NPO法人地球こどもクラブ

NPO法人地球こどもクラブ

NPO法人地球こどもクラブは、1991年環境庁創立20周年記念の事業としてスタート。

現在活動29年目のNPO法人です。

こどもと一緒に環境を考える活動を行っています。

こんにちは!!きらきら


NPO法人地球こどもクラブですにこ


地球こどもクラブでは、アジアの子どもたちに地球環境の大切さを考えてもらい、どうやったら環境を守っていけるかを一緒に考えていきますにこり手


このブログでは、スタッフ一同が活動日記を更新していきますmemo
ご意見、ご感想をお待ちしておりますきらきら


地球こどもクラブでは、小中学生対象の作文・ポスターコンクールを実施しておりますにこにこ

毎年、日本を含めたアジア各国からすばらしい作品が届いていますLOVE

過去の作品を少しづつご紹介していきます。


その他、地球こどもクラブの活動内容については、下記ウェブサイトをご覧くださいニコ

NPO法人地球こどもクラブ ウェブサイト

http://www.c-earth.org/

 

なお、このサイトに不適切なコメント等は予期なく削除させていただく場合がございます。

あらかじめ、ご了承ください。


地球こどもクラブ事務局


Amebaでブログを始めよう!

内閣総理大臣賞

 

タイトル:【輝く命のために】

       熊本県 中学校3年生 田中 ひかる

 

 自宅近くにある江津湖周辺の生き物達は、私に様々な表情を見せてくれる。天から降ろされた一本の白糸のように直立不動で獲物を狙うサギの神聖さ。清らかな流れの中で泳ぐ鯉の優雅さ・・・。柔らかな水音を聞きながら、水辺の生き物と過ごす時間は、一枚の透明な膜で覆われたように、外界の煩いを忘れさせてくれる。私にとって大切な時間である。

 

 その水辺や水中に住む生き物が脅威に晒されている。特に海洋生物に大きな被害があるという。原因は、プラスチックごみによる海洋汚染だ。例えば、体重百キロを超えるウミガメが一回の排便で出したプラごみは、幅1メートル、高さ五十センチのケース内に山積みになるほどだという。一匹のウミガメから、これだけのごみが排出されたとすると、海に流出したごみの総量はどれほどなのか・・・。考えただけでも恐ろしくなる。

 

 プラごみは、ポイ捨てなど陸上で適切に処理されなかったプラスチック製品が河川に流れ込んで発生する。私が住む地域のポイ捨て状況はどうか。自宅周辺を歩いてみた。すると、ペットボトル、菓子やパンの包装袋などプラスチック製品が数多く落ちている。中には、コンビニ近くの電柱の下に残飯が入ったままの弁当容器と飲みかけのペットボトルが放置されているものもあった。ほんの数秒歩けば、コンビニに設置されているごみ箱があるというのに・・・。簡単に手に入れた食べ物を腹を満たすためだけに食べ、自分が出したごみの始末もせずに立ち去る 食べ物に対する感謝の気持ちなど感じられない行為に、何か大切なものを失ってしまったような気がして気持ちが沈んだ。容器を拾い上げた手の感触が、その時感じた寂しさと共に、今もありありと残っている。

 

 この春訪れた水俣市は、「公害の原点」と呼ばれる水俣病が発生した地である。水俣の悲劇を二度と繰り返さないという決意のもと、市民一人ひとりが水俣の自然を守り伝え、責任を持って環境再生や環境保全に努力している。市民のごみ減量とリサイクルを進めて行こうとする意識は高く、その活動は生活の一部のように人々の暮らしの中で息づいている。だからだろう。夕日に染まった不知火海は、思わず感嘆の声がもれるほど美しかった。

 

 プラごみによる海洋汚染を知った事で、私の身の回りは数え切れないほどの便利さで溢れている事、しかし、そのほとんどが削減できたり不必要な物であることに気づいた。それらの気づきが、利便性と効率性を重視してきた私の価値観に変化を与え、今、私は環境に配慮した暮らしに努めている。問題の解決には、他の誰でもない私達一人ひとりが、事実を知り、考え、行動することが大切で、そこには意識の変化も求められるだろう。

 

 美しい自然が、現在と未来の命を輝かせるのだと私は確信している。

 

外務大臣賞

中学生部門

 

タイトル:【もったいない心が世界を救う】

      山形県 中学校2年生 長澤パティ 瑛美

 

 私のピンクのランドセルは従姉妹からのお下がりだった。六年生の時にはベルトもねじれ、ボロボロに見えたが、卒業式まで毎日使った宝物だ。一年生から使っている勉強机は私の祖父が使っていた物だ。母も使っていたその机は七十四歳にもなる。机の表面にある傷や引き出しの汚れを見ながら、祖父が勉強していた姿、母が子ども時代だった姿を想像するとやる気が出てくる。洋服は6人いる従姉妹同士で集るたびにグルグルまわしている。先日6歳になった従姉妹が私のお古の洋服を着ていて、とても懐かしく、当時のことを思い出させてくれた。

 

 中学生になった今、私が日々意識していることは、ペットボトルは買わない、水道電気の無駄に気づいて大切に使う、物を大切に使うことだ。また、資源の再利用についても考えることにしている。小学3年生の時に見学したごみ処理場では、その量と臭さに驚いた。自分の出したごみがこんな状態になっているとは思いもしなかった。そして、埋め立て地のスペースが無くなっている事実に、衝撃を感じた。父の母国である開発途上国のネパールを訪れた時も、便利な生活を追い求める人々と、増え続けるごみ問題が垣間見えた。便利な生活は物が増え、人々は幸せそうに見えた。しかし街を歩くと、道端に積まれたごみの山、行き場のないごみの悪臭。川辺にはごみがあふれかえり、水があるのかもわからない。衛生的にも環境面でも見ていて辛かった。便利になり続ける世界と、その裏で処理しきれなくなっているごみ。光と影が見えた体験だ。

 

 二〇三〇年を目標として国連が掲げたSDGSの十二番に、「つくる責任、つかう責任」という項目がある。今、世界ではごみなどにより地球温暖化が進み、海や川が破壊され動植物が行き場をなくしている。地球は生命の星。人間だけが支配しているのではなく、多種多様な生物の宝庫だ。ごみ問題に関係のない人など存在しない。環境破壊を人ごととしてではなく、自分のこととして皆が取り組んでいく課題だと思う。物を買う前に考える、捨てる前に考える、使える物は皆で共有する、正に3Rの生活だ。そのような生活が行える環境作りも大切になってくるだろう。今年七月のニュース記事に、アメリカのコーヒーチェーン大手スターバックスがストローの使用を廃止した例がある。たかがストローと思うかもしれないが、一年間で換算すると5億本も廃止できることになる。されどストローだと思う。

 

「もったいない心が世界を救う。」

 

 これは二〇〇四年にノーベル平和賞を受賞したケニア出身のワンガリ・マータイさんの言葉だ。私はこの言葉に感銘を受ける。もったいない心があれば、人との関係や生活をも大切にできるだろう。ひとつのきっかけ、ひとつの行動が相手を動かし、一人が二人になり、それが大勢になり、勢力となる。小さな行動が実を結び世界を救うことを願う。光あふれる未来が続くように。