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NPO法人地球こどもクラブ

NPO法人地球こどもクラブは、1991年環境庁創立20周年記念の事業としてスタート。

現在活動34年目のNPO法人です。

こどもと一緒に環境を考える活動を行っています。

外務大臣賞

小学生部門

 

タイトル:【一本のストローから】

      東京都 小学校6年生 田口 琴乃美

 

 「あれ? 紙になってる!」

春休みに東京ディズニーランドに行ったら、ストローが紙製に替わっていた。正直、ざらざらして嫌だなと思った。でも、なぜ替わったのだろう。そういえば、最近プラスチックストローの問題をよく聞く。ウミガメの鼻にささったストローの映像を見たが、ショッキングで夢に出てきそうだった。今、世の中で何が起こっているのか、調べてみたくなった。

 

 まず分ったのは、ストローに限らず、問題はプラスチックごみ全体であること。それは、この五十年間で、世界のプラスチックの年間生産量が、なんと二十倍にふくらんだことが関係している。容器や包装、袋などのパッケージが三十六パーセントと最も多くを占めるが、それがリサイクルされる割合は、十四パーセントに過ぎず、ポイ捨てなどが多いのだ。そして、海に流れ込み、年月をかけて五ミリ以下に砕け、「マイクロプラスチック」になる。これらは、有害な化学物質を吸着し、海を漂う。それを魚や貝が食べ、その魚や貝を人が食べることにもなる。マイクロプラスチックは世界の海に五兆個もあり、回収するのはもはや不可能な上、増え続けている。

 

 便利さを追い求めたための地球環境への影響は、計り知れないと思っていた時に、「ラストストロー」という英語の慣用句の話を聞いた。ストローは、英語でもともと「わら」のこと。ラクダにたくさんの荷物を載せて運ばせて、まだ大丈夫だろうと思い、わらを一本加えたら、その最後のたった一本でラクダの背骨が折れてしまった、という例え話だ。

 

 私はギョッとした。まさに私のことだと思ったからだ。この作文を書くにあたって、プラスチック問題について調べるまでは、お母さんに「ストロー使わないでおく?」と言われても、「別にこの一本で何か変わるわけもないし。」と思って平気で使っていた。けれど、今は気持ちが変わり、それではいけないと思う。

 

 他にも、私の意識が変化したことがある。レジ袋や食品のパッケージに書いてある文字や記号が、目に留まるようになった。またプラスチックごみのニュースに敏感にもなった。私一人が何かしたって何も変わらない、だからやらない、ではなく、私の行動が「ラストストロー」になってしまわないよう、私にも出来る事から、まずは始めてみようと思う。

 

 早速、お母さんに金属製の「マイストロー」を買ってもらった。ついでに麦わらの天然ストローも取り寄せた。それから、コンビニなどでレジ袋をもらわないようにしよう。私もお母さんみたいに、エコバッグを持ち歩こうかな。また、ペットボトルはなるべく洗って、周りのフィルムをはがしてリサイクルしよう。水筒も今まで以上に持ち歩こう。

 

 届いた文字通りのストロー、麦わらの天然ストローは、優しくて温かい味がした。私も地球に優しさを還したいと思った。