文部科学大臣賞
中学生部門
タイトル:【ちりも積もれば山となる】
大阪府 中学校1年生 村上 夢奈
先日、家族でファミリーレストランに行った時、ドリンクバーを注文しドリンクを入れに行くとストローが見当たらなかった。私はちょうどストックがなくなってしまったのだと思い、お店の人に
「ストローもらえますか?」
とお願いすると
「はい。お待ちください。」
と、奥から持って来たストローを笑顔で渡してくれた。笑顔で対応してくださったが、何か少し違和感があった。それから次のドリンクを入れに行った際に見つけたPOPを見て顔から火が出そうになった。「美しい未来をつくるレストランへ。」地球環境保護のために使い捨てストローの提供を終了したという内容の事が書いてあった。
「3R」の事は、五年生の家庭科で学習し、プラスチックごみの削減の為に、私にも出来る事から始めようと、レジ袋をもらわなくても良いようにマイバッグを持ち歩くなど実行していた。ストローが無い事に気付く前にPOPに気付く事が出来ていたらストローをもらう事はしなかった。お店が環境の為に取り組まれている事に協力出来なかった事が恥ずかしくなった。小さな子なら必要だったかもしれないが、もう私はストローなしで問題なく飲み物を飲む事が出来る。今まで絶対に必要な物ではないのに、ある物は当たり前のように使っていた。そう考えると、ストロー以外にもそのような物はまだまだありそうだなと思った。
後で調べてみて、私がもらったストローはプラスチック製ではなく、トウモロコシを原料とした生分解性のバイオマスのストローだった事が分かった。バイオマスは、土中の微生物により水と二酸化炭素に分解されるため、焼却した場合でも有害物質が発生せず、地球温暖化防止にも貢献するという。また、プラスチックごみは、海洋にも悪い影響を与え、魚類、海鳥、アザラシなどの約七百種もの生物が傷つけられたり死んだりしてしまう。一度放出されたプラスチックごみは容易には自然分解されず、多くが数百年間以上もの間、残り続けるという。
調べて、数字を見れば見るほど、私一人が出来る事の小ささを感じたが、何もしないという事も出来ないと思った。ちりのようにごくわずかなものでも、積もり積もれば山のように大きくなってしまう。一人ひとりがすることが小さな事でも、同じ思いの人が多くなれば、きっと成果が出てくると思う。地球環境の為に、私でも出来る小さな事を日頃の生活で増やしていきたい。
