小林正観さんのお話です。


ある自転車屋さんの話なんですが、今、自転車というのは、スーパーマーケットとか
量販店だとかですごく安く売ってますよね。


わざわざ専門店に買いに来る人が少なくなってしまって、これからどうしたらよいだ
ろうか、という相談を受けたんですね。


私は「喜ばれる存在になること、それだけですよね」って言いましたら、その人は自
分なりに考えてこういう結論を出しました。


「修理の大好きな自転車屋」っていうのを名刺に入れ始めたんです。


そしたら、毎日、たくさんの修理を頼まれるようになったそうです。


で、その修理をやっていった結果として、「修理を頼んできた人たちも自転車を買い
替えるときには、うちの店に来てくれるようになりました」って話していました。



だって、自転車という商品そのものは、どこの店でも同じようなものでしょう。


そしたら、お客さんが来るかどうかは、その店、その人に関わりたいと思うかどうか
なんです。


それに、スーパーや量販店では多分、修理してくれないですよね。


ちょっと壊れても、「買い替えたら、安いんだから」って言われそうです。


その人は、どんなに安い修理でも全然いやがらずにニコニコしながらずーっと「修理
の大好きな自転車屋さん」をやり続けた。


すごく頼みやすい人になったんです。


実は、頼みやすい人、頼まれやすい人というのは、もうひとつ別の言い方で言います
と“人徳”というのですが、“人徳”イコール、“人格者”ですね。


結局、人が集まるような人格になってしまえば、必ずやそこで商売が成り立つわけで
すから、仕事というのはまさに人格の延長なんです。


自分の周りでいかにたくさんの人が喜んでくださるか、喜ばれる存在になるか。


どうしてこんな簡単なことを世の中で教えなかったんでしょうか。


人間が、この世に生命をもらった意味というのは「人格を磨く」というこの一点だけ
で存在しています。


人格を磨くというのは、経済的に成功するとか、社会的に地位や名誉を得るとかいう
ことではなくて、いかに自分の存在がたくさんの人から喜ばれるか、ということで
す。

それが、魂の究極の目標なんです。


でももし、あのときに彼が「もう自転車屋なんて時代遅れでダメだ」って愚痴や泣き
言を言っていたら、多分商売もたちゆかなかったと思うんですけれど


「喜ばれる存在になりたい。お金のことは考えずに、ただ修理をやっていこう」

って決めた。


その決め方がとても美しいですよね。


そんな彼を見たときに、神さまだったら「絶対、味方したい」って思うんじゃないで
しょうか。


もちろん、いい結果というのは、1回2回ではすぐには出てこないかもしれませんが、
できる限り続けていたら、これまでとまったく違う世界の住人になるみたいです。


「人生ってこんなに面白かったのか」って思うほどの醍醐味を味わえるようですね。




環境や周りのせいにしてダメだダメだって言っているより、

どうにかしよう、チャンスだと取り組むことで道は開けるんだなって思いました。


この自転車屋さんもちょっと考え方を変えただけだと思います。


そして、やるのか止めるのかを決める!!


決め方が大事ですね。


どんな時も何とかなる、何とかしようと気持ちでがんばります!