
数時間で読み終えてしまいました
児童養護施設を舞台に
そこで繋がっていく人たちの
それぞれの立場で抱える様々な思いが
有川先生らしい表現で描かれていて
この“有川先生らしい”は
私の語彙ではうまく表現できませんが
この“有川先生らしい”感情の描写が
昔からとても好きです
この先は
少しネタバレになってしまうのですが…
この小説の中で
施設の子どもである女の子が
『……わたしは、施設に来て、ほっとした。』
という台詞があって
私にとっては目から鱗でした
私も福祉の世界に足を踏み込みたくて
勉強しているわけなのですが
今の私にとって児童養護施設は
教科書に書かれた情報だけで作り上げられた
ほぼ想像の世界です
本来親から
無償の愛情を受けられたはずの子どもたちが
本来他人であったはずの大勢の子どもの中で
施設の子供のひとりになっている実情を
何も知らない外側の私が
“かわいそうだ”というのは
盛大なお門違いだとは理解していましたが
そうか、彼ら彼女らにとって児童養護施設は
身の安全を確保してもらえる
シェルターでもあって
だけど実際はそんな無機質なものではなく
職員含めそこにいる子供たち同士にとって
特別な思いがある場所でも
あるのかもしれないなぁ、と
そう考えると
それは私が想像していたより
ずっとあたたかい場所なのかもしれないな
とも思ったりして
これもまた想像でしかないのですが…
児童福祉に対する理解もまた
今の世の中に必要なのだろうな
